ネット上に刺青・タトゥー削皮後、 上皮化に2~3か月かかる
という意見も多く書かれています。
おそらく、色々な先生方が実際に自分で刺青やタトゥーを削皮してみて
実際の経過を見て「2か月~3か月かかる」という意見になったのでしょう。
しかし、2週間前後で上皮化しないとケロイド状になったり皮膚癌になったり、
将来的に様々な支障をきたすリスクが非常に高くなるかもしれませんので、
やけど治療や創傷治癒の世界では、
2週間で治癒させる方法を習得したり考えたりする方が正しい対応といえます。
2週間くらいで治癒させることができなければ、
むしろ刺青やタトゥーの削皮をやめるべきです。
わたくしは医学部卒業後、すぐに小児外科に入局しました。
その後、先天的な形態の修正手術に惹かれて形成外科に転科しましたが
実際には2か月で空きがあったために、やけどの多い病院勤務となりました。
形成外科の中では、やけどは人気のある分野ではなく
血管を縫うマイクロサージェリーや
先天的な形態の修正手術や顏の手術の方が人気です。
もし、形成外科に入局してすぐに やけどの多い病院勤務になっていなかったら、
わたくしも、やけど治療に慣れていなかったかもしれません。
全身のやけどを常に診てきた経験によって
巨大刺青やタトゥーの除去手術を目の前にしても、
物怖じしないような感覚が身についたようにも思えます。
当院には、背中いっぱいの大きな刺青・タトゥー除去の方の来院も多いです。