
六本木境クリニック院長の境です。今回は「眉下くぼみ」について解説します。私の30年近い臨床経験から、眉下くぼみについてどのような症状なのか、くぼみの治療に関するホンネをご紹介していきます。
眉下切開ではまぶたのたるみや厚ぼったさが
ほとんどのケースで解消できる
まぶたのくぼみも改善することが多い二重埋没二重切開や眼瞼下垂手術後の
まぶたの皮膚の乗かっりはほぼ全例改善する https://t.co/SU9Jz4nU4s— 六本木境クリニック (@roppongi_sakai) January 5, 2025
過去投稿でこのような紹介をしました。「くぼみ目に眉下切開は向かない」というのは世間によくある誤解です。実際は逆で、適切に行えば眉下切開・眉下リフトはくぼみ目の改善にも効果的であることが多いです。3000以上眉下切開を行ってきた経験から、その真実をお伝えします。
眉下のくぼみって何?疲れた印象を与える厄介な「くぼみの正体」
眉下くぼみの正体とは?
眉下のくぼみは1つの原因だけで生じることは少なく、さまざまな要因がからんでいることがほとんどです。
一般的にROOF(ルーフ)という浅いところにある脂肪や、皮膚がうすいハーフっぽい人は眉下がくぼみやすいといえます。
脱水でも眉下はくぼみやすいことが知られていますが、体の水分は1日かけて重力でだんだん下に下がります。
朝は顔がむくんで眉下のくぼみが目立ちませんが、夕方には足がむくんで顔はスッキリするけど眉下はくぼみが目立つ傾向があります。
また、まぶたのたるみや眼瞼下垂などによって、おでこの前頭筋に力を入れて眉毛を上げるようになると眉下はくぼむことが多いです。
そして、眼瞼下垂自体により眼瞼挙筋腱膜と眼窩脂肪が奥に引っ込んで眉下がくぼむこともあります。
眼瞼下垂にならなくても、眼窩脂肪は加齢とともに上まぶたから下まぶたへと回転移動するため、目の下のクマやたるみ部分がふくらんでくると同時に眉下はくぼむ傾向があります。
このような変化は本当に老化現象なのでしょうか?年とって何も美容外科手術や施術を受けていなくても目もとが若々しい人もいます。
目まわりをこすると靭帯などの支持組織がゆるむため、まぶたはたるみ眼窩脂肪が上まぶたから下まぶたへと回転移動します。眼瞼挙筋腱膜もいたんで眼瞼下垂にもなりやすいです。
われわれは一度損傷すると元にもどらない不可逆的なものを老化だと思い込んでいることが多いようです。いずれにしても、眉下のくぼみを悪化させないためには目まわりを強くこすらないほうが無難です。
くぼみが「老けて見える」「疲れて見える」理由
お肌や脂肪の水分量が減ったり、まぶたのたるみや眼瞼下垂によってひたいの前頭筋に力を入れ眉毛を上げたり、上まぶたの眼窩脂肪が下まぶたへと回転移動したり、眼瞼下垂で眼瞼挙筋腱膜と眼窩脂肪が奥にひっこんだり・・・
眉下のくぼみが悪化する原因は総じて若い人より高齢者に多いため、眉下のくぼみは老けて見えるといえます。
でも、目まわりをこすることによって靭帯などの支持組織がゆるんでまぶたはたるみますし、上まぶたの眼窩脂肪が下まぶたへと回転移動します。挙筋腱膜もいたんで眼瞼下垂にもなりやすいです。
これらのような不可逆的変化は一度損傷すると元にもどらないから高齢になるほど多いだけで、加齢とともにみんな全員が起こる変化ではありません。
眉下のくぼみは自然な老化現象だとあきらめず、悪化させないためにはまぶたをこすらないように気をつけてください。
また、まるでまぶたがたるんでいる人や眼瞼下垂の人のように、疲れてもおでこの前頭筋に力を入れて眉毛を上げる人が多く、眉毛を上げると眉下はくぼむ傾向があります。
まぶたのたるみや眼瞼下垂も自然に治ることはなく、手術でしか治せないため不可逆的変化だといえます。
その上、前述のように体の水分は重力で下がります。朝ハツラツとしているときに顔がむくんで、夕方は足がむくんで眉下はくぼむ人が多いため、疲れているとき目がくぼんでる人が多いです。
例外の方もいますが、若い人のほうがハツラツとしていて、高齢者のほうが疲れているように見えることが多いです。高齢者のほうが若い人よりもまぶたがくぼんでいる人が多いことも、眉下がくぼんでいると疲れてみえる一因なのかもしれません。
目の下のクマ治療が必要な人なんていないし
ヒアルロン酸や脂肪幹細胞注入を併用しても
脱脂の数年後くぼみ目や奥目になる人が多い
でも相談すると普通の老化と言われるらしい https://t.co/IYPjcyFwCq— 六本木境クリニック (@roppongi_sakai) September 18, 2024
過去にこのような投稿を行いました。目回りはつながってるため、眉下のくぼみと目の下のクマたるみ・ふくらみは相関関係があります
眉下くぼみタイプ別診断〜あなたはどのタイプ?
