眉下切開法(眉下リフト)

眉毛の下で皮膚を切り取るまぶたのたるみ取り手術

費用
まぶたの手術を受けたことがない方 45万円
(まぶたの手術を受けたことがある方 45〜65万円)

その他にかかる費用
麻酔代:無料 安全対策と施術のクオリティーのため、すべて局所麻酔で行っています。 お薬代:約3,000円 初診料:3,000円 採血検査代:12,000円また、二重ラインの手術を受けたことがあるかたは二重ラインの修正手術(30万円)を追加することがあります。二重ラインの追加手術は全体の6.5%です。

リスク・合併症など
メジャーなもの内出血・腫れ まれなもの知覚麻痺・痛み・しびれ・違和感、キズ・傷跡が目立つ、アテロームやミリウム もっとまれなもの感染、肥厚性瘢痕?

眉下切開法(眉毛下皮膚切除術・眉下リフト)とは、眉毛下の皮膚を切除して、上まぶたのたるみを改善する手術です。自分らしさを残した自然な若返りを期待できます。眼が自然な感じに大きくなる、厚ぼったさがスッキリする、くぼみが改善されるなどといった効果も期待できます。

また、頭痛、肩こり、腰痛、うつ状態などの改善も期待できると言われています。六本木境クリニックでは、目立たないきれいな傷跡を目指し、最大限の努力を重ねております。傷跡はもちろん、施術直後のキズに関しましても、患者さんからお褒めいただくことが多く、そのことが売りとなっています。

このような方に向いています。
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自然な若返りを希望される方
上瞼が下がってきて目が三角形になってきた方
(でも・・実は、向かない人はほとんどいません)

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まぶたが厚ぼったくてスッキリさせたい方

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自分の個性や良さを残したまま目を大きくしたい方
(でも・・実は、向かない人はほとんどいません
まぶたのくぼみも改善するかたが多いです。)

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左右差、10代から50代の比較的若いかた。

眉下切開・施術のながれ

1 麻酔 局所麻酔で行います。
2 切開 眉下を切開していきます。
3 中縫い バランスを整えながら丁寧に縫合します。
4 皮膚縫合 バランスを整えながら丁寧に縫合します。
5 抜糸 10日前後 ※シャワーは当日より可能
時 間 120分
洗 顔 当日より可能
メイク 当日より可能
シャワー・入浴 当日より可能
腫 れ 腫れ・内出血・個人差あり
オペ日以外の通院 抜糸(10日前後)

美容整形としての眉下切開法

・まぶたの厚ぼったさ
・眉下の距離を縮めて西洋人っぽくなりたい
・一重のままで目を大きくしたい、すっきりさせたい
・二重幅を広げたい
・奥二重を二重にしたい
・イメージを変えずにキレイになりたい
・左右差(10代から50代比較的若いかた)
・ひたいのしわ

適応の性質と内容が少しかぶっているかもしれませんが、眉下切開法は、このように本当にさまざまな適応があり、それぞれの領域・分野で従来広くおこなわれてきた多くの手術や施術を凌駕したり、置き換わるかもしれないというポテンシャルを秘めています。

まぶたのたるみ治療の実際

なぜ眉下切開法・眉下リフト(眉毛下皮膚切除)が良いのか?

まぶたのたるみは、お顔の若返り治療のなかで、最も多いお悩みの一つです。また、最近よく話題になるものに眼瞼下垂という病名がありますが、この2つの言葉は、意味が重なっている部分もあります。実際に保険適応の眼瞼下垂の手術(その他)というものは、まぶたの皮膚のたるみを切り取る手術ですし、眼瞼下垂もその多くはまぶたの腱膜のたるみですので、ある意味、眼瞼下垂はまぶたのたるみの一種とも言って良いと言えます。また、まぶたの皮膚のたるみのことを専門用語で、眼瞼皮膚弛緩症とも言います。

