眉下切開の後療法で行ってはいけないこと

眉下切開はゆるい手術ではない!

眉下切開は傷跡が目立つと悲惨極まりない手術です。
そのため、いろいろなやり方があってしかるべき・・などと言ったゆるい感じの手術ではありません。

あらゆることを少しでも有利なように厳しく取捨選択して行わなければ、必ず傷跡が目立って悲惨なことになります。

1000例以上の眉下切開を行ってきて、その傷跡に対するお叱りがほとんどないわたくしがそのノウハウを述べます。

前回は切開法、前々回は縫合法について述べてきましたが、今回は第三弾として術後の後療法などについて詳述したいと思います。

キズを洗わないこと

「傷口は何日濡らすことができませんか?」「何日お風呂に入れませんか?」「髪を何日洗えませんか?」「顔は何日洗えませんか?」などといまだに聞かれることがあります。

このご時世、手術後に傷を洗うことができないということは、およそ・・その先生は傷の専門家ではないということですよね。

わたくしはほとんど生傷がゼロと言えるほどに傷をピッタリ合わせていますので、手術後すぐから、ボディーソープや洗顔剤、シャンプーを付けて洗ってもよいことにしています。

ばい菌なんて油汚れの中にいるので、そうしないとばい菌は減りません。
そして、ボディーソープなどで洗ったほうがかゆみが少ないようです。

術後の傷を洗わせない医師は、「創部の安静のために洗うな」ということなのでしょうけど、洗わないと就寝中かゆくなって無意識にゴリゴリこするので傷あとは汚くなります。
まさに本末転倒ですよね!

傷にガーゼや絆創膏・テープなどを貼ること

眉下切開後、「傷にガーゼや絆創膏・テープを当てますか?」などと言った質問がいまだにあるのですが、完全に変ですよね。

最近、創傷治癒や形成外科の専門医のあいだでは、何もつけないか、創傷被覆材などを付けます。ガーゼやテープ・絆創膏などは昔の言葉です。

ガーゼやテープ・絆創膏などを付けていて、入浴や洗髪・洗顔はどうするのでしょうか?

前述のように洗わないと、かゆくなって掻きむしって傷跡が汚くなります。フィルムなどを貼って濡らさないようにさけてお風呂に入ると、当然ながら傷口がむれてもっとかゆくなります。

そして、ガーゼや絆創膏は傷の保護のために当てているのでしょうけど、テープや絆創膏をはがすときの刺激で傷跡が汚くなります。

傷に創傷被覆材・キズパワーパッドなどを貼ること

ちょっと目を疑ったのですが、傷に創傷被覆材やキズパワーパッドを貼った方が良いなどと言った意見をネット上で見つけました。

噴飯ものですよね。傷口がピッタリ合っている状態に対して、創傷被覆材やキズパワーパッドが必要となることは絶対にありません。

創傷被覆材やキズパワーパッドが必要ということは、生傷の部分が多く、浸出液が多いということです。

すなはち、傷を丁寧に縫っていない、傷がピッタリと合っていなくて隙間が多いということに他なりません。

そのような縫合では傷跡がきれいになるはずはありませんよね。眉下切開のように傷跡のきれいさがシビアに問われるような手術では致命的と言わざるをえません。

むしろ・・創傷被覆材やキズパワーパッドは、はがすときの刺激で傷に悪いとさえとわたくしは思います。

眉下切開で1週間以内に抜糸すること

眉下切開で早めに抜糸することは得られるものと失うものとのバランスが悪く・・たとえば1万円を捨てて500円をもらう感じです。

形成外科で抜糸が早ければ早いほどいいなどと言った意見の医師もいるので盲点ですよね。
太い糸で強く雑に縫っていないかぎり、抜糸が少し遅くても糸のあと(縫合糸痕)が付いて困ったりはしません。

7-0か8-0のような極細糸で丁寧に縫って適度な強さで結んでいると、10日以上経ってからの抜糸でも問題になることはほとんどありません。

眉下切開で早めに抜糸するとたまに傷口が開いて汁(浸出液)がでたり、傷跡の幅が広がってくぼんだ傷跡になる場合があります。
それどころか赤く盛り上がったミミズバレのような肥厚性瘢痕になる可能性すらあると思います。

わたくしは眉下切開では10日から2週間くらいで抜糸することをおすすめしています。

傷跡にマイクロポアなどのテープを貼ること

抜糸した後の傷跡にマイクロポアなどのテープを貼ることは形成外科でよく行われている一般的な方法です。

でも、わたくしは責任転嫁法の一種だと疑っています。
傷跡が汚くなったら、「テープ負けしたときテープさぼったでしょっ!」てヤツですよね。

テープって、お肌が丈夫な人でもかゆくて、そう何日も貼れないですよね。
その上、眉下切開でテープを貼ると眉毛が抜けるだけですよね。

そもそも、わたくしは溶けないナイロン糸などで真皮縫合や中縫いが適切になされていれば、テープは必要ないと思いますし、テープをはがすときの刺激でかえって傷跡が目立つようになると考えています。

リザベン(トラニラスト)を内服すること

リザベン(トラニラスト)内服についてネット情報にあったときには冗談かと思いました。
リザベン(トラニラスト)って肥厚性瘢痕の薬ですよね。そのような薬って傷跡が汚いことが前提ですから・・

わたくしは1000例以上眉下切開を行ってきて、肥厚性瘢痕になったことは一度もありません。
それどころか、肥厚性瘢痕になるかもしれないと心配になったことすら一度もありません。

眉下切開で肥厚性瘢痕になることや、その薬を使わなければならないことなんて・・よっぽどのことですよね。

リザベン(トラニラスト)を使う前に、切開法や縫合法など何か他のことを見直した方がいいと思われます。

ヒルドイド・アットノン・ケロコートなどを塗ること

何と・・ヒルドイドやアットノン・ケロコートを塗った方が傷跡がきれいになるなんて・・ネット情報もありました。

ウソでしょ。
ひどく目立つ傷跡についてはヒルドイド・アットノン・ケナコルトなどを塗るか塗らないかで差がつくのかもしれませんが、目立たないきれいな傷跡については蛇足ですよね。

やってもいいけど意味がなさそうなことですよね。

六本木境クリニックの眉下切開、40代女性、切除範囲のデザイン
六本木境クリニックの眉下切開、40代女性、手術直後
六本木境クリニックの眉下切開、40代女性、手術9日後、抜糸前
六本木境クリニックの眉下切開、40代女性、手術9日後、抜糸後

眉下切開についてはこちら

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