「目の下にもくぼみ」タイプの治療法
わたくしは目の下にもくぼみがある、いわゆる奥目の治療でもヒアルロン酸・脂肪幹細胞・成長因子FGF入りPRPなどの注入をいきなりすすめることはありません。
ヒアルロン酸や脂肪は動脈塞栓による皮膚壊死、逆行性動脈塞栓による失明や脳梗塞などのリスクがあります。
その上、脂肪幹細胞はどの程度生着するのかだれにもわかりませんし、成長因子FGF入りPRPはどの程度のシコリができるのかだれにもわかりません。
わたくしは、このタイプのくぼみですら眉下切開・眉下リフトでまぶたのたるみが減ると皮膚がテント状にピンとはって目まわりのくぼみが改善することのほうが多いと考えています。
また、このタイプには高確率で目の下クマたるみ治療の脱脂を受けている人が多いですが、静脈麻酔などを使用され逆行性健忘でそのことを忘れているケースがあるため要注意です。
そして、表ハムラや裏ハムラと偽って眼窩脂肪を脱脂している美容外科医が多いことも事態をより複雑化しています。
そのため、目の下手術後の人に眉下切開を行っても術後結果が予測しづらく、中には眉下のくぼみが悪化してヒアルロン酸注入をたくさんやっている先生に紹介した人もいます。
「くぼみがひどい」タイプの治療法
くぼみ目がひどいケースは眼瞼下垂の程度によって治療方針が異なります。
眼瞼下垂がなく「くぼみ目がひどい」タイプの場合にも、わたくしは眉下切開・眉下リフトを第一選択としてすすめています。
この場合も、眉下切開の術後に眉下くぼみのヒアルロン酸注入をたくさんやっている先生に紹介したことがあります
また、ヒアルロン酸・脂肪幹細胞・成長因子FGF入りPRPなどの注入だけ受けてもある程度満足できることもあります。
そして、後から眉下切開を受けても術後にむくみやすいこと以外は手術のやりにくさをあまり感じないことが多いです。
くぼみ目がひどいケースの中には眼瞼下垂である場合もあります。
眼瞼下垂の人にヒアルロン酸・脂肪幹細胞・成長因子FGF入りPRPなどの注入を行うと、まぶたが重くなるため目の開きが悪くなります。
軽症の眼瞼下垂の場合には眉下切開・眉下リフトだけでたるみもくぼみも目の開きも改善する傾向があります。
眉下切開ではたるみや重さが減ります。まぶたの重さは代表的な開瞼抵抗ですから軽度の眼瞼下垂に起因する症状が改善します。
重症の眼瞼下垂に対しては当然ながら挙筋前転法のなど眼瞼下垂手術が適応となります。
この場合ですら、二重付近でまぶたのたるみを切り取る余剰皮膚切除はひかえ目のほうが無難です。
そして、眼瞼下垂手術後に眉下切開を受けると、眼瞼下垂手術の傷跡が二重ラインから上に上がってきて気になることがありますから、眉下切開を先に行うほうがベターだとわたくしは考えています。
「まぶたの皮膚もたるんでいる」タイプの治療法
たるみ取り二重切開や眼瞼下垂の手術のとき、二重付近でまぶたの皮膚のたるみをたくさん切除すると、「不自然な整形顔にされた」なんて言われることになります。
具体的に説明しますと、厚ぼったい皮膚で二重が形成され、いわゆるハム目になったり、目頭の皮膚があまってまぶたの形が悪くなったり、目尻の皮膚があまってたるみやしわが悪化する傾向があります。
また、二重埋没や切らない眼瞼下垂手術でたるみを無理やり二重ラインに折りたたんでも、たるみ取り二重切開や眼瞼下垂手術と似た結果になります。
