わたくしは研究をしたことがない、臨床しか知らない医者です。
ですから、研究については詳しいことは知りません。
でも、読書はメチャメチャ好きですから、
さまざまな分野のいろいろな本をたくさん読んで参考にしています。
研究者の方々は「まずは結論ありき」のようにも感じられます。
企業や自らが考えた結論・因果関係をまずは信じ込み、
それを証明しようと実験しているのかもしれません。
例えば、
「理論上、非常に優れたレーザー機器なので、
当然、魔法のような効果を発揮するに違いない」
「動物実験でも分割切除はかなり良さそうなので、
当然、人間にも当てはまるに違いない」
といった感じにです。
また、臨床現場を実験の延長のようにとらえている
医師もいるかもしれません。
一方、わたくしの場合、臨床しか知りませんので、
実際に患者さんがどう感じているかというところからスタートできました。
かえって、相関関係と因果関係を混同せずに済んだように思えます。
患者さんから気づかせていただいたことが多く、
机上の空論と実際の臨床現場の違いを強く感じています。
刺青・タトゥー除去治療に関することだけでもたくさんあります。
「他院で刺青・タトゥーのレーザー除去治療を受けたが、
数年かけても何回やっても消えない」
という意見をたくさんの患者さんから聞いていると、
やはり、どれだけ素晴らしい理論や理屈があっても、
刺青はレーザーでは消すことができないのだと気付かされました。
また、他院で刺青・タトゥーの分割切除を受けて、途中で手がしびれたりして、
当院に相談に来られる人があまりに多く、その現状を見ていて、
「皮膚は伸びない」
「分割切除も小さな刺青やタトゥーにしか向かない」
と、痛感させられました。
わたくしのブログやホームページなどの意見が
一見、変わっているように思えるかもしれません。
しかし、内容の9割以上が、
実際に刺青・タトゥー除去の経験者である
患者さんからの生の声・ご意見を参考にしたものなのです。
年明けに清澄公園で獅子舞を見ました。
伝統的なものを見るとなごみます。
やっぱり、わたくしは日本人ですよね。