眼瞼下垂と眉下切開の違いは?どっちを選ぶ?美容外科医が本音で語る選び方

「眼瞼下垂症の手術を受けるべきか、眉下切開の手術を受けるべきか悩んでいます」と言った相談を受けました。

そして、この後このように話が続きました。

「他院で眼瞼下垂と言われましたが、仕事が忙しく、眼瞼下垂の手術を受けてしまうと内出血や腫れなどダウンタイムが気になってしまうと思ったので、切らない眼瞼下垂の手術(埋没?)をお願いしました。」

「でも、若い頃から厚ぼったいまぶただったためか、すぐ完全に戻ってしまいました。」

眼瞼下垂の手術を検討する過程で六本木境クリニックのホームページやブログ、SNSに行き着き、眉下切開を知ったそうです。

最近は、こうした眼瞼下垂手術と眉下切開の違いやどっちを受けるべきか悩んでおられる方が多いようです。

世間では眉下切開より眼瞼下垂を勧める声が多い

世間では眉下切開が眼瞼下垂の手術に押されまくり(眼瞼下垂を勧める声が多い)なのが実情です。

これには理由があって、眉下切開は傷跡が目立つと非常に悲惨なのです。眉下切開の傷跡をきれいにできる医師が少ないため、眼瞼下垂の手術を優先的にすすめてしまう医師が圧倒的に多いのです。

経験上、眼瞼下垂手術より眉下切開を行うことをおすすめしています

切る眼瞼下垂の手術と眉下切開でお悩みのようですが・・わたくしの経験上、眉下切開を優先させたほうが無難ですし、眼瞼下垂の手術が向く人よりも眉下切開の手術が向く人のほうがけた違いに多いと思います。

まぶたの開きが悪い状態には、主に、皮膚のたるみと腱膜のゆるみがあって、皮膚のたるみのほうが優勢であるかたがほとんどだと思います。

皮膚のたるみの治療には眉下切開です。
腱膜のゆるみである眼瞼下垂が眼瞼下垂の手術の適応だとされていますが、軽度の眼瞼下垂のかたについては眉下切開でも十分な改善が得られます。

軽度の眼瞼下垂のかたは眉下切開でまぶたの重みがとれて、開きがよくなるだけで十分だし、そのほうが不自然な整形顔にならずに自然な改善が得られます。

九州で保険適応の眼瞼下垂の手術や眉下切開をやっている後輩は、「最近、できるだけ眉下切開から行うようにしたら、眼瞼下垂の手術が必要な人がとても少ないことが分かった」なんて言っていました。

眼瞼下垂と眉下切開の違い〜そもそもまぶたのたるみと眼瞼下垂とは?

まぶたのたるみにはレアなものまで含めると本当にさまざまなものがあります。
でも、大学など特殊な医療機関でどうなのかは分かりませんが、実際に臨床現場で、開業医が遭遇するもののほとんどは次の2つのもので占められていると言っても過言ではありません。
まぶたのたるみの種類

  • 上眼瞼皮膚弛緩(偽性眼瞼下垂)…皮膚中心・前側のたるみ;典型的な皮膚のたるみ(上眼瞼皮膚弛緩)…二重が狭くなり目尻が下がる
  • 腱膜性眼瞼下垂…眼瞼挙筋腱膜のゆるみ、後ろ側のゆるみ;典型的な腱膜のゆるみ…二重が広くなることが多い

この両者を比較すると、皮膚弛緩のほうが眼瞼下垂よりもずっと多いと思います。また、30代以上の人でまぶたの皮膚のたるみを自覚していない人なんてほとんどいないでしょう。

眼瞼下垂のある人でも先天性眼瞼下垂の子供さんを除けば誰でも皮膚のたるみがあります。すなわち、眼瞼下垂の人もほとんどの場合、皮膚のたるみプラス眼瞼下垂だということです。