まぶたの皮膚のたるみは眉下切開・眉下リフトでしかほとんどとれませんから、くぼみ目と同時にまぶたの皮膚もたるんでいる人の第一選択は眉下切開です。
眉下切開は一般に考えられているよりも適応がずっと広い手術です。20代後半以降はまぶたの皮膚がたるんでいる人が多いですが、10代でもアイプチなどで皮膚がのびてしまいまぶたがたるんでいる人もいます。
そして、まぶたの皮膚がたるんでいる人の中には靭帯などの支持組織がゆるんで眼窩脂肪が上まぶたから下まぶたへと回転移動して上まぶたがくぼんでいる人が多いです。
また、まぶたの皮膚がたるんでいる人の多くは、おでこの前頭筋に力を入れて眉毛を上げていますが、このこともくぼみ目の原因となります。
眉下切開のシミュレーションのつもりで眉毛を指で持ち上げると、まぶたのくぼみが悪化するため眉下切開はくぼみ目にむかないと多くの美容外科医や形成外科医から誤解されています。
ところが、眉毛を指で持ち上げても眉下切開のシミュレーションではなくて、眉上切開や前額リフトなど眉毛の上を持ち上げる手術のシミュレーションになっています。
実際、眉上切開や前額リフトなどでは術後にまぶたのくぼみが悪化することが知られています。
眉上切開や前額リフト・額挙上・額縮小などを受けると将来くぼみ目になるかもしれないため気楽に受けてはいけないとわたくしは思います。
その一方、眉下切開では眉下の皮膚のたるみを切除するため、まぶたの皮膚がテント状にピンと張り、たるみとともにくぼみも改善する傾向があります。
しかし、まぶたのたるみが強いタイプの人でも眉下切開後、ヒアルロン酸や脂肪幹細胞注入が得意な先生に紹介したことがあります。
前述の話と矛盾しますけど、若い頃からうすいまぶたのくぼみ目では、たるみ取り二重切開や眼瞼下垂の手術などで二重付近の皮膚をひかえめに切除したり、二重埋没や切らない眼瞼下垂手術でたるみを少し折りたたんである程度いい結果になることもあります。
そのような二重付近のたるみ治療で満足されるケースには共通点があります。それは、ほぼ全員が二重幅を狭く奥二重ぎみに手術されているということです。
気をつけて!くぼみ目に眉下切開、眉下リフトはNGという誤解
くぼみ目に対する眉下切開・眉下リフトを否定している医師は、実際には、くぼみ目に対して眉下切開をやったことがないのでしょう。
指で眉毛を持ち上げるような眉下切開のシミュレーションをした場合、まぶたはくぼむ傾向にあって、元からくぼんでいる人はさらにくぼみが強調されがちです。
そのため、くぼみ目に対する眉下切開を避けてきたのだと思われます。
でも、実際の眉下切開では、まぶたの皮膚を切り取って縫うため、皮膚が少なくなってまぶたがテント状にピンと張り、いわゆるテンティングするため、まぶたのくぼみが軽減します。
くぼみ目に切らない眼瞼下垂の手術には注意が必要
切らない眼瞼下垂の手術は埋没法の変法のようです。
本来、まぶたの一番大切な機能とは目を守ることです。
埋没法・切らない眼瞼下垂の手術や結膜側のアプローチの手術では、上まぶたの裏側に手術操作が及んだり、まぶたの裏側にひずみが出たりするため「目に良いわけではない」と眼科の先生方も言われています。
理想的な上まぶたの裏側の形状は、眼球とジャストフィットする形だと言います。
この形がひずんだりすると、涙液の流れが滞ってばい菌が増えやすかったり、痛みや違和感が出たり、視力に影響が出ることすらあるそうです。
では・・上まぶたの結膜側がひずむことと、下まぶたの結膜側の手術操作と何が違うのでしょうか?
