他院眉下切開修正から気付かされること
他院で眉下切開を受けたという方の修正手術が増えていますが、六本木境クリニックで眉下切開修正手術を受けて、まるで判で押したかのようによく言われることがあります。
- 腫れ内出血が少ない
- 直後から傷が比較にならないくらい丁寧に縫いあわされている
- 効果も全然ちがう
- 前回は外側だけ切られて、まぶたが外側へイビツに引きつれていたのに、今回は眉下切開の修正直後からまぶた全体がきれいにピンと張っている
- 傷跡がきれい
学会などで再現性のない手術は良くないなどと、もっともらしい話がよく出てはいますが、それは建前のようなものです。
後輩や部下の指導に役立ったり、聞いている人も同じようなことができるように学会ではプレゼンしなさいって話なんです。
でも、一人一人の医師個人の能力や気構え・経験には雲泥の差があります。再現性と言っても、同じ医師が別の患者さんに対してほとんど同じように再現できるくらいが関の山です。
そもそも手術というもの自体、人から教えてもらったりマニュアルに沿って行うと誰にでもできるようなものではなくて、再現性がない芸術のようなものではないでしょうか?
一番上手い人が100点だとしたら、形成外科の専門医やベテランの美容外科医だったら60点以上取れるというものではなくて、医師1人1人によってバラツキが大きくマイナス点~百点以上まで・・と言った雰囲気のものだと言えます。
現に有名クリニックの有名な先生から眉下切開を失敗された、形成外科専門医や美容外科専門医から眉下切開を失敗されたと言った相談がたいへん多いのが、そのことを証明しているようなものです。
医師によって、その結果にバラつきがあり、例えるとしたら、ゴッホと絵が上手い小学生くらいの開きがあります。
眉下切開の上手い下手の判断方法(記載・画像・動画など)
眉下切開の上手い下手について分かりやすい鑑別・判断方法がいくつかあります。
目の付けどころ
- 記載
- 静止画像
- 動画
今回は主に記載についてお話ししたいと思いますが、まずは記載のなかでも、はじめに症例数と手術時間の話をします。
数字であらわすことができるもの
- 症例数
- 手術時間
手術の上手い下手を単純に比較することはできませんが、症例数と手術時間は数字で表すことができるものですので比較しやすいと言えます。
手術方法など
- 真皮縫合など
- 皮膚縫いが連続縫合か結節縫合か
- 皮膚縫いが透明な糸
- 結紮・結び目
症例数
手術には経験が必要で症例数が多いほど上手い医師の比率が高く、症例数が少ないほど上手い医師が少ないことは常識です。
六本木境クリニックは開業約7年900例以上の眉下切開を行っており、症例数が多い医師に入るであろうことは間違いありません。
一方、世の中には慣れが良い結果につながるとは限らない物事もあります。でも、美容外科手術というものはそのようなものではありません。
人の顔にわざざわキズを付けるのですから、慣れて雑になるような人には美容外科の手術をやる資格はありません。
わたくしは眉下切開を12年間で1000例弱経験して慣れるどころか、毎日、1%でも改善したいという緊張感をもって今でも眉下切開の手術を行っています。そうすることで確実に今でも前回の手術より上手くなっているように思えます。
このことがわたくしの自信の源でもあります。自分よりも真剣にたくさん眉下切開をやっている人はいないだろうから、負けることなんてありえないという自信です。
手術時間
手術時間も大切です。どのような物事でも時間をかけて丁寧に行わないと良いクオリティーはありえません。
手際が悪くモタモタしてやたらと時間がかかるのは論外ですが、若い頃とても手術が早かった12年で眉下切開1000例弱の経験があるわたくしが眉下切開1例を行うのに2時間かけています。
この事実をどうとらえるのかについては、個人の自由ですが、眉下切開は30分や40分でまともなクオリテイーを出せるような手術ではないようにわたくし個人は思っています。
そのような場合にはひどいギャザーがよったり不自然にひきつれているにもかかわらず効果をあまり感じなかったり、キズや傷跡はとても汚いように思います。
記載・文章
別に行間を読まなくても記載から直接、そのクリニックの自信や自信のなさが伝わってくるものです。
眉下切開に対する記載の場合、肥厚性瘢痕・キズや傷跡に対する追加の治療・傷跡の赤みが落ち着くまで時間がかかると言った記載はすべて傷跡に対しての自信のなさのあらわれです。
個人差があるという表現も要注意です。いつもお伝えしていますように、受ける側・患者さんに個人差はほとんどありません。
もしあったとしても数%の差、あたかも個人差のように思える現象のほとんど全ては医者の個人差・技術や心がけの差です。
「~の場合がある」などというあいまいな表現も暗に個人差のことを言っているケースがあります。そして、受けるかたの個人差を連想させるような表現は、そのほとんど全てが単なる言い訳だと思われます。
また、医者による結果の違いはどなたでも納得できると思いますが、手術方法の違いによって傷跡に差ができたり、手術方法で傷跡が汚いことが予測できるなんてことがあるのでしょうか?実はあります。
ずばり、「真皮縫合を溶ける糸で行うこと」と「皮膚縫合を連続縫合で行うこと」、この2つがキズや傷跡が汚い原因の代表格です。
真皮縫合や眼輪筋の折り畳み縫いなどの中縫いに溶ける糸を使用すると傷跡が汚くなるということは昔からよく言われています。
そして、皮膚縫合を1針1針丁寧に結節縫合しない医師は皮膚縫合の大切さを理解できていないようです。
基本的にキズから浸出液が漏れると、傷跡が溝状や線状になり、化粧やアートメイクでも隠すことができません。
また、連続縫合でキズから浸出液が漏れないほどに強く縫うと創縁の血行が悪くなり、かえって傷跡が汚くなってしまうと思われます。
それだけではありません。毛包斜切断法の皮膚縫合では1針1針集中して丁寧に行わないと上皮成分が埋入してアテロームなどが多発し、デコボコでまだら・・非常に汚い傷跡になってしまいます。
また、眉下切開で肥厚性瘢痕になることがあるなんて書いてあるネット情報もあるそうです。
肥厚性瘢痕とは赤黒く盛り上がったミミズバレ状・ケロイド状の汚い傷跡のことです。
肥厚性瘢痕になる可能性がわずかでもあるのでしたら、眉下切開のように傷跡がきれいでないだけで悲惨な手術を受ける人なんて誰もいません。
そして、赤みが落ち着くまで時間がかかるなどといった表現は肥厚性瘢痕のことを言っているケースがあるので要注意です。
また、キズを理想的な方法で丁寧に切って縫った場合、肥厚性瘢痕対策のようなキズや傷跡に対する追加の治療が必要となることは決してありません。
汚いキズはどのような手を尽くしたとしても汚い傷跡にしかなりません。きれいなキズは何もしなくてもきれいな傷跡になります。
眉下切開のネット情報での要注意の記載
- 症例数が少ない
- 手術時間が短い
- 肥厚性瘢痕
- キズや傷跡に対しての追加の治療
- 傷跡の赤みが落ち着くまで時間がかかる
- 真皮縫合が溶ける糸
- 皮膚縫合が連続縫合
- 個人差がある
- ~の場合がある
次回からは画像や動画についてお話ししたいと思います。
眉下切開についてはこちら
https://www.problem-eyelid.net/