眉下切開とはどんな手術か
眉下切開手術の概要と手順・手術時間
■ 一般的な方法①切開法
眉下切開の切開方法については、毛包斜切開・ウィッジインシジョンwedge incision 眉毛の下に沿って毛根を傷めないように斜めに切る
などといった表現が主流と言えます。
眉下切開で一般的に広く行われている眉毛の下に沿った毛根を傷つけないような切開では、縫合が比較的簡単で手術時間が短くシストになりにくいと言えます。
そのため、多くの医師が安定した結果を出すことができるので広く行われています。
眉毛の下に沿った毛根を傷つけない切開では創縁の毛根が死んで二度と生えないため、眉毛の下に沿ってギリギリで切っても、時間経過とともに眉毛が抜けます。
そのため、あたかも眉毛から傷跡がだんだんと離れて行くかのように見えます。その結果、眉毛から下に離れた傷跡となり、眉毛とは無関係にまぶたに傷跡があるかのように目立つこともあります。特に眉頭の傷跡ほど眉毛から離れると言われています。
このような事情があるので、まぶたのたるみや厚ぼったさが強く眉下切開が理想的なケースですら眉下切開はさけられることが多いようです。
およそ30分
眉毛の下に沿う切開で毛根を傷つけない角度でメスをねかせる。
創縁の毛根が傷んで毛が抜けて行くので眉毛から傷跡がだんだん離れて行くかのように見える。
毛根を傷つけない眉毛の下に沿った毛包斜切開では特に眉頭で眉毛から大きく離れた傷跡になることが多い。
このような場合にはまぶたに眉毛と無関係な傷跡があるように見える。
■ 六本木境クリニックの方法①切開法
毛包斜切断 眉中に切り込んでわざと毛根を切断して切ります。
そして、この毛根切断面を含む斜めの眉毛側皮膚切断面に反対側のうすくスライスされたまぶたの皮膚をのせて縫合します。
毛包斜切断法(毛根を切断する方法)では、上手く縫合することができれば傷跡から眉毛が生えるので大変目立ちにくくなります。
睫毛側の皮膚切断端が非常にうすいのでちぎれてささくれやすい上に、インバート(上皮成分が内側にクルクルと巻き込まれること)しやすいため、上皮成分が傷口に入り混みやすくシストになりやすい。
また、眉毛側の皮膚切断端ではいたんだ毛根を除去しなければ、これも毛嚢炎やシストになりやすい。
毛包斜切断法ではさまざまなことに注意を要するため手術時間が長くかかりますが、丁寧に縫わないとシストが多発してデコボコデマダラの最も醜い傷跡となります。
約2時間
眉毛にわざと切り込み、毛根をわざと切断する、前述の眉毛の下に沿った方法とちょうど逆の角度でメスをねかせる。
毛根の切断面を含む眉毛側の傾斜した切断面に睫毛側のうすい皮膚をのせるように縫合するとうすい皮膚を貫いて毛が生えてくるので、あたかも傷跡が上に移動して眉毛の中にどんどん入って行くイメージとなる。
■ 一般的な方法②切開範囲
眉頭はさまざまなことに留意しなければ傷跡が目立ちます。
そのため、一般的な方法①毛包斜切開(ウィッジインシジョン)による眉頭を切らない外側だけの眉下切開(下図の緑の紡錘形)を多くの医師が行っており、この方法がいわゆる主流と言えます。
眉下切開で眉頭の傷跡が目立つと自分で見ても他人から見ても気になります。
一方、外側だけ切った場合、他人が斜めから見ると目立つ傷跡になっても、正面からは見えづらいので、少なくとも自分では気になりにくいと言われています。
外側だけの眉下切開(下図の緑の紡錘形)で大きな効果を出そうとすると、まぶたが外側に向かって引っ張られるので、ひきつれて変な線が入ることが多いようです。
この線が自分で気になるとクレームとなります。また、まばたきした時だけピッピッと斜めの線が入る程度で、画像に写らないケースもあります。
そのような場合には自分で気が付かないけど、他人は変だと思っていても言えないだけらしいです。
その一方で、このようなヒキツレを恐れて、切除幅を小さく切除面積を狭くしたいわゆるやったふり手術(下図の青の紡錘形)が横行しているようです。
眉頭から黒目の上の切除面積(下図の赤い斜線部)と自分で感じる効果は比例します。