でも、世間では眼瞼下垂と診断して保険で安く眼瞼下垂の手術を行っている医師がとても多く、反対に眉下切開をたくさん行っている医師は少ないです。

繰り返しになりますが、眉下切開の場合、傷跡が二重ラインにかくれないので傷跡が目立つととても悲惨だから、多くの医師が眉下切開を避けているのかもしれません。

眼瞼下垂と眉下切開、どっちを選ぶべき?判断基準を専門医が解説

眼瞼下垂の手術で整形顔になることがある

眼瞼下垂の手術でほとんどの人が満足していれば「めでたしめでたし」ということなのでしょうけど・・。

手術を受けた方の中には、薄くてしなやかな皮膚をたくさん切除してしまったり、挙筋前転しすぎて不自然な整形顔やビックリ目になっている人が大勢いるようです。

眼瞼下垂の手術や切開法などでうすくてしなやかな皮膚を切り取ったり、埋没などで高い位置に二重を作ったり、たるみ埋没や切らない眼瞼下垂の手術でまぶたのたるみを無理やり二重の下に押し込むと、分厚い皮膚でできた人工的な二重になりやすいので注意が必要です。

切らない眼瞼下垂は厚みが不自然で戻りやすい

「切らない眼瞼下垂の手術がは埋没?」と聞かれたことがありますが、するどいと思います。切らない眼瞼下垂の手術は埋没の変法です。

一般のかたどころか施術を行っている医師の間にも埋没や切らない眼瞼下垂の手術に対する大きな誤解があります。

まぶたの分厚い人は分厚い皮膚が乗っかったように見えたり、分厚い皮膚で無理やり作られたような不自然な二重に見えやすく戻りやすいから、「まぶたの分厚い人には、切らない眼瞼下垂を勧めない」と言ったものです。

ところが、東洋人ではほとんどの人のまぶたが分厚いので、普通程度のかたでも厚みが不自然で戻りやすいです。つまり、ほとんどの方が切らない眼瞼下垂に向いていないということです。

また、まぶたのたるみが多いほどまぶたのたるみを無理やり二重の下に押し込める傾向となるので、どうしても不自然な雰囲気になりますし、糸が取れやすくなります。

加えて、二重埋没法や切らない眼瞼下垂の手術ではコロコロ感・痛みを訴える人が多く、視力が落ちて行く人もいて、けいれんする人もいるそうです。眼科の先生に相談しても、大抵・・目に悪いのでやめたほうがいいなんて言われると思います。

指で眉毛を持ち上げると改善するものは眉下切開が向いている

先日、このような相談を受けました。

「有名な先生の眼瞼下垂の手術を受けて、手術前よりたしかに開きは良くなったけど、指で眉毛を持ち上げるとずっと開けやすいんですけど、これって・・眉下切開を受けたら改善しますか」

ハッキリ言って、指で眉毛を持ち上げると改善するのであれば、眉下切開を受けると9割方改善します。

でも、手術ってやってみないと分かりませんので、100%のお約束をすることはできません。後出しジャンケンみたいなのですが、指で持ち上げると開きがよくなるのでしたら、眉下切開だけで改善できていたかもしれません。

軽度眼瞼下垂も眉下切開

眉下切開だけではじゅうぶんな改善感が得られず、眼瞼下垂の手術を追加するべきケースもまれにあります。

以前は眼瞼下垂の人に対して最初から眉下切開+眼瞼下垂の手術(挙筋前転法など)といった複合手術をすすめていました。

でも、六本木境クリニックでは、後から眼瞼下垂手術を受けることになったとしても、まずは眉下切開を受けてみたいという人が多いです。

わたくしとしては「さすがに・・この人は眼瞼下垂の手術が必要だろう」と思っていた人が、眉下切開だけでとてもよくなって、ビックリさせられることもあったりします。

ですから、最近では眼瞼下垂の人に対して最初から眉下切開+眼瞼下垂の手術(挙筋前転法など)といった複合手術をすすめることはほとんどありません。

眉下切開単独手術から行い、必要な場合にも3カ月以上経って腫れが十分引いてから診断して、半年後以降に眼瞼下垂の手術(挙筋前転法など)を行うようにしています。

でも、世間には眉下切開の適応であるまぶたのたるみに対して軽度の眼瞼下垂と診断して眼瞼下垂の手術を行っている形成外科医や美容外科医が非常に多いことに毎日おどろかされます。

自分の切除縫合した傷跡に自信がない形成外科医や美容外科医が眉下切開をすすめることはなく、適応は執刀医の実力によって大きく変わるものなので致し方ないのかもしれません。

埋没などの左右差には眉下切開

埋没後に二重ラインの不自然さや左右差が出てしまっているかたには眉下切開+切開法(埋没の修正)を、もともと眼瞼下垂があるかたには眉下切開+眼瞼下垂の手術を以前はおすすめしていました。

