刺青・タトゥー削皮・剥皮後の上皮化

刺青・タトゥー除去治療の削皮・剥皮を行った後の上皮化

刺青・タトゥー除去治療の削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)を行った後、キズが治ることを「上皮化」と言いますが、その上皮化について質問が2つ届きました。六本木境クリニックにはいつもこのような質問メールが届くので、リライトしてブログやQ&Aのネタにさせていただいています。

以下、質問内容とわたくしの返答です。

上皮化とは?

<質問1>

上皮化とはどのような状態のことを言うのでしょうか?

<返答>

上皮化とは表皮ができている状態です。浸出液(しる)が出なくなって、かさぶたになっていない状態です。

削皮・剥皮(皮膚剥削術)では2週間で上皮化させることが大切

刺青・タトゥーの削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)では、「2週間で上皮化させる」ということがとても大切です。

2週間で上皮化できないと、赤黒く盛り上がった硬いケロイド状(肥厚性瘢痕)となって、長期間にわたって、かゆみやヒキツレなどに苦しむこととなり、日常生活やお仕事にも支障が出てしまう傾向にあります。

ハッキリ言って、2週間で上皮化できないような刺青・タトゥー削皮・剥皮は失敗だということです。

「2週間で上皮化できる」と約束できない医師の削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)は、受けてはいけないように思います。

やけどの手術もやったことがない医師の削皮・剥皮は必ず失敗する

刺青・タトゥー除去治療の削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)とは、大変難しい手術です。削る深さをミクロ単位で調整する必要があります。

削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)による刺青・タトゥー除去治療は、やけどの手術をたくさん行ったことのある経験豊富な医師以外には大変難しく、全くできないのではないでしょうか。やけどの手術もそんなにやったことがないような医師はかならず失敗すると思います。

刺青・タトゥー削皮・剥皮の上皮化するまでの期間は墨の深さ次第

<質問2>

境先生は「削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)を行った後、2週間で上皮化させることが大切だ」と、2週間という数字をかなり強調していますね。

でも、刺青やタトゥーとは、墨が深く入っている場合もあれば、浅く入っている場合もあって、人それぞれではないでしょうか。

墨の深さによって、削る深さも変わってくるように思うのですが、削る深さが違えば、上皮化するまでの期間や経過も違ってくるのではないでしょうか?

刺青・タトゥー削皮・剥皮で深く削ってはいけない

<返答>

まず、削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)という手術では、深く削ってはいけないということを先に申し上げておきます。

深く削ってしまうと、盛り上がった硬いケロイド状の傷跡(肥厚性瘢痕)となって、痒みやヒキツレに長期間苦しむこととなります。

六本木境クリニックの削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)では、刺青やタトゥーが入っている部分の皮膚を“薄く”削り取り、その後にレーザーを照射します。

削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)では、刺青やタトゥーを完全に削り取りません。完全に取ろうとすると、深くなってしまいケロイド状(肥厚性瘢痕)になります。

薄く削って、刺青やタトゥーがあえて残っている状態にするわけです。この状態にレーザーを照射すると大変効果的です。

そのため、六本木境クリニックでは、削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)単独での刺青・タトゥー除去治療は行っていません。「削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)+レーザー法」を行っています。

刺青・タトゥー削皮・剥皮ではミクロ単位の調整が大切

もちろん、墨の状態によって、削る深さの調節を行いますが、それはミクロ単位の調節であって、上皮化に要する日数が異なってくるほどではありません。

適正な深さで削って、術後に理想的な処置を行いますと、墨が深い浅いにかかわらず、上皮化までの期間や経過はほとんど変わらない傾向にあります。

六本木境クリニックでは、拡大鏡で皮膚の状態を確認しながら、長時間かけて丁寧に削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)を行っています。

これまでのたくさんの刺青・タトゥー除去治療の経験を通して申し上げますと、やはり、ほとんどの方が削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)後の約2週間で上皮化しています。

2週間で上皮化できない医師は、むやみに削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)による刺青・タトゥー除去治療を行うべきではないでしょう。

やけどの手術をたくさん行ったことのない医師には、こうしたことが全く理解できないのではないでしょうか。そのため、削皮・剥皮(皮膚剥削術・アブレーション)で刺青やタトゥーを除去するのは不可能のように思います。

刺青・タトゥー削皮・剥皮では個人差はなく執刀医の技術の差しかない

手術の結果とは、患者さんの体質によって変ってくることは少なく、執刀医の技術・手技・心がけなどの差によって変わってくることがほとんどのように思います。

刺青・タトゥー除去の削皮・剥皮だけでなく、どのような手術でも受けるかたの個人差はほとんどありません。そのように錯覚するようなもののほとんど全てが執刀医の技術の差なのです。

 

刺青・タトゥーの除去が大変なのは、刺青やタトゥーには墨を入れたときにできた傷跡があるからです。
刺青・タトゥーの除去が大変なのは、刺青やタトゥーには墨を入れたときにできた傷跡があるからです。削皮・剥皮ではフリーハンドデルマトームで削ると、墨が濃くて深く削れてほしいところほど、墨や傷跡が固いため浅く削れてしまいます。
削皮・剥皮のとき、まず、フリーハンドデルマトームで削りますが・・墨が濃くて深く削れてほしいところほど、墨や傷跡が固いため浅く削れてしまいます。この残った墨や傷跡が多い部分をカミソリや顕微鏡手術の道具などで時間をかけて削ります。

 

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