厳密に言うと眼瞼下垂には様々なものがありまして、偽物までが含まれますが、臨床の現場では腱膜性の眼瞼下垂(まぶたの腱膜のたるみ)と眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)が、そのほとんどを占めています。では、実際の臨床現場では、腱膜性眼瞼下垂(まぶたの腱膜のたるみ)と眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)はどちらが多いのでしょうか?この2つの病態は当然同時に存在していることも多いのですが、ほぼ純粋な眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)の方がケタ違いに多いように思われます。また、この2つはほとんどの場合、素人でも簡単に判別できます。

若いころよりも二重幅が広くなってきた人が腱膜性眼瞼下垂、若いころよりも二重ラインが狭くなってきたリ、若いころ二重だった人が奥二重になったりしているものは眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)という状態だと言えます。外側の皮膚が垂れ下がった三角目というのは、眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)のことを言います。

まぶたのたるみに対して、「照射系たるみ治療が効果がある、効果があったと」という意見は、美容外科医や美容皮膚科医など医療サイドからはチラホラ聞かれますが、患者さん側からはまったく皆無といっていいでしょう。逆に「照射後、しばらく腫れてハリが出たような気がしたけれど、効果があったとはとても思えない」といった意見がほとんどです。実際は、実感できる効果は無いに等しいというのが真実でしょう。

では、埋没法などのたるみを糸で留める施術はどうなのでしょうか。まぶたのたるみ(上眼瞼皮膚弛緩症)に対して本当に効果的なのでしょうか。わたくしは埋没法などの糸で留める手術もおこなってきましたが、この手術はどうやら若い人向き(たるんでいない人向き)の手術のように感じています。中高年以降の方はもちろん、20代後半以降のまぶたが少したるんできたという方にこの方法を用いると、二重の下にたるみを無理やり押し込めることになりますので、非常に不自然です。

また、取れやすかったり、重たく感じてしまったりするようです。埋没法などのたるみを糸で留める方法の施術を受けた方からの、「三重・四重になってしまい、不自然なイメージになってしまった」「整形顔になった」「まぶたが重く感じるようになった」といった相談は実際に多いようです。

整形顔というものは自分の顔が嫌いで全くの別人になりたい人にしか受け入れられるものではありません。そのような人はごくごく少数派ですよね。眼瞼下垂の手術や二重切開法のあと、よくある相談としては「3年待ったけど腫れが引かない。」「何だか不自然なんだよね。」「キレイにしてほしい、若返りたいといったけど、誰も整形顔にしてほしいとは言っていない。」などといった話が多く聞かれます。一旦手術を受けてしまうと、通常、劇的に改善できる方法がなく、執刀医に相談したところで、そのような手術をたくさんやっている医師はそんな状況に慣れているので、まともには取り合ってくれません。

二重ラインで切除をすると、分厚い部分で二重が形成されるため不自然になる

一方、眉下切開法(眉毛下皮膚切除術・眉下リフト)は、手術を受ける人と執刀医がイメージ共有しやすく、整形顔になりにくいと言われています。眉下切開法(眉下リフト)では二重ラインを無理やり作りません。そして、繊細な表情を作ったり自分らしい個性の重要な部分を占めるまぶた睫毛側の薄くてしなやかな皮膚に対して一切手術操作を加えないので、別人顔になりませんし、自分の良さを損なうことなく目が大きくなってスッキリする傾向にあります。

二重ラインの手術の欠点をもう一つ挙げるとすると、まぶた外側の皮膚があまって目じりのしわが増えてしまうことです。反対に眉下切開法(眉下リフト)では目じりのしわも改善できます。

一方、ひたいのしわは、まぶたのたるみや眼瞼下垂などの開きにくさに起因しており、目が開きにくいと視野を確保するため前頭筋に自然と力を入れるようになって、その結果、表情じわが生じます。ひたいのしわについては当然ながら、眉下切開法(眉下リフト)や眼瞼下垂の手術だけでなく二重埋没法、二重切開法など多くのまぶたの手術で改善できます。

ひたいのしわに対してボツリヌストキシンやヒアルロン酸などを注射したりすることはいわば対症療法です。また、前額リフトなどの遠くから無理やり引っ張る方法ではまぶたの効果は限定的です。根本的治療はまぶたの手術だけと言えます。

