刺青・タトゥー削皮(皮膚剥削術)

当院では全例に対して削皮・剥削を行っている
1回あたり30万円から120万円程度
巨大なものは複数回に分けています。
深く削りすぎると出血のリスクがあったり
創傷治癒が遷延して肥厚性瘢痕のリスクがある
深く削りすぎたり術後の処置が悪いと
出血や肥厚性瘢痕だけでなく
感染や敗血症のリスクさえある

刺青・タトゥー削皮(皮膚剥削術)とは、皮膚に刻まれている墨を皮膚と一緒に削り取る治療法です。削った部分は擦り傷となります。そして、その傷を治すために自分の細胞が集まって治癒へと導き、同時に残りの墨を食べて薄くしてくれます。皮膚の自然治癒力を活かした治療法です。削皮(皮膚剥削術)の利点は、いったん傷口がふさがってしまうと、ツッパリ感や痛みなどの症状が少なく、背中いっぱいの大きな刺青やタトゥーでも除去できるということです。

削皮(皮膚剥削術)によって墨が薄くなった状態に後日レーザーを当てるとさらに効果的です。術後のレーザー照射がいらないほど深く削ってしまうと、通常は真皮成分が残りません。真皮成分・網状層を残さなければ肥厚性瘢痕(ケロイド状の傷跡)になると言われています。ですから、追加のレーザー照射が必要としないような削皮(皮膚剥削術)を受けてはいけません。

特に男性の場合、とりあえず早く墨を見えなくしてほしい、通院回数が少なくすむように墨を全部削り取ってほしい、墨が取れればどのような傷跡になっても構わない、最終的に刺青やタトゥーを消すことができれば途中どんな目に会おうとかまわないなどといった意見の方もいらっしゃいます。でも、わたくしはそのような意見はどのような状況の方であっても明らかに間違っていると思います。削皮(皮膚剥削術)後の傷跡が汚い場合には、痛み・かゆみ・ヒキツレ感・ツッパリ感などの症状が生じて、日常生活・睡眠・仕事などにも支障が出る可能性があります。

また、上皮化(皮膚ができて浸出液が出なくなるまで)に2週間以上かかるような削皮(皮膚剥削術)を受けてはいけません。上皮化に2週間以上かかるような削皮(皮膚剥削術)は真皮成分を上手く残せていないほど深く削られていたり、術後の処置が何か悪いことがほとんどです。その場合には傷跡が汚くなったり、肥厚性瘢痕(ケロイド状の傷跡)になるだけでなく、感染や敗血症などで死ぬような目にあうリスクが高くなります。なぜなら、この世はバイ菌だらけで、皮膚はバイ菌から身を守る大切なバリアーです。この大切なバリアーをわざわざ削り取る治療が削皮(皮膚剥削術)なのです。

また、皮膚を表面から連続して薄く削って行ったとき、最初にある程度大き目のまとまった血管に出会う深さは真皮の下の含皮下血管網という部位です。理想的な削皮(皮膚剥削術)後には真皮が十分に残っているはずですので、理想的な深さで削られていると出血が非常に少ないものです。にもかかわらず、削皮(皮膚剥削術)の説明を行う医師が出血をやたらと強調する場合には、その医師はいつも深く削ってしまってるということです。「あまり出血しません。」という説明が正解と言えるのです。ちなみに止血操作は一切必要ありません。

レーザーや電気メスで削るということは論外です。出血対策としてそのような機器を使用しているわけですから、暗に深く削ると言っているようなものです。その上、レーザーや電気メスによる熱損傷によってやけどを起こすためキズがいっそう深くなってしまいます。皮膚というバリアーがない部分のやけどについてはあまり深刻に考えていない医師も多いようですが、キズが治るまでの期間や感染しやすさ・傷跡のクオリティーなどに対して非常に深刻な影響を及ぼします。