それでも眉下切開単独手術を希望されることが多く、それだけで納得の結果になることのほうが多いことがだんだんわかってきました。

そのため最近では眉下切開だけ受けることをまずはおすすめすることが多いです。

その後に半年ほど待っても不自然さが強い場合には、埋没抜糸⇒再度埋没または二重切開や眼瞼下垂手術を行います。

そのまま眉下切開を受けると不自然さが強調されそうな予測が立つ場合、埋没抜糸後に眉下切開を受けて満足されるかたも多いです。

ちなみに眉下切開だけでも軽症の眼瞼下垂には効果があるため、後に眼瞼下垂の手術が必要になるかたはおどろくほど少ないです。

また、左右差については坐位でマーキング、仰臥位で計測を何度も繰り返してデザインを行い、手術中何度も目を開けてもらいながら調整することにより眉下切開で改善できることが多いです。

簡単にできる眉下切開と眼瞼下垂手術の適応判断

ひたいと眉毛を押し下げ固定して「目が開かないでしょ?」で眼瞼下垂と診断する美容外科医や形成外科医は多いけど、そうすると誰でも重く感じるから絶対におかしい!

逆にひたいの前頭筋に力を入れて眉毛を上げると目が開く人は眉下切開の適応だと私は思うし、眉毛を持ち上げて目が開く人は手術が必要なほどの眼瞼下垂症ではないと私は診断している

眼瞼下垂と眉下切開の注意するべきポイント

眼瞼下垂の手術と眉下切開を検討する際、多くの方が見落としがちなポイントがいくつかあります。これまで数多くの症例を診てきた中で、「こんなはずじゃなかった」「もっと早く知っていれば…」という患者さんからの相談も数多くありました。

注意していただきたいポイントのひとつが手術の順序です。眼瞼下垂の手術を先に受けてしまうと、その後に眉下切開を行っても不自然な整形顔から抜け出せなくなることが多いのです。それはこの後詳しく説明します。

それ以外にも、傷跡の問題や、切らない眼瞼下垂や埋没では糸を取れば元に戻るという誤解など、注意点を知っているかどうかで、手術の結果は大きく変わってきます。失敗を避けるために、知っておいてほしいいくつかのポイントをご紹介していきます。

眼瞼下垂の手術の後に眉下切開を受けると不自然さが残る

先に眼瞼下垂の手術を受けてしまうと不自然な整形顔になって、その後に眉下切開を受けても不自然さがとれません。

そもそも、医師から眼瞼下垂と診断されたとしても、本当に眼瞼下垂の手術が必要なほどの眼瞼下垂症だったかどうかすらあやしいです。

眼瞼下垂とはただ単にまぶたの開きが悪い状態をあらわしている言葉です。完全に健康な状態から完全なる病気(眼瞼下垂症)までの連続した状態を意味しています。

そのため、確信犯的にだれでも眼瞼下垂と診断して眼瞼下垂症の手術を行い、不自然な整形顔を大量生産している医師も多いようです。

ちなみに、眉下切開を先に受けても眼瞼下垂の手術がやりにくくなったりはせず、不自然な整形顔にもなりにくいですが、これはあくまで眉下切開をメインでやっている私の意見です。

眼瞼下垂手術をメインでやっている美容外科医や形成外科医が違う意見なのは仕方ないと思います。

眉下切開が向かない人はめったにいないが美容外科手術に手遅れはない

カウンセリングを受ける予定の方から、このような質問を受けました。
「モニター症例の写真や画像を見せていただけますか?そして、遠方なので何度も通院することが難しいです。初診当日に日帰りで手術というのはやはり難しいでしょうか?」

六本木境クリニックでは、カウンセリングにお越しいただけますと院内モニターさんが数名いますから実際に手術を受けた人のお写真をお見せして詳しくご説明しています。

また、当院には眉下切開を受けているスタッフが何人もいるので写真や画像ではない実際の傷跡をお見せ出来ます。

10代から90代までのかたが眉下切開を受けられていて、眉下切開の適応でないかたはめったにいらっしゃいません。

ただ知っておいていただきたいのが、「美容外科手術には手遅れはありませんし、絶対必要なかたもいらっしゃいません」ということ。

そのため、当院ではカウンセリング後によく考えていただいてから手術のご予約をおすすめしていますので、カウンセリングと同じ日の手術はお断りしています。

眉下切開プラスアルファの複合手術の提案には注意する

眉下切開プラスアルファの複合手術のバリエーションは豊富でして、目頭切開・目上切開・二重埋没・切らない眼瞼下垂の手術、二重切開・眼瞼下垂手術、前額リフトや目尻切開、目の下脱脂まであります。