そもそも、まぶたにとって一番大切な機能は目を守ることです。まぶたの裏側の結膜が眼球とぴったりとジャストフィットしていることが重要だとされていますが、埋没法など糸で留める手術を受けると結膜側にひずみが生じるので目に良くないようです。埋没法など糸で留める手術が目に悪い影響が出やすいことは多くの眼科医が言っていることです。

また、最近では挙筋前転法など眼瞼下垂の手術でまぶたの奥を広く剥離されると、まぶたの奥が癒着して逆に重みを感じたり、強い違和感が長期にわたって残ってしまうケースがあるそうです。眉下切開(眉下リフト)はまぶたの手術の中では、すべての手術操作が目から遠く、目に対する影響が非常に少ない手術のように思われます。


眼瞼下垂の手術で広範に剥離されて、目が開いているのに重みを感じて、ひたいの前頭筋に力がはいってしまう場合、黒目の外側が吊り上がって見えることが多い。

また、形成外科や美容外科の日常診療現場では、眉下切開法(眉下リフト)が適応である皮膚弛緩症の方がケタ違いに多く見られます。

では、なぜ、眼瞼下垂の手術をすすめる医療機関は多いのに、眉下切開法(眉下リフト)をすすめる医療機関は少ないのでしょうか?

それは、上述のように二重ラインの皮膚切除や眼瞼下垂の手術では、傷跡が二重ラインに隠れてクレームになりにくく、反対に眉下切開法(眉下リフト)では傷跡が目立つと悲惨極まりないからです。このことが大きなハードルとなって、高齢者にしか眉下切開法(眉下リフト)の手術を行えない医師が多いと言います。

それではなぜ、眉下切開法(眉下リフト)の傷跡が目立つと大変なことになるのでしょうか?人の顔なんて他人はマジマジとは見てないはずですよね。いえいえ、上まぶたの傷跡は例外中の例外だと言えます。ヒトの表情の中で上まぶたの動きが非常に重要な部分を占めると言われています。よって人の顔を見るときは通常上まぶたを中心に見ています。このために上まぶたの傷跡が目立つと極めて悲惨なこととなります。

六本木境クリニックでは、眉下切開(眉下リフト)の傷跡について特に強いこだわりがあります。自信を持っています。当院で眉下切開法(眉下リフト)を受けるとしばらく自分では傷跡を気になることもありますが、意外とばれないようです。なんと・・自分でも気にならないと言われることが圧倒的に多く、傷跡どころか、キズでも他人からバレたと言われたことはほとんどありません。

11年にわたって行ってきたこの眉下切開法(眉毛下皮膚切除術)ですが、長期的な傷跡の経過についてお叱りを受けたことは眉毛の薄い男性ただ一人だけです。六本木境クリニックではスタッフの半数以上が希望してこの手術を受けています。下記はスタッフの傷跡の経過です。

六本木境クリニックスタッフ眉下切開法の傷跡の経過(個人差があります。)

眉下切開法手術直後のキズ

眉下切開法術後3日目のキズ

眉下切開法術後3年目のキズ

わたくしが拡大鏡で見てもどこに傷跡があるのか分かりませんでした。

もちろん、眉下切開法の傷跡にも個人差はありますが、患者さんの個人差はわずかで、執刀医の個人差はすさまじいものです。個人差とは本当は執刀医の個人差のことです。

眉下切開法・眉下リフト(眉毛下皮膚切除法)の手術方法について

眉下切開法(眉下リフト)をたくさんやっていると、当然、他院で眉下切開を受けた方からの修正相談もあります。「傷跡がキレイ」を取るのか、「たるみをガッツリ取る」ことを取るのか?とまるで二者択一であるかのように言われたなどといった話をよく聞きますが、上手く行うことができれば、両方を難なくクリアーすることができると言えるでしょう。それが眉下切開法(眉毛下皮膚切除術)という手術です。

外側だけ切られると外側に向かって引っ張られるので、まぶたの内側に線が入ることが多いようです。また、線が入っていなくても何となく引っ張られてにらんだような目つきになっている人はもっと多いように思われます。六本木境クリニックに相談に来られた他院眉下切開症例の9割以上はこのような状態に思われました。