そのため、外側中心のやったふり手術では、眉下切開後にひたいの前頭筋の力が抜けて眉毛が下がると効果がなくなったように感じ、効果が長持ちしなかったと思うらしいです。
[赤] 六本木境クリニックの眉下切開切除範囲[緑] 外側だけ切った眉下切開
[青] いわゆるやったふり手術
[赤の斜線部] 眉頭から黒目の上の切除面積が自分で感じる長期効果と比例
外側だけ切った眉下切開による典型的なまぶたのひきつれ、外側のたるみは取れるが内側は下がって吊り目に見える。
およそ30分
■ 六本木境クリニックの方法②切開範囲
眉毛の中に切れ込む毛包斜切断法で眉頭まで切って、中縫いも外縫いも内側にローテートして縫合します。
詳細:5-0透明ナイロンで筋肉の折り畳み縫い(マスッスルプライケーション)を行い
皮膚縫合は7-0半透明青ナイロンで1つ1つ縫って結んでゆく結節縫合を行っています。
上手く行うとひきつれずにバランスよくリフトアップできます。
また、世間では外側中心のひかえめな眉下切開が多いけど、六本木境クリニックの眉下切開では切除幅や切除面積が大きく、特に眉頭から黒目の上の切除面積が大きいため、自分から感じられる効果が大きいようです。
一般的な眉下切開に期待する効果よりも大きな永久的効果が得られるため、ほとんど全てのかたから「思っていたよりも良かった」と言われるほどです。
よほど丁寧な手術でなければ眉頭の傷跡が目立つこと
約2時間
■ 一般的な方法③ 縫合法について
眉下切開の縫合法は4-0PDSなどの溶ける糸で真皮縫合を行い、皮膚を6-0ナイロンなど溶けない糸で連続縫合するやり方が一般的なようです。
真皮縫合を溶ける糸で行う場合、「溶ける糸」と聞くだけで安全だと思う人が多いので、説明が簡単で、そのことについて特に質問されることがないほどだと言えます。
また、皮膚縫合を連続縫合で行う場合、途中に結び目がないので比較的操作がしやすい6-0ナイロンなどの太い糸を使っても糸が目立ちにくい。
何よりも連続縫合は大幅な時間短縮となるので医師の人件費など経費が抑えられ、手術料金を比較的安くすることができるかもしれません。
溶ける糸のほうが安全そうに聞こえますが、実際には溶けない糸よりも感染や異物反応などのトラブルや合併症が多いと言えます。
また、抗張力を長く保つため比較的太い糸を使うことが多く、同じ理由で真皮縫合を浅く行うことが多いので、表面から糸を触れやすく、見た目もデコボコすることが多いと言えます。
また、連続縫合は結節縫合と異なり1つ1つ結び目の強さを調整することができません。そして、何よりも連続縫合は時間短縮以外のすべてのことでは結節縫合に劣ります。
皮膚が傷むほど強く締めても傷口の隙間があるので浸出液が漏れます。そのため術後の赤みが強く、最終的に白い線状瘢痕や溝状の傷跡となりやすいです。
白くテカった線はアートメイクでも厚化粧でも光るのでかくすことができませんし、溝状の傷跡も影になるので目立ちます。
約30分
■ 六本木境クリニックの方法③縫合法について
わたくしの眉下切開では5-0ナイロンでマスッスルプライケーション・筋肉の折り畳み縫いを行い7-0半透明青ナイロンで皮膚縫合しています。
中縫いを溶けない糸で行うメリットは溶ける糸で行う場合と比較すると大変分かりやすいので、あえてそのような表現を用いて解説させてください。
中縫いを溶けない糸で行う一番大きな理由は傷跡をキレイにするためです。私も20年前は4-0PDSのような溶ける糸で中縫いを行っていました。
20年前に溶けない糸・ナイロンで中縫いを行う上司と出会ってから各段に傷跡がキレイになりました。以後、一度も溶ける糸で中縫いを行ったことはありません。
溶けない糸で中縫いを行うメリットは他にもあります。
溶ける糸は反応が激しいから溶けるので、溶ける糸のほうが異物反応や感染などが多くなります。ナイロンなどの溶けない糸は反応が少ないので問題を起こしにくいと言えます。