たとえば、下まぶたのアンチエイジング手術として広く行われている経結膜脱脂、下まぶたの裏側を切って脂肪を取る方法とは何が異なるのでしょうか?
上まぶたは、下まぶたとは異なって目の中心部を越えて下までカバーするため、目の一番大切な正面部分を覆う役割があります。
そのため、上まぶたの裏側がキズついたり、ひずんだリすると下まぶたよりもずっと深刻な症状が出やすいようです。
長くなりましたが、わたくしはくぼみ目はほとんどの場合、眉下切開・眉下リフトで改善できると考えています。
ボトックスでまぶたが下がる・たるむケース
前額リフトでくぼみが目立つケース
ボトックスはリフトアップされた状態で留めるものではなくて筋肉を弱めるため基本的に下がります。
そして、おでこのボトックスを打って眉毛が下がるとくぼみにくくなりますから、打ちかたを工夫するとくぼみ目を改善できるはずです。
でも、まぶたは下がるためたるみは悪化しますから、まぶたのたるみやくぼみの良い治療とはいえません。
そして、ボトックスでまぶたが下がった・たるんだ・重いなどの不具合が生じて施術医に相談すると、しばらく打たなければ元にもどるといわれます。
もちろん打たなければ、だんだん元に近い状態にもどる傾向がありますけど、完全に元にもどるわけではありません。世間ではプチ整形とされているボトックスも気軽に打っていいものではないと思います。
また、前額リフト・額挙上・額縮小などや眉上切開のように眉毛を上方移動させる手術は前述の眉毛を指で持ちあげるシミュレーションと似た結果になりますから、まぶたはくぼむ傾向があります。
前額リフト・額挙上・額縮小などの手術は一般に剥離範囲が広く侵襲が大きいため、痛み・出血や腫れなどのダウンタイムDTやリスクなどが問題となります。
そして、生え際が変になったりしますし、ひたいや頭皮のしびれ・傷み・かゆみなどの知覚異常が必発です。
そのため、眉下切開・眉下リフトのほうを優先させるべきで、眉毛を上方移動させて眉毛と目の距離を長くしたい・眉下を広くしたい人以外には前額リフト・額挙上・額縮小などの適応はないと考えられます。
くぼみ目に二重切開や埋没法はなぜ不向き?
例外的に、10代や20代前半でまぶたのたるみがほとんどないくぼみ目やうすいまぶたなどでハーフっぽい人は、二重埋没でも二重切開でも比較的よい結果になりやすいといえます。
このタイプのまぶたの若い人だったら二重切開では二重付近で皮膚をあまり切り取らず、二重埋没でも切開でも幅広並行型二重のように不自然な目を目指さなければほとんどの人でいい結果になるはずです。
そして、二重埋没でもゆるみにくいため二重切開ではなく埋没をおすすめします。流行や気分が変わったとき抜糸したら元に近い状態にもどしやすいですから。
しかし、年齢が上になればなるほどまぶたのたるみがあります。まぶたのたるみを二重ライン付近でたくさん切り取ることになり不自然な結果になりやすく、二重埋没でたるんだ皮膚を二重ラインに無理やり押し込めても不自然でゆるみやすいといえます。
眼瞼下垂がある人は挙筋前転法など眼瞼下垂の手術を受けるとくぼみ目は改善することが多く喜ばれます。
しかし、眼瞼下垂の手術でも二重ライン付近でたるみをたくさんとると独特な整形顔になったり目尻のたるみやしわが悪化します。
まぶたのたるみを十分スッキリさせるためには、やはり眉下切開・眉下リフトが必要です。
眉下切開で「くぼみ」はどう改善される?症例写真と患者様の声
くぼみ目は眉下切開・眉下リフトで悪化すると他院何件かで言われましたが、六本木境クリニックでは良くなることのほうが多いとまったく違うことをいわれました