そして、外側だけ切られた眉下切開法は効果を感じにくいものです。自分で鏡を見た時、黒目の上あたりが一番気になる人が多いけど、外側だけ切られた眉下切開では目頭から黒目の上あたりの効果はありません。

眉下切開で外側だけ切られると外側に向かって引っ張られる

眉下切開で外側だけ切られると外側に向かって引っ張られる

実際にみるとこんな感じに見える

また、眉毛から離れた傷跡が非常に多い、やはり・・この状況も六本木境クリニックに相談に来られた他院眉下切開症例の9割以上に思われます。

どれだけ眉毛に切り込んでも、毛包斜切断法が上手く行かないと、毛根が死ぬため眉毛が抜けて白い線状瘢痕や溝となって目立ちます。眉毛からキズが離れるのではなくてキズから眉毛が抜けながら離れて行くらしいです。

毛包斜切開法やウィッジインシジョン、毛根を傷つけないように眉毛の下に沿ってなどと言った表現を使う場合、そもそも毛包斜切断ではなくて、反対方向にメスをねせて切っている。そのようなケースでは毛包斜切断法が上手く行かない場合よりもずっと眉毛から離れた傷跡になります。
また、最近よく見かけるのは眉毛の形とは逆の下側に凸の傷跡です。これは目立たせない意図が感じられないので眉毛のところをケガで切ったように見えます。また、同じように眉毛全長切開されている場合には、ちょうど傷跡が眉毛を縁取っているかのように見えて、下手なアートメイクをされたように見えます。

上述のように他院で眉下切開法(眉下リフト)を受けた人の中には、まぶたの外側だけを切り取られたために外側に向かって引っ張られて、引き連れて変な線が入っている人やエステティックユニットを無視していて、眉毛と大きく離れた傷跡の人がたくさんいます。また、毛包斜切断を上手く行えていなくてニキビ状のデコボコになっていたり・・

そのようなことにならないためには、どのように切って縫うのが良いのでしょうか?わたくしの眉下切開(眉下リフト)の方法を多くの中堅・若手の形成外科や美容外科の先生方から質問されることが非常に多いですので、ここでわたくしの眉下切開(眉下リフト)の方法を詳述します。

眉毛に沿った眉毛全長切開によって患者さんやその周りの人が、その人の眉毛だと思っている雰囲気に仕上げることと毛包斜切断によって傷跡から毛が生えるようにすることが大切です。

まず眉毛を描いている人には手術当日に眉毛を描いてきてもらい参考にします。アートメイクが入っている人にはそのアートメイクについてどう思っているのか質問します。「アートメイクのこの部分のこの形・角度が流行遅れで嫌いです」、「アートメイクはおおむね気に入っています」などといった内容です。その内容いかんによっては、手術後もアートメイクを生かすためアートメイクに沿って切ったり、アートメイクの外側を切り取ったり、アートメイクを無視して手術したりとアートメイクの状況によって手術方針を決定します。

わたくしの眉下切開(眉下リフト)は2時間かけて行いますが、通常30分から40分と言われている眉下切開(眉下リフト)でなぜそんなに時間がかかるのでしょうか?その理由ですが、わたくしの毛包斜切断法はかなり極端に斜めに切りますので、丁寧に縫わなければ非常にひどいことになります。眉毛に沿った傷跡は曲線で弧を描いていますよね。曲線で弧を描くような傷跡はトラップドア変形(飾り窓変形)という有名な変形を生じやすいと言われています。このトラップドア変形を警戒しすぎて直線状の傷跡や眉毛の形が変になっている他院症例が多くみられます。

斜めに切れば切るほど、睫毛側の皮膚は薄くなり眉毛側の分厚い皮膚の上に乗りあがりやすくなりますので、このトラップドア変形が強調され段差になる傾向があります。この対策のために睫毛側の非常に薄い皮膚に1、眉毛側の分厚い皮膚に9の比率で糸をかけて縫うのですが・・この操作は至難のわざです。どう考えても逆の方がずっとずっとやりやすいですよね。ちょっと気を抜くと睫毛側の極薄の皮膚がちぎれてギザギザになってしまいます。