眉下切開プラスアルファの複合手術を行う医師が多い理由としては以下のようなことが考えられます。

キズや傷跡に自信がないのに眉下切開を行う場合には、眉頭側まで切ることができませんから、まぶたの外側だけ皮膚を切り取ることとなります。

その場合には引き連れて蒙古ひだが突っ張ったり、アンバランスに目頭側のたるみだけが残ります。

そのため、不自然さが目立たないように皮膚切除面積を狭くした、いわゆるやったふり眉下切開をやっている医師が多く、効果が出せないため、複合手術で効果を感じてもらう方針らしいです。

複合手術はアップセルにもなるのでクリニックの売り上げにもつながり一石二鳥といったところでしょうか?

また、引き連れや目頭側のたるみをごまかすために複合手術を提案していることもよくあります。

眉下切開と同時に行うルーフ切除・眼輪筋切除や眼窩脂肪の脱脂も切除面積が狭く効果が少ないのを補うためやアップセルのために行われていることが多いと私は思います。

自分からは見えにくく「他人は斜めから見る」

先日、このような相談のメールを受けました。

東京都内40代女性から
「1か月前に他院で眉下切開+切らない眼瞼下垂の手術を受けました。

眉毛の傷跡は結構目立っていますが、外側だけなので眉毛で上手くかくれているように思えます。眉下切開と二重埋没のバランスが悪かったのでしょうか?外側の埋没の位置が高くてひきつれていて吊り目に見えます。

やはり3ヶ月か半年、腫れが引くのを待って、改善して来なければ修正するしかないですよね?できれば、まぶたの二重ラインにあまり手を加えたくはありません。あまり二重に手を加えると不自然になりそうな気がします。」

眉下切開で外側しか切っていない場合の眉毛の外側のキズや傷跡はお顔の正面から見ると、眉毛にかくれて自分からは見えにくいことが多いようです。

でも、外側だけの眉下切開では、自分で気が付かなくても実は目立っているケースが多々あります。他人は斜めから見ていることのほうが多いので、眉下切開の傷跡を斜めから見て目立つ場合も実は深刻です。

斜め側から写真を撮って眉下切開の傷跡の画像を拡大するとよく分かると思います。そのような場合には、六本木境クリニックで修正することができますのでご相談ください。

ちなみに眉下切開の修正手術も他の美容外科手術の修正手術と同様で・・3か月でも半年でも1年でも、ずーっと待っていても手遅れはありませんし、腫れが引くとだんだん自然になってくる場合もあることは覚えておいてくださいね。

埋没や切らない眼瞼下垂の手術は糸をとると簡単に戻せる・・・わけではない

また、埋没や切らない眼瞼下垂の手術の場合、糸をとると簡単に戻せるのではないかと言う誤解も世間では広まっているようです。

そのためにまぶたのたるみを感じても切るのが怖いから「とりあえずの埋没」や「切らない眼瞼下垂」をまず最初に受けてしまうかたが後を経ちません。

でも、埋没や切らない眼瞼下垂の手術の糸は簡単に取れるものではありません。

無理やり糸を取ろうとしてガタガタの二重になっている人もいますし、無理やり糸を取ろうとつつきまわしたら眼瞼挙筋腱膜が傷んで眼瞼下垂気味になったなどという話も聞きます。

最近、わたくしは埋没や切らない眼瞼下垂の手術後の場合、糸を無理にとらずに眉下切開を行ってみることが多いです。その結果に納得できれば、そのままでもかまいません。

どうしても埋没や切らない眼瞼下垂の手術の糸を取りたい場合やそのまま眉下切開を行ったとしても良い結果が期待できない場合には埋没抜糸の症例数が多いクリニックに紹介してとってきてもらいます。