手術を受けてまぶたのたるみはほぼ感じなくなりくぼみも減ったので大満足でした。境先生を信じてよかったですといった意見は本当に多く、くぼみも眉下切開で改善できることが多いようです。
30代後半からまぶたのたるみとくぼみがとても気になる(大阪在住・40代女性)
くぼみ目の大阪在住40代女性からの眉下切開・眉下リフトに関する相談メールがありました。
【患者さん】
母親もまぶたがひどくくぼんでいて、
そのためもあってか、
わたし自身も30代後半から
まぶたのたるみとくぼみが
とても気になるようになりました。
それで、さんざんネット検索して、
眉下切開と東京の六本木境クリニックを知りました。
でも、大阪から東京に行くのも大変なので
とりあえず、大阪のクリニックに
相談にいくことにしました。
大手チェーンではなく、
技術で売っている感じの
形成外科系の美容外科クリニックに
相談に行ったところ・・
「眉下切開はくぼみ目には向かないし、
傷跡がひどく目立つことがあるので
あまりおすすめしない」
と言われ・・
切らない眼瞼下垂の手術を
すすめられました。
でも、どうも・・
ただの埋没のように思えて・・
見合わせました。
ちなみに、このクリニックでは
まぶたの皮膚を切る方法だと保険適応で
眼瞼下垂の手術ができるそうです。
「でも、切りたくないでしょ」
とあおっておいて・・
高額の自費手術である切らない眼瞼下垂を
すすめる作戦のようでした。
似た話を毎日のように聞きます。眉下切開はツリ目になるから目頭切開や目上切開・二重埋没二重切開や眼瞼下垂手術と併用したほうがいいとか、眉下切開は傷跡が目立つし眼瞼下垂手術のほうが二重ラインの溝にキズがかくれて無難ですよなど・・
これらの意見はすべて同じことをいっています。切って縫う皮膚切除・縫合の技術に自信がないから眉下切開ではなく他の手術をすすめる、一番自分から見えてクレームになりやすい眉頭を切ることができないから外側にひっぱられてひきつれる、それを他の手術を同時に行って自作自演のようにごまかすということらしいです。
また、美容外科は客観的にいい結果でも受け入れられるとは限りません。受ける人の主観との戦いのため超絶きびしい分野です。眉下切開のような切る手術より、埋没や切らない眼瞼下垂のほうが抜糸すると元に近い状態にもどせるため勧めやすいといった側面もありそうです。
まぶたのたるみとくぼみ目相談(40代)
六本木境クリニックの眉下切開を友人が受けていて傷跡はまったく見えず仕上がりも自然だったので自分も受けたかったのですが、何度も電話したけど全く予約できませんでした。
早くなんとかしたかったので有名美容外科医に相談したところ「眉下切開は傷跡目立つから」とたるみとり二重切開(保険の眼瞼下垂手術その他)をすすめられました。
「パッチリするよ」なんて言われたけど、整形顔になっただけ。その上、だんだんまぶたが乗っかってきて、もともと一番気になっていた目尻のたるみやしわは悪化したので全く無駄でした。
なんと、同じ日にほぼ同様の経緯で他院で受けた手術がとりあえずのたるみ埋没で不自然になった人と他院眉下切開で傷跡が目立ってひきつれた人も来られました。
このようなケースは二度手間どころか、何度修正しても最終結果が悪いからはるかにたちが悪いと言えます。
たるみ取り二重切開、眼瞼下垂手術その他のように二重ラインで切開されていると、後から眉下切開しても目頭側の皮膚のあまりと目尻側の皮膚のあまりである目尻のしわ・たるみの改善が悪く、二重の切開線が二重ラインより上に上がってきて目立つこともあるため満足度が低いです。
その上、結果が読みづらいためひかえ目な皮膚切除になりがちです。当院で眉下切開2回目を受けられるかたは1%ですが、もう一度眉下切開を受ける可能性があります。