また、睫毛側の皮膚は薄くてペラペラなのでインバートと言って皮膚がクルっと内側にロール状に巻き込まれて、アテロームやミリウムと言ってニキビ状のできものができて治らなくなってしまいます。この対策としてはエバートと言って皮膚をわずかに翻転させながら縫わないとなりません。また、剥離は内側の睫毛側だけ行っています。全体のバランスとしてはローテーションフラップ(回転皮弁)と言って眉頭側ほど内側に移動させるようにして縫います。手術用照明を何度も消して目を開けてもらいまぶた全体のバランスを見ながら、何度もやり直すことがあります。

眉下切開(眉下リフト)の具体的な方法(マクロ編:全体的な話)

トラップドア変形(飾り窓変形)
形成外科では常識中の常識、曲線状の傷跡では高確率に発生するとされる。瘢痕拘縮(傷跡が縮む現象)の一種、曲線の内側の肉が盛り上がったように見える。このトラップドア変形を恐れるあまりに直線状で外側の眉毛がなくなったヤンキーのような眉毛にされている人が多いように思います。

眉下切開(眉下リフト)による典型的なトラップドア変形、まぶた全体が膨らんで眉毛がくぼんで見えたり、段差になっている症例が多い。

理想的な眉下切開(眉下リフト)は、ローテーションフラップ(回転皮弁)

眉下切開(眉下リフト)での縫合では眉毛全長切開によるローテーションフラップ(回転皮弁)方式が、まぶたの形が変によれたり外側に向かって引き攣れにくく、理想的だとわたくしは思います。

適応の性質と内容が少しかぶっているかもしれませんが、このように本当にさまざまな適応があり、それぞれの領域・分野で従来広くおこなわれてきた多くの手術や施術を凌駕したり、置き換わるかもしれないというポテンシャルを秘めています。

眉毛全長切開によるローテーションフラップ(回転皮弁)方式

眉下切開(眉下リフト)の具体的な方法(ミクロ編:毛包斜切断法と運針)

毛包斜切断法
わたくしのようなかなり斜めに切る毛包斜切断法では縫うことが非常に難しいと言えます。また、上述のようにキズ全体を(マクロ的に)見ると、斜めに切れば切るほどトラップドア変形(飾り窓変形)が強調されやすい。毛包斜切断法の縫合で1針1針について具体的に何が難しいかというと、睫毛側のうすい皮膚をより一層薄く切るので、ちぎれやすく、内側にローリングしやすい。皮膚がちぎれたりローリングすると上皮成分が皮下に埋入してアテロームやミリウムのようなニキビ状のできものができて治らなくなったり、凸凹の傷跡になりやすい。

このためにかえって傷跡が汚くなり、デコボコになったり、ニキビ状のものができて治らなくなるなどといった意見が多いです。実際に他院眉下切開(眉下リフト)後にそのような相談が多い。

トラップドアと睫毛側の薄い皮膚が眉毛側の分厚い皮膚に乗り上げること、薄い皮膚がちぎれたりローリングしたりすることを防ぐためには、睫毛側の薄い皮膚に1、眉毛側の分厚い皮膚に9の割合、1対9で糸をかける。この時、下記のように薄い皮膚が少し外側に翻転(エバート)するようにかけることが内側にローリング(インバート)するのを防ぐ対策になる。

また、理想的な結紮(糸結び)は一撃必殺の2動作による外科結紮1回だと思います。3動作以上になると細い糸でもノッド(結び目)が目立ちます。また、わたくしの経験上、結び目が二つ以上(3動作以上)になると気が抜けるためか、かえってほどけやすいように思います。結び目が1つの方が背水の陣や薩摩の示現流と同じでほどけにくいように思います。

眉下の距離について

眉下切開(眉下リフト)は眉下の狭い人には不向きであるという話がまことしやかに言われていますが、そのような意見は間違っているとわたくしは思います。眉毛側の皮膚は筋肉や支持組織によって骨と強固にくっついていますが、睫毛側はフリーマージン・自由縁と言って、いわば目玉の上・宙に浮いています。

対等な綱引きではありませんので、睫毛側が持ち上げられて目の開きが良くなることはあっても、眉毛が下に寄せられて目に近くなることはなさそうです。この理屈では眉下切開を受けたら極端に眉毛の下が狭くなるようなことは通常なさそうです。

しかし、眉下切開(眉下リフト)を受けるとかなり眉下が狭くなる人がいることも事実です。それでは、どのような人が眉下切開を受けるとかなり眉下が狭くなるのでしょうか?

