眉下切開の上手い下手
手術というものは、個人個人の医師によってたいへん大きな差があり、眉下切開も例外にもれず大きな差があります。
その上、眉下切開では埋没・切開や眼瞼下垂の手術など二重ラインでの手術のように傷跡が二重にかくれないので、傷跡が目立つととても大変です。
他の部位では傷跡が80点以上で納得できる人でも、眉下切開の傷跡は99点以上じゃないと納得できないようです。
眉下切開の上手い下手について分かりやすい判断方法は下記のようなものです。
眉下切開の手術が上手いということ
- 傷跡がきれい
- まぶたがひきつれていない
- ダウンタイムが短い
目の付けどころ
- 記載
- 静止画像・写真
- 動画
手術方法など
- 真皮縫合など
- 皮膚縫いが連続縫合か結節縫合か
- 皮膚縫いが透明な糸
- 結紮・結び目
数字であらわせるもの
- 症例数
- 手術時間
眉下切開の手術が上手いということは、傷跡がきれいで、まぶたがひきつれていない。なおかつ、内出血・腫れなどのダウンタイムが短いということです。
反対に、眉下切開の手術が下手ということは、傷跡が汚く、まぶたが不自然にひきつれている。なおかつ、ダウンタイムが長いことです。
ダウンタイムは関係ないでしょ。最終結果が良ければいいんですよ。などと言う人がいたら何も分かっていません。
わざわざダウンタイムが長いところで手術を受けたい人なんているはずがありませんので、症例数が少なくなります。
眉下切開だけにかかわらず、手術のクオリティーを上げるために症例数がかかせないことは常識です。ダウンタイムが長い手術方法で眉下切開を行っている医療機関は上手くなる機会を逸しているということです。
前回は眉下切開の手術の上手い下手を記載・文章から判断する方法について述べてきました。
今回は静止画像や写真について詳述したいと思います。
眉下切開の上手い下手の判断方法(静止画像・写真について)
静止画像・写真から眉下切開のクオリティーを判断
ネットで、医療機関のホームページやブログのモニター写真画像を見ていて、何となくキズや傷跡が気になる人が1人でもいる場合や
何となく嫌いな整形顔の人が1人でもいる場合には、そのクリニックで眉下切開を受けてはいけません。
傷跡がきれいな人が半数以上だったらいいのではないか?好きな顔の人が1人いれば十分ではないか?などと言う人がいたら・・
その人はモニター症例の見せ方や見方というものをぜんぜん分かっていません。
モニターを募集しているクリニックでは大量のモニター写真画像があって、その中から都合の良いもの・チャンピオン症例を厳選して見せているものです。
ましてや、術後写真画像のほうが明るい部屋で撮られていたり、フラッシュがたかれていたり、厚化粧だったりする場合は論外です。
それどころか、画像処理がほどこされていることすら多いのかもしれません。でも、そのようなことをやっている側には別に悪意があるわけではないと思います。
人をダマしているという自覚はなくて、少しでも多くの患者さんに来てもらいたいと、手段を択ばず真剣にそのようなつまらないことをやっているのだと思います。
見せる側に悪意がなくても、見る側は知識や判断力を磨かなければ、だまされ放題ですよね。
モニター募集しているような医療機関では大量の画像や写真があって、その中のチャンピオン症例だけを見せられている。しかも、厚化粧にライトやフラッシュでごまかした写真を画像処理しているはずだから・・
たくさんモニター写真画像を見せてもらった中に1人でもキズや傷跡が気になる人やきらいな整形顔の人がいるクリニックで眉下切開を受けてしまうと、
高確率に自分がそうなるだろうという当り前の感覚を身に着けることができたら、ひどい目に会うことが少ないということです。
一方、六本木境クリニックでは7年間モニター募集していません。
そのため7年以上前の画像かスタッフが4~5年前に眉下切開を受けたときの写真くらいしかありませんので、ごく平均的なものしか見せることができません。