また、溶ける糸は加水分解されるまで長期を要する糸でも溶け始めると結びが弱くなり、考えられているよりも抗張力が失われるのがずっと早いようです。
そして、溶ける糸で中縫いを行う場合、早期に失われる抗張力を少しでも長く保つように溶けない糸よりも太い糸を使う傾向があります。
また、同じ理由で中縫いとして浅めの真皮縫合を行うことが多く、表面からシコリとして触れたり、くぼみや凸凹が長期に残りやすいと言えます。
そして、抗張力が早めに損なわれると目立つ傷跡となりやすく、赤黒く盛り上がったケロイド状の皮膚・肥厚性瘢痕になったという話が多く聞かれます。
一方、私はナイロンで中縫いをして肥厚性瘢痕になったことがないどころか、肥厚性瘢痕になる心配をしたことすらありません。
また、皮膚縫いを結節縫合で行い連続縫合で行わない理由についても、比較すると非常に分かりやすいのでそのような表現を用いさせてください。
結節縫合では1針1針皮膚にかかる力を調整しながら結ぶことができます。
そのため、連続縫合よりも傷口からの浸出液の漏れが各段に少なくなります。
浸出液が漏れると赤みが強く白く光った線状瘢痕(傷跡)となり厚化粧でもアートメイクでもかくすことができません。
そもそも、連続縫合では皮膚が傷むほど強く締めても隙間から浸出液が漏れるので話になりません。
溶ける=安全という間違った認識があまりに広く浸透しており、溶けない糸で中縫いを行ったほうが傷跡がキレイになることを素人のかたに説明し納得していただくことがとても難しい。
眉下切開の中縫いはPDSなど溶ける糸で真皮縫合を行って連続縫合で皮膚縫いをしているクリニックが多いようですが、私は5-0ナイロンで筋肉の折り畳み縫い(マスッスルプライケーション)を行っています。
異物を体内に残すことを嫌う一般人のかたが多いので、ナイロンなどの溶けない糸で中縫いを行うためには、それ相応の説明をしなければなりません。
皮膚縫合は7-0半透明青ナイロンで1針1針・・皮膚と結び目の閉め具合を確認しながら結んでゆく結節縫合を行っています。
連続縫合では皮膚が傷むほどきつく結んでも隙間があくので浸出液が漏れて傷が赤くかゆくなり、最終的に白くて光る傷跡となり化粧でもアートメイクでも隠せないこととなります。
連続縫合の利点は手術時間の短縮・医師の人件費や手間暇を減らすという以外にはなく、受ける側のメリットはないと思われます。
反対に結節縫合で皮膚を縫うことについては時間がかかることが最大の欠点です。
盲点なのは結節縫合の結び目が非常に目立ってしまうことです。
このため連続縫合よりも結節縫合のほうがずっと糸が目立つと思われています。
結節縫合の結び目を目立たせない対策は、結び目をできる限り小さくすることに尽きます。
わたくしは結び目1つしか作らない方法で対処していますが、これは外科手技の中では最も難しいことの1つです。
糸がゆるむことこそが外科系医師の潜在的恐怖の1つだからです。
そのため結び目を複数つくらない医師はほとんど誰もいないと思います。
また、結び目が1つしかないと皮膚を丁度良い加減で締めることと結び目を強く締めることを同時にやらないといけないので慣れないうちは何度もやり直すこととなります。
個人的には結び目を1つにしてから2~3回結んでいたころよりも結び目がずっとゆるみにくくなりました。
まさに「背水の陣」や一撃必殺の薩摩の示現流のようだと自負しています。
■ 一般的な方法④脂肪や眼輪筋
眉下切開では眼輪筋を切除しないと後もどるという意見があるようですが、私は筋肉の折り畳み縫い(マスッスルプライケーション)を行うだけで十分だと思います。
そんなことをしなくても黒目の上から眉頭までの皮膚をしっかり切除することで永久的な効果が得られます。
皮膚切除だけの眉下切開では後もどって感じると言った意見は、皮膚切除だけなので後もどるのではなく、皮膚切除量が少ないいわゆるやったふり手術が多いからに他ならないといえます。
特にまぶたの内側での皮膚切除面積が少ないと、術後にひたいの前頭筋の力が抜けて眉毛が少し下がっただけで、ほとんど元に戻ってしまったかのように感じると言いいます。