とりあえずの二重埋没を受けられたかたは若い人の埋没と比較すると、たるみを無理やり二重ラインに折りたたんでごまかす手術ですから不自然でゆるみやすく満足度が低いといえます。
眉下切開をひかえ目に行うことは可能ですが、埋没の糸が移動して気に入らない目になる可能性があります。気に入らない場合には埋没抜糸することになり、その場合はまたたるみが気になるようになります。
そして2回目の眉下切開を希望される可能性もあります。
まぶたのたるみやくぼみの状態によっては埋没抜糸してから眉下切開を行うほうが無難ですが、埋没抜糸して腫れが引くのを待ってからのほうがいいと思います。
理想的には埋没抜糸の3ヶ月後に眉下切開の手術をするのが良いと思いますが、1ヶ月も待てば手術自体は問題なく行えると思います。
早めに眉下切開を行った場合には、埋没抜糸の傷跡が二重ラインの上に移動して気になることがありますが、そのような小切開が長期的に目立つことはほとんどありません。
他院眉下切開の修正もなかなか大変です。傷跡やまぶたの状態から手術の皮膚切開法や縫合法を想像しながらの修正になりますから、なかなか思い通りになりにくいです。
美容外科手術を何も受けなければ手遅れなんてありませんから、何も受けずに先延ばしすることが一番ひどい目にあいません。
これが「眉下くぼみ」Q&A〜患者様からの素朴な疑問
目がくぼみやすい人はどのような人ですか?
もともとまぶたの皮膚やROOF(ルーフ)という浅い脂肪がうすくてハーフっぽい人で、まぶたをよくこする人ですね。花粉症やアトピーなどアレルギー体質の人もふくみます。
また、眉毛を無意識に上げる人のほうがくぼみやすいです。
そして、見落としがちなのは目まわりがつながっているということ。目の下クマたるみ治療の脱脂を受けている人はくぼみやすいです。
おどろくべきことに表ハムラ・裏ハムラなどのとき眼窩脂肪を脱脂する美容外科医や形成外科医がいますから、他の目の下手術も要注意です。
目のくぼみは自分で治すことができる?
マッサージなどで改善することは絶対にありません。むしろ、まぶたを強くさわると内部構造が破壊され靭帯などの支持組織がゆるみますから、まぶたはたるむしくぼみます。
目まわりはつながっていますから、上まぶたの眼窩脂肪が下まぶた方向へと回転移動して目の下のクマやたるみが悪化してふくらみ、上まぶたはくぼんでしまいます。
さらに眼瞼下垂になると、眼瞼挙筋腱膜とともに眼窩脂肪もより奥に引きこまれますから、もっとくぼみ目が悪化します。
目のくぼみを自力で確実に治す唯一の方法は眉毛を上げないことです。無意識に上がる人は意識してあげないように気をつけてみてください。それだけでも必ず改善傾向があります。
もちろん水分摂取に気を付けるだけでも多少くぼみが軽減すると思います。
目のくぼみは保険適用で治せますか?
保険適用の眼瞼下垂手術でも目のくぼみは減ると思います。でも、保険診療の形成外科では微妙な左右差や仕上がりにまでこだわる人は手術を受けないでほしいと思っている医師が多いです。
本来、保険適応は完全に病気である重症の眼瞼下垂症にしか適用できませんから、それを逸脱するような形成外科医はルール違反をしているだけです。
いずれにしても、美容目的である目のくぼみ治療を保険適用で行うことはおすすめしません。
目のくぼみにアイクリームは効果がある?
もちろん保湿という意味合いでは少し効果があるのかもしれませんが、通常の基礎化粧品だけでも全く問題ないと思われます。
むしろ、アイクリームを使用することによって目をさわる回数が増えるため、使用したほうが逆効果の可能性があります。目はさわればさわるほどたるんだりくぼみますから、極力さわらないに越したことはないです。
目のくぼみにマッサージは効果がある?