上皮化までの期間が長ければ長いほどバイ菌から身を守るバリアーがひどく損傷されているということです。すぐに刺青やタトゥーを全部取ってほしい人に対しては、ごくごく小さな刺青・タトゥーでは切除、ある程度以上の大きさの刺青やタトゥーでは植皮(皮膚移植)しか治療法がありません。しかしながら、植皮(皮膚移植)の場合には、何か他の動物の皮を無理やり貼り付けたような独特な見かけになってしまうことが多いですし、植えるための皮膚を採った部分(例えば、太ももなど)にも傷跡が残ってしまいます。

刺青・タトゥー削皮(皮膚剥削術)の適応についてですが、一般的には、刺青やタトゥーの面積が広くて切除不能な方や濃くてレーザー治療が不能な方が適応とされています。しかし、わたくしの経験上、どのようなタイプの刺青やタトゥーでも、上手く行った削皮(皮膚剥削術)がもっとも良い結果になる傾向にあります。

削皮(皮膚剥削術)はこのような方に向いています。
女性アイコン

刺青やタトゥーの範囲が広く切除不可能な方と言われていますが、実はすべての刺青・タトゥーに向いています。

施術のながれ

1 麻酔 局所麻酔を行います。
2 手術 修正 医療用の特殊な器具で削ります。
3 止血・洗浄 ほとんど出血しません。止血操作は一切必要ありません。
4 処置 創傷被覆材・成長因子製剤を用いて処置します。
5 抜糸 1〜14日前後。
時 間 2〜4時間
シャワー入浴 翌日より可能、傷口まで洗うことができます。
出 血 少ない(個人差あり)
シャワー・入浴 当日より可能
ダウンタイム 上皮化するまでの2週間程度、浸出液がでます。
部位と大きさによっては安静を要することがあります。
オペ日以外の通院 翌日再診、希望日 ※追加レーザー日

刺青・タトゥー除去に大きな傷跡はつき物?

広範囲の刺青やタトゥーに対しては、植皮(皮膚移植)や皮弁を行うのが一般的ですが、六本木境クリニックでは傷跡が自然な削皮(皮膚剥削術)&レーザー法をお勧めしています。レーザー治療のみでは色のついた刺青・タトゥーには効果が望めなかったり、墨一色の刺青・タトゥーであっても効果がなかったり、長い年月で多数回の治療が必要となったりします。

ちなみに、複数の医師や多数の患者さんから聞いたところによると、最新型のピコレーザーでもそのような雰囲気はぜんぜん変わっていないようです。六本木境クリニックでは、皮膚の表面を薄く剥削(削ること)し、直接レーザーを照射しますので、1回の手術と複数回のレーザー(3回から6回程度のことが多い)で効果的な刺青・タトゥー除去を行うことが可能です。

削皮(皮膚剥削術・アブレーション)の方法にもいろいろ

削皮(皮膚剥削術)の方法はクリニックによって違います。
一般的におこなわれている方法を多い順に並べると、下記のようになります。

① 二酸化炭素レーザー・エルビウムレーザー
② 剥削刀
③ グラインダー
④ 電動式デルマトーム
⑤ フリーハンドデルマトーム

これらは、「削皮(皮膚剥削術)」でありながら、とても同じ手術と思えないほど、術後の結果が違ってきます。六本木境クリニックでは、⑤の「フリーハンドデルマトーム」という“やけど”の手術道具を用いて削皮(皮膚剥削術)をおこなっています。このフリーハンドデルマトームを使った手術は、削皮(皮膚剥削術)の中では最も難しい方法ですが、微調整ができて術後の結果が良いため、六本木境クリニックではあえてこの方法で削皮(皮膚剥削術)をおこなっております。

境先生アイコン

Dr.境のコメント
他院で刺青・タトゥーの削皮(皮膚剥削術)を受けた方から、臭い汁が半年出続けて服が汚れる、傷口がふさがらず高熱が出て入院した、ケロイド状でかゆくて眠れない、痛い、しびれる、腕が曲がらない、手が動かない、日常生活や仕事に支障が出るといったさまざまな相談が多いです。

削皮(皮膚剥削術)は、世間では誰でもできる手抜きの治療、短時間・短期間で終わる治療だと思われている節がありますが、わたくしは、「削皮(皮膚剥削術)は一番難しい治療」だと考えています。もちろん、結果がどうなっても良いのであれば、削皮(皮膚剥削術)は確かに誰にでもできる治療です。

削りすぎるとケロイドになるし、削り足りないと墨が残ります。しかも、わたくしのおこなっているフリーハンドでの削皮(皮膚剥削術)は、ほんの少しの力加減で、まったく深さが変わってしまいます。

やり直しの一切効かない、一筆書きという難しさがあります。元の形を連想させないセンスも必要です。六本木境クリニックでは、ミクロ単位の深さまでこだわって削っています。

大きな刺青やタトゥーに対しては削皮(皮膚剥削術・アブレーション)?