また、眼窩脂肪は加齢性変化で上瞼から下瞼へと移動し、どんな人でも例外なくまぶたは年々くぼむので、眼窩脂肪は取らないほうがいいでしょう。
私は下まぶたの脱脂をすすめることがあるけど、上瞼の脱脂はおすすめしないようにしています。
また、ROOFも取ると、若い頃から凸凹しやすい上、上手くなだらかにROOF切除されたとしても年取った時のくぼみが目立つ可能性が考えられます。
前述の話は加齢性変化・老化による長期的な問題点についてでしたが、眼輪筋・ROOF切除や脱脂の短期的な問題点としては、内出血・腫れがひどくなりダウンタイムが長くなることと、痛みシビレなどが生じやすいことがあります。
太くて大切な神経血管ほど奥にあるので皮膚だけの切除は圧倒的にダウンタイムが短くなります。
高齢者などで保険適用とされた場合には数万円でできるケースもあるようですが、重症でなく美容目的の場合、20万円〜50万円程度だと考えられます。また、20万円台と予想してカウンセリングに行くといろんなオプションがついて60万円になったという話もよく聞きます。
一番目立つところに書いてある値段よりも高いときは一旦帰宅して冷静になってから「受けないのか受けるのか」を判断したほうがいいと思います。
このとき、「受けるのか受けないのか」でないことが重要です。美容外科手術に手遅れはなく、絶対に必要ということもありませんから、受けることが前提ではなくて、どんな場合でも受けないことが前提であることが大事です。
また、再度ネット検索したり、他のクリニックにセカンドオピニオン的に相談に行ってみることもいいことだと思います。
二重埋没や切開など二重整形や眼瞼下垂の手術を受けたことがあるかたは50〜60万円となっていますが、
若いころに手術を受けているかたは50万円であることがほとんどです。
年取ってたるんできたので、もう一回埋没をしようかと思ったときはよく考えられて、できれば、追加の埋没を受ける前に眉下切開のカウンセリングにお越しいただきたいと思います。
眉下切開手術のメリット
他の施術との違いや優れているところ
まぶたの二重ライン付近のうすくてしなやかな皮膚に直接手術操作を加えないので、二重埋没や二重切開などの二重整形や眼瞼下垂の手術のようにハム目やドッグイヤーなど不自然な形態となることがない。
また、まぶたのたるみについては一般的に行われている上眼瞼形成術や眼瞼下垂の手術のような二重付近での皮膚切除ではたるんだ皮膚を取れば取るほどハム目やドッグイヤーによる不自然な眼瞼形態となります。
また、まぶたの開きがよくなるとひたいの前頭筋の力が抜けて目じり側が下がり、切れ長の反対の状態・横に短い目になる傾向があります。
眉下切開以外の手術では特に外側のたるみを効率的に取ることができないので、唯一無二のまぶたのたるみ治療とさえ言えます。
また、まぶたの厚ぼったさについても、脱脂(眼窩脂肪を取ること)やROOF切除では脂肪が減ると皮膚が余り、その余剰皮膚を二重ラインで切除すると前述のハム目やドッグイヤーに悩まされます。
そのため、まぶたの厚ぼったさは脂肪を減らすことでは効率よく改善できません。
反対に眉下切開でまぶたの最も分厚い部分を切除して、残ったうすいまぶた全体を引き伸ばすと効率よくまぶたの厚ぼったさが改善されます。
眉下切開以外の手術ではまぶたの厚ぼったさを効率よく改善できないので、唯一無二のまぶたの厚み治療とも言えます。
眉下切開手術のデメリット
外側だけ切った眉下切開でのひきつれや吊り目
やったふり手術での後戻り
六本木境クリニックの眉下切開が他院眉下切開との違いや優れているところ
また、まぶたのひきつれを警戒するあまり「やったふり手術」になっているケースが多いため、効果が後もどって感じたり、眉下切開はマイルドな効果しかない手術だと思われています。
しかし、眉頭から眉尻まで眉毛全長切開の眉下切開の場合、多くの人が眉下切開に期待しているよりもずっと効果的な手術です。自己申告の眼瞼下垂の9割以上、眼瞼下垂と診断された人の8割以上は眉下切開だけで十分な改善が得られると私は思っています。
