第3の眉下切開修正パターン

眉下切開を受けるとまぶたが外側に引っ張られてひきつれる?

前回前々回の2回にわたって眉下切開の傷跡修正について詳しく述べてきましたが、眉下切開は傷跡だけがキレイであれば全く問題ないというわけではありません。実は眉下切開の修正にはもう2つ、典型的なパターンというものがあります。

そのうちの1つは眉下切開を受けたら、まぶたが外側に引っ張られてひきつれたと言った相談です。このような相談にはさまざまな表現が用いられます。典型的なものだけ取り上げても・・

眉下切開後まぶたが外側に引っ張られてひきつれた場合の典型的な表現

  • 「眉下切開を受けたら、ひきつれて目が吊り目になった。」
  • 「眉下切開を受けたら、ひきつれて目が吊り上がった。」
  • 「眉下切開を受けたら、ひきつれてまぶたに変な斜めの線が入った。」
  • 「眉下切開を受けたら、ひきつれて二重の内側に斜めの不自然な線が入った。」
  • 「眉下切開を受けたら、ひきつれて二重ラインがいびつになった。」
  • 「眉下切開を受けたら、にらんだような目つきになった。」
  • 「眉下切開を受けたら、目つきが悪くなった。」
  • 「眉下切開を受けたら、意地悪そうな顔になった。」

 

このように眉下切開でまぶたが外側に引っ張られると言うことは、眉下切開で眉頭側の傷跡が目立つこととある意味二者択一のような関係です。

眉下切開で最も悲惨なことは眉頭側の傷跡が目立つことですので、よほど傷跡に自信がないと眉頭側に傷を付けることができません。

このため、眉下切開で外側だけを切る医師が多く、外側だけを切られた眉下切開ではまぶたが外側に向かって引っ張られて、まぶたがひきつれたり、目が不自然に吊り上がったりします。

眉下切開で真皮縫合などの中縫いがきつい場合

そして、眉下切開の修正3番手としては中縫いがきつすぎると言うパターンがあります。

何度、眉下切開の手術してもキレイな傷跡にならないので、中縫い・真皮縫合を強くかけすぎると言う典型的な落とし穴があります。

そのような場合には、眉下切開後、眉毛と眉毛の下数ミリが一塊として堤防状に盛り上がり、特に眉毛の下側の段差が特徴的です。

また、まぶたにギャザーがよったように見えますし、何だかイモムシのような昆虫のお腹のようにも見えます。

眉下切開で真皮縫合などの中縫いがきつい場合の修正

このような場合には比較的修正することがたやすく、眉下切開の中縫いを緩めるだけでも結構喜ばれたりするものです。

でも、眉下切開の修正で真皮縫合を緩めるだけですと、傷跡は汚く目立つようになりやすいので、真皮縫合の代わりに筋肉(眼輪筋)の折り畳み縫いを行ったりするのですが、初回の眉下切開で眼輪筋を取られていたりすると厄介です。

手足の真皮縫合ならいざ知らず、お顔の真皮縫合は強くかけすぎるとデコボコがずーっと残ると言うことは形成外科ではごくごく初歩的な知識です。

まぶたのような 極うすの皮膚では、たとえ、眉毛の下のようにまぶたの中では比較的皮膚が分厚い部分でもでこぼこが永遠に残ってしまうと思われます。

眉下切開で真皮縫合などの中縫いがきつい場合の実際

以前、技術で売っている形成外科系美容外科の有名な先生の眉下切開手術直後のかたから、相談メールを写メ付きでいただいたのですが、真皮縫合がきつすぎてひどくデコボコしていました。

しばらく待つと、徐々にはなだらかになるとわたくしも思っていましたが・・何と、3か月後、実際に来院されたときも全く同じような状況でした。

眉下切開で真皮縫合がきつい結果が多発する理由

眉下切開の中縫い(真皮縫合)がきつすぎるのはわたくしにも責任の一端があって、形成外科医(特に手術に自信がある医師ほど)はキレイな傷跡を見てしまうと真皮縫合を強くかけたくなる性質があります。

腕に自信がある形成外科専門医が六本木境クリニックの眉下切開の傷跡を見てしまい、いったん自分の眉下切開との差を感じてしまうと、どんどん強くきつく真皮縫合をかけてしまうと思われます。

先日、東京都内の形成外科専門医の先生が見学に来られていて「先生の眉下切開って、眼輪筋だけ折り畳み縫いしていて、真皮縫合をかけないんですね?」って言われたんですよ。

たしかに眉下切開で中縫いを浅くかけるとデコボコが目立つので、わたくしも段々、中縫いを深くかけるようになってきていたんですよね。

真実は少し違っていて、六本木境クリニックの眉下切開では眼輪筋の折りたた縫いと真皮縫合も少しかけているようなちょうど中間的な状況だと思います。

 

意外によく見られる他院眉下切開でのイモムシのような真皮縫合、このような場合には自然には改善しないので、放っておくと永遠にダウンタイムとも言える。

 

眉下切開についてはこちら

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