レーザーは刺青やタトゥーを消す治療ではなくて、薄くする治療だと言えます。最新のピコレーザーも例外ではありません。たとえ最新のピコレーザーで何回照射しても凸凹でまだらの結果になることも多々あると思います。実際にピコレーザーで超有名な先生は「ピコレーザーで墨が魔法のように全部消えたとしても、もともと墨を入れた時からある傷跡が浮かび上がってくるので、消えたように感じないことが多い。」と説明されているそうです。

また、切除は大きな刺青やタトゥーに対応できる治療ではありません。何回に分割してもこの原則は変わりません。大きな刺青・タトゥーに対応できる治療は植皮(皮膚移植)か削皮(皮膚剥削術)です。しかし、植皮(皮膚移植)はもともと傷跡をきれいに仕上げる手術ではありません。たとえば、広範囲の植皮(皮膚移植)の場合、メッシュ植皮という方法が一般的で、これは、太ももなどから皮膚を採皮して、メッシャーという機械に通し、網目状に薄く伸ばして貼り付けるという方法です。仕上がりは、素人が見ると、まるで「ケロイド」「うろこ」「幾何学模様」という意見が大多数ですし、境界線が目立ちます。また、採皮部(植えるための皮膚を採る場所)にも傷跡ができます。

六本木境クリニックでは、当初、小さな刺青・タトゥーや細長いものにはジグザグ切除、大きな刺青やタトゥーに対しては、削皮(皮膚剥削術・アブレーション)をお勧めしてきました。大きな刺青・タトゥーには削皮(皮膚剥削術)をうまくおこなった場合の方がきれいな仕上がりとなり、術後の日常生活にも問題が少ないためです。

「削皮はほとんどケロイド状になるが、植皮はある程度計算できます」と、六本木境クリニックの考えとは全く正反対の意見もあるようですが、六本木境クリニックの削皮(皮膚剥削術)術では、むしろ植皮(皮膚移植)よりも良い結果が出ています。ケロイド状にならないか、汚くならないか、非常にご心配かと思いますが、わたくしが形成外科・熱傷外科・創傷外科で培った治療を行いますのでご安心ください。

ちなみに、最近では小さな刺青やタトゥーに対してジグザグ切除を行うよりも削皮(皮膚剥削術)を行う方がキレイに仕上がることが分かってきましたので、ごく小さな刺青やタトゥーにも削皮(皮膚剥削術)をおすすめしています。

境先生アイコン

Dr.境のコメント
ネット上では、削皮(皮膚剥削術)に対する悪口が書かれています。「削皮は簡単で手抜き」「植皮よりも汚い」「削皮をすると1か月風呂に入れない、臭くなる」「長期安静が絶対必要」「毎日通院する必要がある」などです。

しかしながら、刺青除去治療において、削皮(皮膚剥削術)も切除も数多く経験がある六本木境クリニックでは「削皮は一番難しい治療」と考えています。もちろん、結果がどうなっても良いのであれば、誰にでもできる治療です。六本木境クリニックではミクロ単位にまでこだわった手術手技と形成外科的な治療を行うことで、植皮(皮膚移植)よりも良い結果を出しております。

また、六本木境クリニックのすべての手術・処置において、入浴できない日はありません。毎日、普通に湯船に入れます。よって臭くなることはありません。部位によっては術後安静が必要ですが、むしろお仕事を2日程度しか休まないという人が過半数です。

術後、通院いただくのは、手術の翌日と3か月おきの追加レーザーのときくらいです。ご来院の際は、毎回、長時間の説明があります。また、時間外には電話で対応しておりますので、気軽に相談することができます。

無理なく対応できる面積(体表面積の何%?)

