六本木境クリニックでは開院から約7年で溶けない糸のフェイスリフト・スプリングスレッドの手術を488例も行っています。
今回のブログ記事ではスプリングスレッドリフトの入れ方・方法について、考えてみました。
スプリングスレッドリフトの入れ方・方法
- 側頭筋膜固定法・骨膜固定法
- X法
- ストレート法
糸のフェイスリフトの側頭筋膜固定法・骨膜固定法
糸のリフトアップ施術・糸のフェイスリフトで糸を固定する部位について考えてみましょう。
糸をしっかりと固定する場合、切るフェイスリフト手術と同じように・・お顔のどの部位に何があるかと言ったことに支配されてしまい解剖学的制約があります。
意外にも糸を強固に固定できる部位は少ないのです。頭蓋骨に穴をあけて止める以外には、骨膜も意外にもろくて外れやすいので、 側頭筋膜で留めるくらいしかありません。
他には簡単・強固に留めることができるところがないのですから、側頭筋膜固定がたいへん多くなります。
側頭筋膜は文字通り、側頭部にしかありませんから、側頭部以外のところで固定しようとすると、これまた必然的に骨膜に固定するか骨にネジで固定することとなります。
糸のフェイスリフト(お顔のリフトアップ施術)の固定法
- 頭蓋骨にネジで留める
- 骨膜固定
- 側頭筋膜固定
側頭部のことをコメカミと呼ぶように 側頭筋は噛む筋肉です。その側頭筋膜に糸を固定すると、1か月以上食事の時たいへん痛いようです。そして、側頭筋膜固定はゆるみます。
また、頭蓋骨に穴をあけてネジで止めても糸はゆるみます。わたくしも形成外科医時代には、骨に穴をあけてネジで固定すると言った方法が好きでした。骨にネジで固定する方法は便利なのですが、 はっきり言ってゆるみます。
ゆるむかゆるまないかは固定源の問題ではないのです。 お顏のようによく動く部位に糸を入れる場合には 伸び縮みが最大のミソとなります。
それではスプリングスレッドのようなよく伸び縮みして固定力も強力な糸を側頭筋膜や骨などにわざわざ固定して使用するとどうなるのでしょうか?
スプリングスレッドの側頭筋膜固定法・骨膜固定法
そうですよね。スプリングスレッドのように伸び縮みがあるほうが圧倒的に有利なのは間違いないです。残念ながら・・それでもゆるみます。
スプリングスレッドはストレート法で使用することが前提でもともと作られていて、糸が全長にわたって強力な固定性と伸縮性があります。
片側を固定して使用すると、もともと両側についているサスペンションの片側を放棄しているようなものです。
スプリングスレッドのX法(エックス法)
X法(エックス法)ではストレート法と同じように顔側と頭側が伸び縮み、両側にサスペンションがあるので、ストレート法と効果や持続期間が同じでは?という質問が医師からもあります。
でも、決定的に違うことがあります。それは糸のたわみです。この糸のたわみについては次回のブログ記事で詳細に述べたいと思います。
簡単に言えば、たわみが少なければ少ないほど、ゆるみにくいというのが、わたくしの結論です。また、スプリングスレッドのX法・エックス法は糸と糸が交差しているところがいつまでもふくらんでいて、さわると痛いようです。
スプリングスレッドのストレート法
わたくしはスプリングスレッドを全例ストレート法で入れています。
ストレート法以外の方法は、切るフェイスリフトや従来の伸び縮みしない糸のフェイスリフトの呪縛・解剖学的制約から抜けきれていないと思われます。
切るフェイスリフト手術は一見さまざまな方法があるように思えますが実際に行われている多くが、基本的には似た手術です。
オプション的なバリエーションと剥離範囲の差はありますが・・耳の前で切って、剥離・皮膚切除して、SMASという筋膜を縫い縮めるか、リガメントを切離・縫合すると言ったものです。
また、溶ける糸に代表されるスプリングスレッド以外の糸では、スプリングスレッドのように固定部よりも糸自体のほうが固定力が強いなんてことがありませんから、固定したほうが効果があります。
スプリングスレッドリフトは、その伸縮性と無数のコグによって固定源が限定されない・解剖学的制約がほとんどないというところが大きな利点です。
この大きな利点を最大に生かした方法が、スプリングスレッドリフトのストレート法という入れ方なのです。
また、スプリングスレッドリフトストレート法は一番簡便で無駄な操作がほとんどなく、
感染や異物反応などを生じた場合には糸を1本抜くだけで感染をコントロールできるケースが多いです。
一方、他の方法では隣の糸と接触しているので、一旦、感染や異物反応が生じると複数本の糸を抜く羽目になってしまいます。
スプリングスレッドについてはこちら
https://www.teachings-facelift.com/