また、目頭切開を希望されていた人でも眉下切開後に目頭切開に興味を無くすことが多いようです。
目尻切開やたれ目形成に至っては多くの人が想像するような切れ長効果はなくて、下に目が広がるだけで、後戻りが多いです。
そして、多くの人がそのような手術に期待する切れ長の目は眉下切開でないと実現できないと言えます。
そして、眉下切開は眉頭の傷跡が目立つことが問題ですが、当院では傷跡が長期に目立つと言われることはほとんどありませんので、ご安心ください。
[赤] 六本木境クリニックの眉下切開切除範囲[緑] 外側だけ切った眉下切開
[青] いわゆるやったふり手術
[赤の斜線部] 眉頭から黒目の上の切除面積が自分で感じる長期効果と比例
よくある眉下切開のデメリットは通常・・傷跡が目立つ、特に眉頭の傷跡が目立つことですが、傷跡は前述のようにまず問題ありません。肥厚性瘢痕のリスクについては肥厚性瘢痕になったことが一度もありませんし、肥厚性瘢痕になることが心配になったことすらありません。
どのような外科的手術でもある一定の割合で生じる感染が一度もありませんが、いつも一人目にならない保証はありませんと説明しています。
シスト、ひきつれは当院でもごくまれにあります。
シストはミリウムのように小切開で再発を起こさないものしか経験がなく、アテロームのような手術での摘出が必要となるシストの経験はありません。
ひきつれについては、ひたいにボトックスを打つことが1%ありますが、一部縫い直すことはもっと少ないです。
総括すると六本木境クリニックの眉下切開でのデメリットは内出血・腫れなどのダウンタイムしかほとんどないと言えます。
他院で眉下切開を受けたあとの相談で一番多いのは傷跡の相談です。
赤色や白色で盛り上がった線状の傷跡や溝状の傷跡、眉毛から下に離れた傷跡などさまざまな傷跡相談がありますが、眉毛の形と逆のカーブを描いている傷跡も人目を引くのでかなり目立ちます。
眉下切開を受けたとき自分で効果を感じる肝心の皮膚切除部分は黒目から眉頭までの部分です。
しかし、この部分の傷跡が目立つと悲惨なので、よほど自信がないとこの部分を切ることができません。
でも、外側だけ切った眉下切開の場合、たくさん切るとひきつれて内側が下がるのでかえって効果を感じないケースがあります。まるでシーソーのように外側は上がって内側がたるんで感じるようです。
もちろん、外側だけ切った眉下切開でヒキツレを気にして切除面積を少なくする典型的なやったふり手術では効果が少なく、ひたいの前頭筋の力が抜けた分だけ後もどって感じるので効果を感じないということになります。
まぶたは外側ほど余剰皮膚が多い上、加齢とともに外側がもっとたるんで行くため、眉下切開では外側のほうが切除幅が広くなりがちです。
眉頭まで全長で切る眉下切開でもデザインだけみると眉尻だけ切った眉下切開と似た印象になることがあります。しかし、眉頭側の切除量が少ないデザインの場合でも、眉頭まで切り内側に向かってローテートして縫合することが大切です。
広い切除範囲で切って理想的な方向でまぶたをリフトアップさせた眉下切開では一般的に思われている二重埋没や切開などの二重整形と目頭切開や目尻切開を足したような・・それ以上とも言っても良いくらいの効果が出せます。
しかも出来栄えが自然なので整形した雰囲気ではなく生まれたままの目のような雰囲気です。
眼瞼下垂についてもほとんど事情は似ています。
自己申告の眼瞼下垂の9割以上は眉下切開で十分な改善が得られると思いますし、医師の診断による眼瞼下垂もほとんど似たようなものだと思います。
眼瞼下垂という言葉はまぶたがたれているというだけの意味なので、いわば完全に健康な人から完全に病気の人までの連続した状態をあらわしています。
それをいいことに誰でも彼でも眼瞼下垂と診断して不自然な整形顔を大量生産している医師が山ほどいるのですから、医師から眼瞼下垂と言われたと言っても誰でも眼瞼下垂の手術が必要ということにはなりません。