分割切除 1%以下
シャワー入浴 1%以下
ジグザグ切除 1.5%前後
全層植皮 2~3%前後(採皮部の面積2~3%前後)
分層植皮 20%前後(採皮部の面積25%前後)
メッシュ植皮 30%前後(採皮部の面積15%前後)
削皮(当院) 50%前後?(採皮部0%)

※解剖学的な制約(関節可動域や左右対称性など皮膚余裕以外の重要な要因)が少ない背中の刺青で比較しています。数値はわたくしの独断と偏見に基づいております。

タトゥー・刺青削皮(皮膚剥削術)ができる医師とは?

タトゥーや刺青の削皮(皮膚剥削術)という手技はご存知の通り、ただできるようになるのは簡単ですが、上手くできるようになることが大切です。上手くできないとケロイド状の汚い傷跡になって、かゆみやヒキツレなどで日常生活やお仕事にも支障を来すだけでなく、感染や敗血症などで死ぬような目に会うことすらあり得ると思われます。

そこで、タトゥー・刺青削皮(皮膚剥削術)が上手くできるようになることができる医師の条件を2つ挙げたいと思います。

1つ目はやけどの手術経験が豊富だということです。もう一つ大切なことは、入院施設がないいわゆるクリニックや診療所でタトゥーや刺青の削皮(皮膚剥削術)を行う場合、そこそこひどいやけどを外来で診た経験が豊富なことです。タトゥー・刺青削皮(皮膚剥削術)後のキズはやけどと似ていますが、やけどの9割を占めるお湯によるやけどよりも深いので、やけどをたくさん診たことがない医師には手を出してはいけない手術です。

そもそも、タトゥー・刺青の削皮(皮膚剥削術)による治療は、やけどの診療とは責任の大きさ、事の重大さがケタ違いに違います。やけど治療は多くの場合、自分でやけどしたケガの治療です。一方、削皮(皮膚剥削術)後のキズは医師がわざわざ傷害したものです。当然、病気やけがの治療じゃありませんから、不適切な治療を行って支障を来すと完全に傷害罪です。もともと刺青・タトゥーは自分で入れたんでしょ・・ですって・・それは筋違いですよね。

病気やけがの治療とは違って、刺青やタトゥー治療には手遅れが一切ありませんから、自信がなければ適切な医療機関を紹介したり、良い治療が出てくるのを待つように説得したりできたはずですよね。そもそも刺青・タトゥーを自分で入れたんでしょ!といった気持ちが微塵でもある医師の刺青・タトゥー除去治療を受けたい患者さんなんて絶対にいませんよね。そのような気持ちが微塵でもある医師は、刺青・タトゥー除去治療を担当する資格がありません。

外来で床ずれ(褥瘡)を診た経験があるから、削皮(皮膚剥削術)を行っても大丈夫だと不思議な勘違いをしている医師がいますが、的外れな意見であると断言できます。だって・・床ずれ(褥瘡)には削皮(皮膚剥削術)後の皮膚よりも深いものもあるじゃないか?と言われそうですが、床ずれ(褥瘡)が急激にできる場合は通常全身状態が悪くて褥瘡になっている人なので普通入院しています。そうでない人は車いすで生活していたり、高齢で寝たきりや長時間座りっぱなしであったりといったさまざまな事情で徐々にキズができて深くなってしまった人です。

外来で診ている褥瘡の多くはこのタイプのものです。貧血を想像してください。生理がひどい女性などで慢性的に貧血になっている人は驚くべきことにヘモグロビンが6から7の人すらいます。でも、あっという間に手術で出血してそのようなヘモグロビン量になってしまうといろんな問題が生じてしまいます。

やけどや手術のようにあっという間に大きな傷ができると全身に対する影響がシビアーです。もちろん、褥瘡さえも外来で診たことがない医師よりは処置や感染対策などでは有利な面もあるとは思いますが、大きな傷が急にできた場合の全身的な影響を実感したことがない場合、片手落ちの面もあります。

