胸の刺青・タトゥー切除手術のモニター写真が、
あおむけで撮られていたり、
乳首が隠してあったりする理由についてですが、

別に恥ずかしいから隠しているというのではなく、
術後の非対称が見るに堪えないほど酷いから
というのが本当の理由といえるでしょう。

当然、刺青・タトゥー切除をたくさん行っているような医者であれば、
乳首と反対方向の皮下を広く剥離したりして、
乳首から離れた方向からたくさん皮膚を移動させて、
乳首はできるだけ移動しないような工夫は十分にするでしょう。

しかし、乳房というものは、乳首に近い方向はやわらかく、
乳首から離れた部位は、皮膚が骨や筋肉と
強固にくっついていて固いため、
当然、乳首側の皮膚の方が
たくさん引っ張られて移動してしまいます。

このことは乳がんなどで再建手術が必要な理由の一つです。
乳がんは病気なので気の毒だから最善を尽くす
刺青やタトゥー除去では自業自得とでも言うのでしょうか?

こういったことが、胸の刺青・タトゥー切除に
本当に見るに堪えない非対称の症例が多い
ということの最大の理由です。

また、胸はケロイドの好発部位として有名ですので、
胸のタトゥーや刺青を切除すると
ひどいケロイドになるケースが非常に多いです。

それだけでなく、
この部位の刺青・タトゥー切除症例では、
見るに堪えない凸凹も多く見られます。

胸の美しいカーブが乱れて、
醜い凸凹となっているケースが多いです。

そのような場合、

「刺青・タトゥー切除後にくぼんだ」
「傷の両側に角のような飛び出しが2つある」
「棒が入っている」
「変な恰好になった」
「カーブが不自然になった」

と、さまざまな表現が用いられますが、
実は、みな同じことを言っていて、
形成外科では常識の「ドッグイヤー」という現象を指しています。

このドッグイヤーというものは、
皮膚を日常的に切り取っている形成外科医には馴染みが深く
皮膚を切り取ると、多かれ少なかれ必ず生じます。

形成外科医が皮膚を切り取る場合、
普通、「ドッグイヤーができない」なんて
誰も考えてはいません。

「ドッグイヤーありき」をまず前提として、
「ドッグイヤー」が目立つか目立たないか
ということを問題にしているだけなのです。

しかし、この現象は皮膚を切り取らなければ生じないので、
反対に、形成外科以外の外科系の医師には馴染みが薄く、
知らない先生方もいらっしゃるかもしれません。

厳然として、胸のタトゥーや刺青切除には
本当に悲惨な結果が多いものですが、

それに対して、
胸のタトゥーや刺青に削皮をおこなった場合は、
本当に良い結果が多いと言えます。

同じようにケロイドがよくできる部位である
二の腕(上腕)のタトゥーや刺青に削皮をおこなうと、
盛り上がることが多々ありますが、

胸の刺青やタトゥーの削皮ですと、
絶妙な深さで削ると本当に目立たないのです。

このような理由から、
わたくしは胸の刺青・タトゥーには
削皮が第一選択であると考えています。

 

DSCN0670

DSCN0664
世田谷って緑が多いですね。