現在、わたくしが刺青除去で用いている削皮の実力はどのように培われたのか?
自分で昔を思い出してみて・・・
今、刺青除去の削皮(皮膚剥削術・アブレーション)が上手くできているは
実は偶然の産物です・・・始まりは北九州でした。
普通は入局すると大学などのような
多種多様・色々な症例がある病院で2年ほど研修します。
ところが、わたくしの場合、先輩が急にやめて欠員が出たということで
入局してわずか2か月で、大学からやけど治療が多い病院へと異動となりました。
当時、その北九州の病院では、やけど治療が非常に多く
毎日のようにやけどの手術(削皮や植皮)が行われ、
土日も必ずといってよいほど全身やけどの手術が入っていました。
休みがないほどでした。
普通、入局直後は、2年ほど、大学でさまざまな治療を見るため
やけど手術(削皮や植皮)が好きだという形成外科医は少ないように思います。
人気なのはマイクロサージェリーと言って
顕微鏡で血管や神経をつないだり組織移植をする分野や
先天的な形態の修正手術や顏や手の手術です。
やけどは形成外科の中では人気がある分野ではありませんでした。
しかし、わたくしは入局してほとんどすぐに
やけどが9割という雰囲気の中に叩き込まれました。
まず、やけど治療ありきの形成外科医になったわけです。
自然な流れでした。