昔のモニター写真しかないことにはいいところもあります。昔の平均的な写真・画像をお見せしているので、最近のほうがクオリティーが良いくらいですから、術後にお叱りを受けることがほとんどありません。
何度も繰り返し述べていますが、眉下切開では埋没・切開などの二重手術や眼瞼下垂の手術などのように、二重ラインに傷跡がかくれません。
特に眉頭の傷跡が眉毛から下に大きく離れて目立っているケースが多く、眉頭の傷跡が目立つと他人と目を合わせて話すことができなくなります。
また、写真や画像を見るときに忘れてならないのは傷跡だけじゃなくて、キズを見ることも大切です。
キズが汚い場合には、どのような手をあれこれ尽くしたとしてもキズ同様・・傷跡も汚くなります。そして、キズが汚い場合や目立つ場合にはそれなりの理由があります。
キズが汚い場合や目立つ場合の理由
- 真皮縫合など中縫いが不適切
- 皮膚縫いが汚い
- 太い糸や黒い糸で縫われている
真皮縫合などが不適切
真皮縫合などの中縫いが不適切な場合には2通りあります。それは、真皮縫合などが弱すぎる場合や少ない場合と強すぎる場合です。
真皮縫合などの中縫いが少なかったり弱すぎる場合には傷跡が赤く盛り上がったミミズバレ状・ケロイド状の肥厚性瘢痕になったり、深い溝状の傷跡になったりします。
一方、真皮縫合などの中縫いが強すぎる場合、ギャザーがよったような規則正しいデコボコに見えます。お顔に強い真皮縫合を行ってしまうと、くぼみがずーっと残ることは形成外科では常識です。
ちなみにわたくしは眼輪筋の折り畳み縫いに軽い真皮縫合を交えているような感じで中縫いを行っています。
皮膚縫合が汚い
皮膚縫合が汚い場合には素人のかたから見ても何となく嫌な予感がしますよね。当然・・素人の予感は当たります。汚いキズは汚い傷跡にしかなりません。
皮膚縫合の重要性を言っている形成外科医はほとんどいませんが、その理由は皮膚縫合は表面から見えるので、その丁寧さを強調されると、むやみに手術時間が伸びて、めんどくさいからだろうと思います。
でも、皮膚縫合は意外と重要なんです。
縫い方が雑だったり糸と糸の間隔があいていると浸出液が漏れて、最初は赤みが強いキズになり、最終的には白くテカった傷跡となります。
糸の太さや色
太い糸で縫われている場合には糸が目立つだけでなくて、抜糸した後も傷跡がムカデのように目立つことが多いです。
また、太い糸よりも目立つものが2つあります。それは結び目とキズの隙間の赤い部分です。
医療人ではない素人のかたはキズ自体を見慣れていませんから、かなり丁寧に縫い合わせないとキズの隙間の赤い部分がメチャメチャ気になります。
ちなみに細い糸ほど結び目がほどけにくいのですが、細い糸ほど切れやすいので手術操作に繊細さが必要で手術時間が長くなります。
そして、太い糸ほど結び目がほどけやすいので、何度も結ばなければなりません。何度も結ぶと巨大な結び目となり、その大きな結び目が異様に目立ちます。
眉毛は大変目立つ部位です。半透明か透明の極細糸でなければ、抜糸まで人前に出ることができません。
まぶたがひきつれている
眉下切開の場合、眉下切開単独手術で不自然な整形顔になるケースはほとんどの場合、外側だけを切られていて、外側に向かって引っ張られてひきつれたようなまぶたになっているケースです。
また、眉下切開に自信がなくて、二重埋没・切開や眼瞼下垂の手術など二重ラインの手術と組み合わせて行っていて、そのことで不自然さがでているケースにも遭遇します。
六本木境クリニックでも眉下切開の手術前から、他院二重ラインの手術後、不自然な整形顔になっていたり、ある程度以上の眼瞼下垂がある場合には眉下切開+二重切開法や眉下切開+眼瞼下垂の手術の手術を行うこともあります。
静止画像での目の付けどころ
- キズ・傷跡・特に眉頭
- 嫌いな整形顔
- 皮膚は細くて透明や半透明で縫ってくれる
眉下切開についてはこちら
https://www.problem-eyelid.net/