もしも、タトゥー・刺青の削皮(皮膚剥削術)ができそうな医師をさがす場合、患者さん側から分かりやすい資格・経歴としては、形成外科専門医で熱傷センター勤務の経験がある医師しか上手くできない手術だとお考えいただければ、ほぼ間違いありません。熱傷専門医という資格は当てにはなりません。現在の状況は分かりませんが、わたくしがこの資格を持っていたころ、少なくとも半分以上はやけどの手術をそんなにたくさんやっていない医師ややけどの手術が好きではない医師だったと記憶しています。

また、やけどの手術経験うんぬんについてですが、まずは熱で損傷した皮膚を削って行くタンジェンシャルイクシジョン(tangencial excision)という手技があります。このタンジェンシャルイクシジョン(tangencial excision)が得意な医師にしか、この手術のキモは分からないと言えます。ケロイドの専門家として有名な日本医科大学の小川令主任教授から直にお聞きしたのですが、真皮の網状層を残さなければ肥厚性瘢痕(ケロイド状の傷跡)になるそうです。
また、やけどなどの植皮(皮膚移植)で植えるための皮膚を採ること(採皮)で、電動式デルマトームやパジェットデルマトームを使っていた医師はそんなに上手くはならないように思います。フリーハンドデルマトームやカミソリ、メスなどで、採皮できる医師しか、このタトゥー・刺青の削皮(皮膚剥削術)という手術が上手くなることはないと思います。なぜなら、タトゥーや刺青の削皮(皮膚剥削術)はタンジェンシャルイクシジョン(tangencial excision)や植皮(皮膚移植)の採皮よりも、ずっとずっと難しいからです。やけどのタンジェンシャルイクシジョン(tangencial excision)や植皮(皮膚移植)の採皮とタトゥー・刺青の削皮(皮膚剥削術)との大きな違いは、後者の場合、削れてほしいところほど上手く削れないということです。墨が濃いところほど固くて削れませんし、追加レーザーが効きにくい嫌な色ほど目立たせるためには大量の墨が必要ですので墨が多い傾向があります。

また、やけどは真ん中が深くて周囲ほど浅くなっているのである意味どのような方法でも削りやすいのです。タトゥーや刺青はそのほうがインパクトがあってキレイに見えるためグラデーションが付いていて外の方が濃かったり、額縁状に周囲の墨の量が多い傾向があります。このためフリーハンドデルマトームで削った後、残った墨・墨の深いところ・周囲の額縁状の部分などをカミソリや顕微鏡手術用の道具などを用いて非常に時間をかけて削って行くこととなります。その難しさは、まるでプリンの中に浮かんだチョコレートを削っているようなものです。

このようにタトゥー・刺青削皮(皮膚剥削術)は非常に難しいため、最近始めた医師が簡単に上手くできる手術ではありません。わたくしは形成外科のころは20年前から熱傷の手術漬けでしたし、その後はすぐにタトゥー削除をおよそ8年前からたくさん行い続けてきました。似た手術を大量に約20年間続けて来たわけですから、すごくセンスのある似た経歴の医師がマネをしたところで、どう考えても似たクオリティーを出せるようになるまで10年くらいかかるように思えます。だって・・刺青・タトゥー削皮(皮膚剥削術)のように、その結果によって天国から地獄まで・やり直しがきかない・受けてしまうと取り返しがつかないような分野では、先行してたくさんやっていて、なおかついい結果を出し続けている医者がいると、患者さんはそこに集まる傾向にありますから、他の医師や医療機関は上手くなる機会すら一切ないですよね。

上手くできているかどうか簡単に分かる指標があります。2週間で上皮化しない・傷口がふさがらない場合には深く削りすぎであったり、処置が悪かったり、何かしら原因があると思われます。特に汁(浸出液)が1か月以上も出るような場合にはかなり危険です。大切なことは医師側でも患者さん側でも「最終的に治ればよい」などといった考えは絶対に持たないことです。そのような考えは肥厚性瘢痕(ケロイド状の傷跡)になる確率が非常に高くなりますし、傷口がふさがるまでの期間が長ければ長いほど感染や敗血症など死ぬような目に会う可能性すらあると思われます。