眉下切開だけで十二分に改善がえられる人もいます。それどころか9割以上はそうだと私は思っています。
私が東京都内で自費の美容外科をやっているからそのように感じているだけだと思った時期もありました。
でも、わたくしの後輩で、地方大学病院形成外科の40代教官2人も、まぶたのたるみ取りについて眉下切開を中心に考えるようになったら、保険適用の眼瞼下垂手術が必要な人って本当は少ないんですねって言っていました。
こんな人におすすめ
そのような表現だとごくまれで特殊な人だけの手術だと誤解されてしまいますが、向かない人が1%もいないのではないかと思うほど、傷跡さえキレイにできるのであれば多くの人が望んでる変化が得られる手術です。
また、面長さが強調されると言った意見もありますが、今まで1200例の眉下切開をやって来て一度も「面長が強調された」と言われたことはないので、そのような例はまれだと思われます。
■ まぶたのたるみ
まぶたのたるみについては二重ラインでたるんだ皮膚を取れば取るほど、うすくてしなやかな皮膚がなくなるので分厚い皮膚でできた独特な整形顔の目・ハム目になります。
上まぶたのたるみについては眉下切開の他に良い治療はありません。
■ 腫れぼったいまぶた
脱脂で眼窩脂肪を取ったりROOFを取ると皮膚があまります。眉下切開では脂肪を取らなくてもおどろくほどスッキリします。
眉下切開以外には効率よく上まぶたの厚ぼったさを改善する方法がありません。
■ 眼瞼下垂と言われた
眼瞼下垂というのは「まぶたが垂れている」という意味なので、完全に健康な人から完全に病気の人までの連続した状態をあらわす言葉です。
それをいいことにだれでも眼瞼下垂と診断して手術をすすめている医師が多いのが現状です。わたくしは自己申告の眼瞼下垂の9割以上、他院で眼瞼下垂の手術をすすめられたかたの8割程度のかたが眉下切開だけで十分な改善が得られると思います。
■ 若い頃からの左右差
若いかたの左右差に眉下切開はとても効果的だと言えます。
子供のころからの左右差は軽度の先天性(生まれつきの)眼瞼下垂である場合があります。重症の場合は筋膜移植による前頭筋吊り上げのような大掛かりなことが行われていますが、眉下切開でも前頭筋方向に吊り上げてまぶたの重さを減らして眼瞼挙筋の負担を減らす方向性は筋膜移植による吊り上げと同じです。
左右差が軽度の先天性眼瞼下垂によるものであった場合、筋肉や神経の働きに左右差があるので二重ラインで手術を行っても何かしらの左右差が残ることが多いようです。
一方、眉下切開で左右の切除幅に差をつけることはまぶたが下がっているほうの重みをより軽減して、筋肉や神経の負担を減らすことができるので自然に左右差を減らすことができます。
眉下切開のよくある質問
- 効果はどれくらい続きますか?
- 切除面積が小さい場合にはひたいの前頭筋の力が抜けると完全に後もどって感じるそうですが、当院の眉下切開は切除面積が大きいので間違いなく永久的な効果があります。
- 痛みはありますか?
- 1日だけとても痛かったというかたと大したことがなかったというかたがいます。感じ方の個人差は100倍と言えます。
- 傷は残りますか?
- 傷は残りますが、まさに傷や傷跡が気になるかたほど当院で眉下切開を受けられていますのでハードルがとても高い状態にもかかわらず、当院では傷跡についてお叱りを受けることはほとんどありません。
- 入浴や洗顔はいつからできますか?
- 当日からです。賛否両論かと思いますが、傷口を丁寧に合わせていれば直後から洗顔剤で傷口を洗っても問題ないはずです。
- メイクはいつからできますか?
- メイクは翌日からパウダーやリキッドを使用していただくようにしています。ペンシルなど刺激が強いものは2~3週間後から使用していただいています。
- 受けられない人は?
- 老若男女問わず15才から95才まで眉下切開を行ったことがあり、今までお断りしたケースはほとんどありません。比較的あやしいケースは二重切開や眼瞼下垂の手術で幅広い二重にされている人です。