眉下切開の傷跡ゼロを目指して!
傷跡をゼロにすることは不可能だとされていて、形成外科でも切って縫った場合、白色線状瘢痕(白い線状の傷跡)が残ると言われています。
外傷や再建などの分野ではそれでいいのかもしれませんが、美容外科手術、特に眉下切開のような傷跡が目立つと一生悲惨な手術では白い線状の傷跡でも大問題です。
実際、眉下切開では、形成外科の常識で最もキレイとされている白色線状瘢痕(白い線状の傷跡)よりも
はるかにキレイな傷跡が求められます。
そのため、眉下切開は切って縫うだけの形成外科医だったら誰にでもできそうな手術ですが、美容医療の名に恥じないきれいな眉下切開を行うためには不文律のようにさまざまな縛りがあると言えます。
いろいろなやり方があって当然だという考え方ではきれいな傷跡を追求できません。
わたくしもあらゆる局面で少しでも良いやり方があったらそのやり方を採用し続けた結果、常にきれいな傷跡にできるようになったと言えます。
わたくしも傷跡がゼロになるなんて思ったことはありませんが、六本木境クリニックの眉下切開では傷跡が見えない、分からないと何度言われたか分からないなんてもんじゃないです。だって、六本木境クリニックで眉下切開を受けてくださったほとんど全てのかたから、手術後かなり早い時期に、そう言われていますから・・
眉下切開では眉毛の下に沿って切ってはいけない!
眉下切開で眉毛の下に沿って切るのはダメですよね。
眉毛に切り込まなければ、眉毛から下に外れた傷跡となって、傷跡がすごく目立ちます。
そして、眉毛の下に沿って切るという表現には驚くべき行間があります。
その行間を読むと、その医師がどうして、眉毛の下に沿って切るようになったのかが透けて見えます。
まず、眉下切開では毛包斜切断法でなければ傷跡から毛が生えませんので確実に傷跡が目立ちます。
毛包斜切断法では当然、眉毛の中に切り込みますので、眉毛の下に沿うというような表現は用いません。
そして、毛包斜切断法が上手く行かなければ眉毛にどれだけ切り込んでも、創縁(傷近く)の毛根が死んで、術後に眉毛が抜けて行きます。
その結果、眉毛の下に離れた傷跡となります。
毛包斜切断法が上手く行かなければ、眉毛がほとんどなくなるほど眉毛に切り込んだとしても、眉毛から下に離れた傷跡となります。
眉毛が少なくなれば少なくなるほど、当然・・傷跡は目立つことになります。
何度も毛包斜切断法による眉下切開を行って上手く行かない場合、どうせ・・眉毛から離れた傷跡となるのであれば、眉毛を減らさないほうがずっとマシだということとなります。
その結果、眉毛の下に沿って切ることとなりました。
想像力をフル回転すると眉毛の下に沿うという表現だけで、これだけの行間が読めるのです。
でも、そんなに深く考えずに上司や先輩などの上級医師から言われたというだけで、眉毛の下に沿って切っている医師もいるかもしれませんが、そのような医師が眉下切開を得意としていることはないし、得意になることもないと思われます。
眉下切開ではwedge incisionで切ってはいけない?
毛根を傷つけないように毛根に沿って切ることをウィッジインシジョン(wedge incision)?と表現しているネット情報がありました。
一方、毛包斜切断法はできるだけ多くの毛包を切断するような方向に切りますから、毛根を傷つけないように毛根に沿って切ることは、毛包斜切断とほとんど反対方向に切っているのだと思います。
毛根を傷つけないという表現はとても耳障りがいいのですが、そのような方法では傷跡を目立たなくすることはできません。
わたくしもはじめてウィッジインシジョン(wedge incision)と言う表現に出くわしたとき、ただ単に毛包斜切断法を英語で表現したものだと思ったのですが、日本語訳も書いていて毛包斜切開と言った表現だったと思います。
切断していないということですよね。
本物の毛包斜切断法では毛包を切断することこそがキモです。
斜めに切断された毛包の上に薄い皮膚を載せて縫合すると傷から眉毛が生えてくることが、毛包斜切断法の大きな意義の1つです。
毛包を傷つけないような方向に切ると前述のように創縁(傷周囲)の毛根が死んで、眉毛が抜けて二度と生えてこない部分ができますので、眉毛から下にずいぶん離れた傷跡となります。
眉下切開でL字型のような独特な形に切ること
L字型のような変わった形に切らないことも大切です。そのような傷跡はとにかく人目を引くからです。どの分野でも異様なものは人目を引きます。
下まぶたは目玉の重みを支えるためにほとんど動かず、目のシャッター機能は上まぶたの動きに大きく依存しています。
上まぶたの動きはヒトの表情の重要な部分を占め、他人は上まぶたを見ています。
そのため、眉毛の下は最も人目を引きやすい部位です。
眉下切開では見た人が眉毛の一部だと誤認するようなカモフラージュ効果が求められるため、眉毛の形を連想させるような傷跡でなければ、そこそこ目立たない傷跡でも人目を引きます。
わたくしは本人や周りの人がその人の眉毛を連想する雰囲気に仕上げるため、普段眉毛を描く人には手術日に眉毛をいつも通り描いてきてもらっています。
描いてきた眉毛を参考にして、眉下切開で皮膚切除する範囲のデザインを描きます。
この時、毛包斜切断法を上手く行うことができれば、上側のデザインに似た傷跡となります。
なぜかって、もともとまぶたの皮膚は眉毛側の方が分厚く、睫毛側の方がうすい上に、眉毛側は筋肉・骨と固定されています。
一方、睫毛側は目玉の上で宙に浮いており、いわば自由縁・フリーマージンと言った状態です。
その上、毛包斜切断法で斜めに切ると、上側(眉毛側)の創縁は切断された硬い毛根が点在する分厚い皮膚、下側(睫毛側)はうすい皮膚となります。
当然ながら・・上側の固定された硬い部分の形に近くなりますので、手術後の傷や傷跡の形を予測しやすいと言えます。
眉下切開で眉毛の外側だけたくさん切ること
眉毛の外側だけ皮膚を切り取るか外側に極端に偏った切り方をすると、まぶたが外側に向かって引っ張られ、ひきつれて変な線が入るようになったり、吊り目になります。
吊り目や極端に深い線はネット画像でもハッキリ分かります。
でも、最も多いタイプ、うすい線やまばたきした時だけに出現するような線の場合、ネット画像では分かりません。
その上、不自然な線はまばたきをしたときだけに出現するのですから、自分でも気が付いていないことがほとんどです。
他人はみんな変だと思っているけど言えない・・と言った地獄絵図のような感じになってしまいます。
眉下切開についてはこちら
https://www.problem-eyelid.net/
https://roppongi-sakai-clinic.com/guidance/eyelids/
https://roppongi-sakai-clinic.com/faq_mayushita/