刺青やタトゥーのレーザー除去治療は
「途中で治療が終わった」と感じることが多いような治療です。
最終段階になっても“消えている”といった印象にはならないことが多いのです。

他院で刺青やタトゥーのレーザー除去治療を長期にわたって
多数回受けたという方が六本木境クリニックへ相談にみえて、
「レーザーは結局消えない」と辛辣な評価をされていました。

(・・・とは言っても、刺青・タトゥーのレーザーによる除去はローリスクですので
ローリスク・ローリターン治療としての意義は否定できません。
しかし、先にレーザー除去治療を行ってみてダメだったら他の治療方式には反対です。
レーザー除去後の刺青やタトゥー部分の皮膚は固く、手術がしにくいのは間違いありません。
この認識のない医師の手術は細部までこだわっていないと断言できます。)

次に、刺青・タトゥーの切除手術についてですが・・
紡錘形切除よりもジグザグ切除の方が
よい手術であることについて賛否両論はないと思います。

形成外科医であればW形成などのジグザグの意義を分かると思います。

ジグザグ切除には、
バネやクッションの作用とグラディエーション効果があるため、
傷跡が目立ちにくくなって行きます。

紡錘形切除は、
手術時間が短くて簡単であるということに尽きます。
やられる側のメリットよりもやる側のメリットが大きいのです。

一方、削皮や植皮と分割切除の関係はどうでしょうか?

ほっきり言って、面積や部位で選ぶべきです。

切除は大きな面積に対応できる治療ではなく
たとえ何回に分けたとしても、
大きな刺青やタトゥーでは必ずひどい目にあいます。

途中で治療が中断したり、
方針が急に替わったり、痛くなったりしびれたり・・・

手術のバリエーションの多い医師のほとんどが
広めの刺青・タトゥーに対しては
分割切除ではなく植皮か削皮を推しています。

最後に、削皮と植皮の関係ですが、
一般的には、植皮の方が広く行われていて、
安定した結果が得られると言われています。

一方、刺青削皮(剥削)に対する一般的な意見は散々です。
手抜き、醜い傷跡、治るまでに数か月、臭い汁が続く、
夏は感染する、風呂にずっと入れない、必ずケロイド状になる・・・などなどです。

このことは刺青削皮が悪い治療と言うことを表している訳ではなく・・・
刺青削皮で満足な結果を出すことは至難の業であるということです。

削皮は本当に100分の1mmの差によって
天国と地獄の差がでるほどの曲芸のような手術だと思います。

わたくしも毎日、
このことを自分に言い聞かせて手術に臨んでいます。

綱わたり_4-4

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