前述のように目のくぼみがマッサージで改善することはありません。一時的にそう見えたとしてもただ腫れているだけですからすぐもどります。
それどころか内部構造が破壊され靭帯などの支持組織がゆるむため、まぶたがたるみます。その結果として、くぼみ目が悪化することが多いです。
その機序としては、まぶたのたるみや眼瞼下垂が生じるとおでこの前頭筋に力が入り眉毛を上げるようになります。眉毛を上げると目はくぼむ傾向があります。
また、深部の靭帯などの支持組織がゆるむと、眼窩脂肪が上まぶたから下まぶた方向へと回転移動しますから目がもっとくぼみます。
眼瞼挙筋腱膜がゆるんで眼瞼下垂になると挙筋腱膜とともに眼窩脂肪も奥に引きこまれますから目がさらにくぼみます。
目がへこむのは疲れのせいですか?
疲れると目を見開くよりおでこの前頭筋に力を入れて眉毛ごと上まぶたを上げるようになるため目がへこむ傾向があります。
でも、目のへこみが疲れて見えるという側面もあるのかもしれません。
朝起きたとき顔がむくんでいるけど、夕方は足がむくむように1日を通して水分は重みで下がって行きます。朝のほうがハツラツと見え、夕方は疲れて見える人のほうが多いためそう見えるのかもしれません。
また、まぶたのたるみやくぼみ目は、まぶたをこすることによっても靭帯などの支持組織がゆるんでまぶたがたるんだり、眼窩脂肪が上まぶたから目の下へ回転移動してくぼみ目が悪化します。
中には眼瞼挙筋腱膜がゆるんで眼瞼下垂になる人もいます。眼瞼下垂になると挙筋腱膜とともに眼窩脂肪が奥にひきこまれるため、さらにくぼみ目になる傾向があります。
その上、前述のように、まぶたのたるみや眼瞼下垂になると、ひたいの前頭筋に力を入れて眉毛を上げるようになるため更にくぼみ目になります。
これらの現象は不可逆的変化といって一度起こると手術などでしか改善しませんから高齢になればなるほど程度がひどい人がたくさんいるわけです。そのため加齢による老化現象と混同されることが多く、高齢者ほど疲れて見えるということもあるかもしれません。
まとめ|眉下くぼみの治療は眉下切開が適しています
眉下のくぼみ治療は眉下切開・眉下リフトから行うほうが良いとわたくしは考えています。その理由ですが、眉下のくぼみがある人のほとんどはまぶたのたるみがあるため、ひたいの前頭筋に力を入れて眉毛を上げています。
また、そのような人の大半は深部の支持組織もゆるんでおり、眼窩脂肪が上まぶたから下まぶたへと回転移動しています。いずれにしても眉下切開の良い適応です。
問題は眼瞼下垂の有無です。眼瞼下垂がない人は当然ながら眉下切開の適応ですし、もしあったとしても軽症でしたら眉下切開だけで改善することが多いです。
重症の眼瞼下垂がある場合だけ挙筋前転法などの眼瞼下垂の手術を先に行うかどうか迷うところですが、眼瞼下垂の手術が先で後から眉下切開を行うと二重の上に眼瞼下垂手術の傷跡が上がってきて気になることがあることと目尻のしわやたるみの改善が悪いです。
以上の理由によりわたくしは重症の眼瞼下垂でも眉下切開が先のほうがいいと思っています。そもそも眼瞼下垂手術のついでに二重ライン付近でまぶたの皮膚のたるみを切除すると整形顔になりやすく、まぶたのたるみは眉下切開でしかとることができません。
眉下がくぼんでいる人に眉下切開を行うことの欠点は、まぶたが厚ぼったい人よりも比較的に傷跡が目立ちやすいことです。
厚ぼったいまぶたの場合、中縫いを遠慮なしに強く縫えるため傷跡が早期から目立たないことがほとんどですが、くぼみ目では強く縫ってくぼみが悪化すると叱られますから控えめに縫わざるをえないケースもあります。
また、重症の眼瞼下垂以外のくぼみ目の場合、後からヒアルロン酸などの注入をおすすめすることもあります。その場合もリスクがあるため、上まぶたのヒアルロン酸に慣れた美容外科医のクリニックを紹介しています。