世間にはひたいに力が入っている人と入っていない人がいます。もともと厚ぼったい一重だったり、まぶたがたるんだり、眼瞼下垂によって、ひたいに力が入ってくると、ひたいのしわが強調されて眉下が広くなり、まぶたが間延びしたように見えたり、まぶたがくぼんだりします。また、眉下の距離が狭い人はほとんどの場合、ひたいに力が入っていない人やひたいに入っている力が弱い人です。

結論はひたいに力が入っているその度合いによって眉下切開(眉下リフト)後の眉下の距離は自動的に調整される傾向にあります。すなはち、執刀医が上手く眉下切開を行いますと、ほとんどの人がちょうど良い結果へと導かれます。眉下切開を受けると眉下の狭い人はほとんど狭くならず、眉下が広い人はかなり狭くなる傾向にあります。

分厚いまぶた

分厚いまぶたの眉下切開の場合、筋肉や脂肪を取ることが良いのか?とよく議論されますが、わたくしは眉下切開(眉下リフト)において、これらの操作は通常全く必要ないと思います。神経・血管の走行は木とソックリです。上(浅い層)に行けば行くほど細く枝分かれしており、下(深層)に行けば行くほど枝が太い。すなはち、大切な血管や神経ほど奥にあります。

血管に注目すると、筋肉や脂肪を取ったり操作が深くまで及ぶほど内出血や腫れが急激にひどくなります。最終的にキレイになれば、内出血や腫れは気にしないといった考え方もあるとは思いますが、内出血がひどい場合にはシコリやシミが残るなどといった話もあります。

また、神経に注目すると、筋肉や脂肪を取ったほうが変な違和感や痛みが残りやすいように思います。実際に他院眉下切開後のしびれや痛みの相談は非常に多いと感じます。筋肉や脂肪を取らなくても皮膚切除して眼輪筋を縫い縮める(プリケーション)だけで十分にまぶたがスッキリします。

ヒトのまぶたの一番突出した部位は骨ですので、眉下切開で筋肉や脂肪を取るとよく言えば彫が深くて男っぽく、悪く言えばゴリラっぽくなってしまう傾向にあります。

まぶたのくぼみについて

一般的にまぶたのくぼみについては眉下切開(眉下リフト)を受けると悪化すると思われています。その理由として、指で眉毛を持ち上げるシミュレーションをすると、まぶたのくぼみが悪化する傾向にあるからです。シミュレーションを見ただけで、くぼみ目に対して眉下切開を行う勇気がなくなる医師が多数派であると考えられます。しかし、実際の眉下切開の手術ではまぶたの皮膚が切り取られてテント状にピンと張りますので、まぶたのくぼみは減る傾向にあります。

また、ひたいで眉毛を持ち上げるクセが強い人ほどまぶたがくぼむ傾向があります。眉下切開を受けるとこのひたいで眉毛を持ち上げるクセが大幅に減ることもくぼみに良いことの理由の一つだとわたくしは考えています。ちなみに、前額リフトや眉上切開(眉下リフト)後にまぶたがくぼんだという相談は非常に多く、眉毛を指で持ち上げた雰囲気そのままになるようです。

眉下切開を受けるとくぼみも改善される傾向にあります。

眉下切開(眉下リフト)の適応と現在の美容外科の状況

現在、保険診療による眼瞼下垂の手術が大流行していますが、手術を受けたことによって不自然で人工的な整形顔になってしまったという話も多いものです。そして、このことは自費診療による美容整形の分野でも多くみられます。