そして、眉下切開後に希望があれば再度埋没を行うようにしています。わたくしも二重埋没は得意としており、ご希望でしたらカウンセリングで詳しくご説明いたします。

複合手術を勧めたものの眉下切開のみを選択されて術後にお叱りを受けた話

眼瞼下垂の程度がひどいため眉下切開+眼瞼下垂の複合手術を勧めたものの、後々になって改善度が低いとお叱りを受けたこともあります。下記はそのようなケースでのメールのやり取りです。

Aさんから
「5カ月前、六本木境クリニックで眉下切開を受けたものです。お陰様で傷跡はすっかりきれいになくなりました。まったくブログの記事の経過の通りでした。

でも、気がかりなことがあります。たぶん手術の前よりはいいと思うのですが、私から見て見た目の改善感はほとんどありません。

目の開き具合が悪く眠そうな感じは眉下切開の手術前のままです。これを改善するためにはどのような方法がありますか?たとえば、埋没などで改善できますでしょうか?写真をお送りします。」

六本木境クリニック 境院長から
「眉下切開で両側9mm幅で皮膚を切除しているので、変化がないわけはありません。おそらく、手術前にはひたいの前頭筋にいっぱい力を入れてすごされていたんだと思います。

手術後、まぶたのたるみや重さが減ったので、自然とひたいの力が抜けて、後もどって感じるのだろうと思われます。」

「眉下切開後の経過で、ひたいの前頭筋の力が抜けて、まるで後もどったかのように感じるケースがあります。でも、このようなケースではひたいのしわが劇的に改善します。」

Aさんから
「お写真画像ありがとうございます。確かに眉下切開前後の写真を見比べるとかなり改善していますね。

もうすこし目の開きを良くして、見た目も自然な形でよくするためには、二重切開や埋没法などよりも挙筋前転(眼瞼下垂の手術)の方が良いということでしょうか?」

「埋没法ならばダウンタイムが少なく今の見た目より少しだけ良くなるので大丈夫かなと期待していたのですが。挙筋前転だとダウンタイムとイメージが大きく変わって不自然になってしまうのがこわいですし、何よりも二重切るのが目に近いのでこわいです。」

六本木境クリニック 境院長から
「大丈夫です。眉下切開後に二重ラインで皮膚を切り取らず眼瞼下垂の手術を控えめに行うと、かなり自然な結果にできることがほとんどです。」

一般的に挙筋前転(眼瞼下垂の手術)では二重ラインで皮膚切除を行います。けれどうすくてしなやかな皮膚をたくさん切り取ってしまうと、皮膚の分厚いところで二重ができて不自然になってしまうことが多いです。

このため、眼瞼下垂の手術や挙筋前転法の画像をネット検索すると、ゲンナリ・・の結果ばかりが目につき、手術を受けること自体を躊躇している人が多いと言います。特に眉下切開後のかたですと、二重ラインでも皮膚を切り取られてしまうと、皮膚が足りなくなったり、目が閉じにくくなったりするリスクもあります。

六本木境クリニックでは、追加の皮膚切除をほとんど行わずに挙筋前転を行いますので、不自然になりにくいと思います。

でも、眉下切開後に挙筋前転など眼瞼下垂の手術が必要になったかたは最近800例で2人の片目ずつ(0.13%)しかいませんので再診でよく診察させてください。

また、眼瞼下垂の手術が適応ではない場合も二重埋没は得意と自負していますし、眉下切開の2回目をおすすめするケースもたまにあります。

【注意喚起】気をつけたい眉下切開プラスアルファ法

世間では眉下切開の症例数が多い医師に遠慮して高い値段がつけられないので、眉下切開を埋没や目頭切開など他の手術と組み合わせたり、眉下切開で眼輪筋や脂肪をとったりして客単価を上げる方法が行われているようです。

でも、およそ医療とは思えない・・まるで外食産業のトッピングのような考え方ですよね。

六本木境クリニックにも眉下切開+二重埋没・眉下切開+二重切開法や眉下切開+眼瞼下垂の手術などがあるじゃないか?ですって・・

わたくしも状況によってはそのような複合手術を行っていますが、かなりレアケースです。最近では、まず眉下切開の手術を受けてから考えてくださいと説明していることがほとんどです。

少し前置きが長くなりましたが、気をつけるべき眉下切開プラスアルファの複合手術として、いくつかのケースをご紹介していきます。

「ダウンタイムが少ない複合手術」という謳い文句

不思議な眉下切開プラスアルファのひとつとして「ダウンタイムが少ない方法があります」と説明をするケースがあるようです。そのまま傷跡が目立たない対策の費用を請求されるといいます。