「キレイにして欲しい、西洋人っぽい顔にして欲しい」というご希望が多い中、「キレイにして欲しいとは言ったが、誰も整形顔にして欲しいとは言っていない・・」と、施術結果への不満の声も多く聞かれます。こうした傾向は、切る美容外科だけでなく、切らない施術・美容皮膚科的な分野においても多くみられます。「ボツリヌストキシン治療を受けたら、無表情で不自然な顔になった」、「ヒアルロン酸などの注入系治療を受けたら凸凹になった」という相談も多く、中には「照射系たるみ治療を受けたらしわしわになった。くぼんだ。かえって老けた」など、本来の目的とは正反対の結果になってしまったという驚きの相談も多いものです。

六本木境クリニックでは、年齢に関わらず10代から90代の方にまで眉下切開(眉毛下皮膚切除術・眉下リフト)をお受けいただいております。また、眉下切開(眉下リフト)は非常に適応が広いため、さまざまな症状の改善・ご要望のために多くの方にお受けいただいております。こうした六本木境クリニックの臨床実績からも、「眉下切開が本当に理にかなった施術である」ということがお分かりいただけるでしょう。

しかしながら、どれもこれも傷跡をきれいに美しく仕上げることができればという話です。この部分の目立つ傷跡はかなり悲惨です。六本木境クリニックの眉下切開(眉下リフト)は「きれいな傷跡・傷跡を目立たせない」ということが特徴のひとつとなっています。

眉下切開(眉下リフト)は、従来ですと、いわゆるアンチエイジング外科として、年配の方や中高年の方々がお受けになるというのが一般的でしたが、最近では、若い方が「まぶたの厚ぼったさを取りたい」「眉下の距離を縮めて西洋人っぽくなりたい」「一重のままで目を大きくしたい」「すっきりさせたい」「イメージを変えずにキレイになりたい」等々の理由で、美容整形を目的にお受けになるというケースも増えてきました。

まぶたのたるみ

まぶたのたるみとは、一般的に「上まぶたのたるみ」を指します。下まぶたのたるみの場合は、不思議と目の下のたるみや目の下のくまと呼ぶことが多いようです。

また、広い意味での上まぶたのたるみとは、「上眼瞼皮膚弛緩」と「眼瞼下垂」を指しています。さらに、上眼瞼皮膚弛緩とは「皮膚のたるみ」を指しており、眼瞼下垂とは、眼瞼挙筋というまぶたの開閉をおこなう「筋肉の腱膜のたるみ」を指しています。上眼瞼皮膚弛緩と眼瞼下垂は非常に多く見られ、この二つが合併しているケースも多く見られると言われています。

しかしながら、わたくしは、厳密な意味での眼瞼下垂は多くの人が思っているよりもずっと少なく、その9割以上は、実は、「上眼瞼皮膚弛緩」であると感じています。このことに気づいたのは、以前は軽度の眼瞼下垂だと思っていたような症状に対して、「整形顔にしたくない、手術したことを人にバレたくない」という患者さんからの強い希望で眉下切開をおこなったところ、まぶたの開きが良くなってしまったという経緯があったからです。

わたくしは、二重埋没法のような手術からではなく、眼瞼下垂の手術から美容外科の世界に入った形成外科の医者ですので、眼瞼下垂に対して専門の医師が誰でも眼瞼下垂ではないかと疑うように、わたくしも「世間には眼瞼下垂が非常に多い」と色眼鏡で見ていたようです。しかしながら、こうした実際の臨床を通して、そうではなく、「実は多いのは上眼瞼皮膚弛緩である」ということに気づいたのです。

まぶたの皮膚のたるみ(上眼瞼皮膚弛緩)を感じはじめる年齢は20代後半が最も多いようですので、子供などの若年者を除く人類のほとんどが、この症状を感じているといえるでしょう。こうした背景から、ここでは上眼瞼皮膚弛緩を中心に述べていきたいと思います。

眉下切開は老若男女、全人類におすすめ。

まぶたのたるみに対して、「照射系たるみ治療が効果がある、効果があったと」という意見は、美容外科医や美容皮膚科医など医療サイドからはチラホラ聞かれますが、患者さん側からはまったく皆無といっていいでしょう。逆に「照射後、しばらく腫れてハリが出たような気がしたけれど、効果があったとはとても思えない」といった意見がほとんどです。実際は、実感できる効果は無いに等しいというのが真実でしょう。