もし、本当にそうだったら大問題ですよね。

ダウンタイムが少ない方法ではない方法で眉下切開を行っているときは、手術のときに何か決定的な手抜きをしているということになりますから、ほとんど犯罪まがいのことですよね。

「傷跡対策費」という費用請求

傷跡が目立たない対策費用を請求される場合、そこのクリニックでは傷跡が目立つことがとても多いということです。

傷跡が目立つことなど考えられないくらいに丁寧に切って丁寧に縫うことだけが眉下切開で傷跡が目立たない極意ですから・・そのような説明をしているところで眉下切開を受けたら、傷跡がものすごく目立つ可能性があるということです。

それどころか、ほとんど全ての人で傷跡がめだってしまっているので、言い訳的にそのような説明をしているのかもしれません。

きれいなキズしかきれいな傷跡にはなりません。たとえ、どのように魔法のような手を使おうとも・・

事例「眉下切開のキズと傷跡」

六本木境クリニックで行っている眉下切開では整形顔やビックリ目にならず、なかなか良い結果が出ていると思います。

「自然にまぶたが開きやすくなった」
「自然に若返った」
「若い頃の目に戻った」

等々、嬉しいお言葉をたくさんいただいております。

これからご紹介するのは、眉下切開の傷跡に並々ならぬ自信を持っているわたくしでさえ、ちょっとビックリするほどの傷跡のきれいだった事例です。

拡大鏡で見ても眉下切開の傷跡が全然見えないとは・・

形成外科や創傷治癒の常識を覆すほどの出来栄えでした。また自信につながりました。

今後もこのような眉下切開の傷跡を量産したい。

ぜひそうしないと。そう、強く強く心に誓いました。

眉下切開手術直後のキズ、このくらいのクオリティーでなければきれいな傷跡になることはないと言ってもいいでしょう。

眉下切開の2日後のキズ(パウダーあり)きれいなキズは何もしなくてもきれいな傷跡になる

眉下切開3年後の傷跡、拡大鏡で見ても全く分からない。受ける人の個人差はほとんどない。個人差とはそのほとんどが医者の技術の差のことです。汚いキズはどんなに手を尽くしても汚い傷跡になる。

ちなみにこのキズと傷跡画像は10年前の症例のものです

目回りの手術後の眉下切開はむつかしい

修正手術やまぶたの手術を受けたことがある方の場合、前の医師がどのように切ってどのように縫っているか、どのように糸で留めているのかまったく分かりませんので本当に難しいです。

まぶたの手術をまったく受けたことがないまっさらな人の眉下切開と比較すると、かなり手術が難しいと言えます。

二重埋没二重切開などの二重整形や眼瞼下垂の手術、他院眉下切開後などの眉下切開手術が難しいことは想像しやすいのですが、目頭切開目上切開や目尻切開たれ目形成グラマラスライン、前額リフト後もむずかしいです。

また、誤解されやすいのですが、目回りは皮膚・眼輪筋・眼窩脂肪も上下のまぶたでつながっていますから、目の下クマたるみ治療の脱脂や表ハムラ裏ハムラの術後の眉下切開もむずかしいです。

眉毛のアートメイク(眉アート)後の眉下切開も非常にむずかしいです。

ちなみに私の場合は、手術をご提案する場合もありますが、これ以上手術をおすすめしない場合もあります。止めるのも美容外科医の仕事ですから・・

まとめ|眼瞼下垂の手術と眉下切開に迷ったら

前述のように眉下切開後に挙筋前転など眼瞼下垂の手術が必要になったかたは、最近800例で2人の片目ずつ(0.13%)しかいませんでした。

もちろん当院は自由診療の美容外科、保険診療で高齢者中心にやっている形成外科の先生は1%くらいいるとお思いでしょうけど、多い病気ではありますけど大多数の人が一生涯になる病気ではないということです。

でも、眉下切開をやっている医師は少なく、眼瞼下垂と診断して手術している美容外科医や形成外科医が多いのはなぜでしょうか?

目を閉じたりまばたきしたとき傷跡がひどくても目を開けたとき自分から見えにくいからってことが本当は一番の理由です。