では、埋没法などのたるみを糸で留める施術はどうなのでしょうか。まぶたのたるみ(上眼瞼皮膚弛緩)に対して本当に効果的なのでしょうか。わたくしは埋没法などの糸で留める手術もおこなってきましたが、この手術はどうやら若い人向き(たるんでいない人向き)の手術のように感じています。中高年以降の方はもちろん、20代後半以降のまぶたが少したるんできたという方にこの方法を用いると、二重の下にたるみを無理やり押し込めることになりますので非常に不自然です。

また、取れやすかったり、重たく感じてしまったりするようです。埋没法などのたるみを糸で留める方法の施術を受けた方からの、「三重・四重になってしまい、不自然なイメージになってしまった」「整形顔になった」「まぶたが重く感じるようになった」といった相談は実際に多いようです。

たるみ埋没法

まぶたのたるみ(上眼瞼皮膚弛緩)治療で一番ポピュラーなものは、二重のラインで皮膚を切り取って縫い縮めるという方法でしょう。この方法の場合、二重ラインで皮膚を直接切り取るので、一見ダイレクトにたるみを改善できそうですが、確かにそういった側面もあるのですが、二重の部分に本来あるべきはずの薄くてしなやかな理想的な皮膚を切り取ってしまうため、無表情になったり、無理矢理作ったような人工的な二重になってしまったり、独特な整形顔、人種がわからないような顔、白人のおばあさんのような顔とよく表現されるような風貌になってしまいがちです。

そのため、「ダウンタイムは1週間と聞いていたのに、何年経っても、初めて会った人から整形した顔、整形に失敗した顔と思われる。これじゃ、一生ダウンタイムじゃん」などという声もよく聞かれます。

また、まぶたの機能で一番大切なものは目を守るという機能です。眼科の先生方によると、糸で留めるような方法はまぶたの裏側がひずむので目に悪いそうです。眉下切開(眉下リフト)はまぶたの手術ではもっとも目から遠い部分の操作ですので、目に対する影響が非常に少ないと言えそうです。

ちなみに、最近では眼瞼下垂の手術(挙筋前転)などでまぶたの奥を広範囲に剥離されると、まぶたが固くなり目を圧迫したり、まぶたの奥の固い傷跡のため重みや違和感が長期に持続することがあると言われています。

<二重のラインで皮膚を切る方法>

<眉下切開>

それに対して、眉下切開(眉下リフト)の場合、上手く行うとしなやかな皮膚が手つかずのまま残り、さらに、皮膚が上に持ち上げられて引き伸ばされるため、より薄くしなやかになるといえるでしょう。さらに、重みが取れて動きも良くなる傾向にありますので、表情がイキイキと美しくなり、自然な若返りが得られるといえるでしょう。若い頃よりも目が大きくなって、目に光が入りやすくなるためか、周囲の人から「目がキラキラしてキレイになった」と言われることが多いようです。

また、眉下が狭い人の場合、美容外科でまぶたのたるみを相談すると、前額リフト(ひたいのリフト)や糸によるひたいの施術、眉上切開(ブローリフト)などを勧められることが多いようですが、これらの施術はハイリスク・ローリターンですので、やめた方がいいでしょう。

前額リフト(ひたいのリフト)や糸によるひたいの施術は、ひたいから頭にかけて痛みや痒みを生じることが多く非常に大変ですし、眉上切開(ブローリフト)は傷跡が目立つことで有名です。また、基本的にまぶたからの距離が離れれば離れるほど、まぶたへのダイレクトな効果は少なくなりますので、眉下切開(眉下リフト)や二重ラインでの皮膚切除のように直接まぶたにアプローチする方法以外では、得られる効果は微々たるものといえるでしょう。

また、眉下切開(眉下リフト)ではまぶたの皮膚を切り取って縫い縮め皮膚がピンとテント状ににはりますので、くぼみ目が解消することが多いと言えます。反対に、前額リフトや眉上切開の施術では眉下切開(眉下リフト)とは異なり、まぶたがくぼんでしまう傾向があります。

<前額リフト>