ヒアルロン酸注射は、比較的手軽に受けられる一方で、施術方法や注入部位によっては、不自然な仕上がりやトラブルにつながることがあります。
本記事では、院長の境が、後悔につながる原因や部位ごとのリスク、失敗を避けるためのポイントを解説します。施術を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ヒアルロン酸注射で後悔するケース

他院でヒアルロン酸注射を受け、当院へご相談にいらした患者様からよく寄せられるお悩みをご紹介します。

思った以上にむくむ・膨らむ

ヒアルロン酸は、水分を保持する働き(保水力)が強いため、注入後に予想以上にむくみや膨らみが生じることがあります。普段は気にならなくても、「起床時」や「体調が優れない時」など、一時的に強いむくみが現れることも珍しくありません。

時間が経って見た目が変化する

一般的に、ヒアルロン酸は「体内に吸収されてなくなる」と思われていますが、実際は周囲に被膜ができる(カプセル化)ことで、吸収されずに残り続けることがあります。長期的に見ると、その重みによって皮膚が下垂し、たるむことがあるのです。早い方では、施術直後から顔のたるみが気になり始める方もいらっしゃいます。

【部位別】ヒアルロン酸注射で起こりうる想定外の変化

額へのヒアルロン酸注射

おでこのしわの改善や、丸みのある美しいおでこを形成する目的で行われます。ただし、ヒアルロン酸には水分を抱え込む性質があるため、多量に注入するとまぶたがむくみやすくなり、顔全体が大きく見えることがあります。

こめかみへのヒアルロン酸注射

こめかみのくぼみを改善し、若々しい印象を与える目的で行われます。しかし、ヒアルロン酸の強い保水力により、注入後に想定以上のむくみが生じることがあります。たとえ適量と思われる量を注入した場合でも、目尻の外側が膨らみ、顔のパーツが中心に寄った「求心顔」に見え、お顔全体が大きく見えることもあります。

頬へのヒアルロン酸注射

コケやくぼみを目立ちにくくし、ふっくらさせることができます。その一方、ヒアルロン酸の保水力によって頬が外側に向かって大きく膨らみ、顔が大きく見えてしまうことがあります。

ほうれい線へのヒアルロン酸注射

ほうれい線のしわが薄くなって若々しい印象になる一方で、口周りが不自然に膨らんで見えたり、口横のもたつき(口横のポニョ)が目立ったりすることがあります。時間の経過とともに下垂し、マリオネットラインの悪化やフェイスラインの崩れにつながる可能性もあります。

目の下へのヒアルロン酸注射

目の下のくぼみやクマを改善する目的で行われますが、笑顔になったときに目の下の内側がボコッと膨らむことがあります。また、目の下の凹凸がなくなりすぎると、かえって目が小さく見え、中顔面(目の下から口元まで)が間延びして見えることも少なくありません。さらに、この部位は、注入物がしこりになりやすいです。

ヒアルロン酸注射で後悔する原因

  • 注入量が多すぎる
  • 注射する回数が多かったりずーっと注射を続ける
  • 部位や状態に合わない注入をする
  • 仕上がりイメージにズレがある
  • 医師の経験や技術によって仕上がりに差が出る

一般的に、ヒアルロン酸注射で後悔する原因は、上記のような「医師の技術不足」や「注入量の誤り」が原因だと考えられがちです。しかし、実際の原因はもっと根深いところにあります。

多くの人が不満を感じる本当の理由は、技術や量ではなく「ヒアルロン酸特有の性質」によるものです。繰り返しになりますが、ヒアルロン酸は保水力が非常に強いため、想定以上にむくみます。また、体内でカプセル化すると長期間溶けずに留まり、その重みで皮膚が下がって、予期せぬたるみの原因になってしまうのです。

あらゆる美容医療において、仕上がりは執刀医の経験や技術に大きく左右されます。ところがヒアルロン酸注射においては、この分野で著名な医師自身も、注入を繰り返すことによる特有のお顔立ち(いわゆる「ヒアル顔」)になってしまっているケースが珍しくありません。

これは、いかに経験豊富で技術のある医師であっても、ヒアルロン酸の長期的な経過を正確に予測・コントロールするのは困難であるという事実を示唆していると考えます。

ヒアルロン酸注射の副作用・リスク

ヒアルロン酸注射は、仕上がりの問題だけでなく、副作用や合併症についても理解して受けることが大切です。

よくみられる症状として、腫れ・内出血があります。これらは時間とともに改善することが多い一方で、施術から時間が経った後でも、体調不良によって、むくみや圧迫感が気になることがあります。

さらに、重大なリスクとして決して忘れてはならないのが「感染」と「アレルギー反応」です。万が一これらの合併症が生じた場合、ヒアルロン酸溶解注射を打って対処するしかありません。

また、動脈塞栓が起きた場合は皮膚の壊死、逆流性動脈塞栓では失明や脳梗塞などの重大な合併症につながる可能性もあります。

ヒアルロン酸注射で後悔しないためのポイント

必要以上に注入しない

個人的には、「できるだけ打たないこと」が大事だと考えています。勤務医時代には、1日に10名くらいの患者様にヒアルロン酸を注入していた時期もありました。しかし、年々ヒアルロン酸注射の弊害やリスクに気づき、現在は数年に1人程度しか注入していません。不自然なシコリになって悩んでいる人も大勢いらっしゃいますから、気楽に打っていいものではないと思っています。

メリットだけでなくリスクも確認する

むくみや経年変化だけでなく、まれに起こり得る失明や脳梗塞などの重篤な合併症についても、施術前に正しく理解しておくことが大切です。手軽で簡単な施術というイメージだけで判断せず、「リスクを理解したうえでも受けたい治療なのか」を、慎重に考えることが大切です。

症例や経験を確認して医師を選ぶ

どうしてもヒアルロン酸注射を受けたい場合は、症例数が多く、必要以上に多く注入しない医師を選ぶことが一つのポイントです。リスクに関する十分な説明を行わず、安易に施術をすすめるような医師は、万が一のトラブルが生じた際の対応に不安が残るため、おすすめできません。

当院へご相談にお越しいただいてもかまいませんが、患者様からのご希望であっても、安易に注射を行うことは一切ございません。あらかじめご理解いただいた上で、ご来院ください。


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ヒアルロン酸に頼らない、当院が推奨する代替案

額(おでこ)のシワには「眉下切開」

おでこのシワに悩まれている人は、意外かもしれませんが「眉下切開」が適応となる場合があります。まぶたのたるみを取り除くことで、目を開ける際の筋肉の緊張が解け、おでこがなめらかになる効果が期待できます。

こめかみのくぼみには「溶けない糸リフト」

こめかみにヒアルロン酸を注入して膨らませるのではなく、「溶けない糸」で頬のたるみを上方へ引き上げ、お顔のバランスを整えながらくぼみを緩和するアプローチが有効です。

頬のコケには「溶けない糸リフト」

こめかみと同様に、「溶けない糸リフト」で、顎まわりのたるみを上方へ移動させ、頬のコケ部分に自己組織を充填させる(補う)方法が効果的だと考えます。

ほうれい線には「溶けない糸リフト」による引き上げ

「溶けない糸リフト」で、ほうれい線やマリオネットラインのたるみを引き上げる方法を当院では推奨しています。ほうれい線からマリオネットラインまでが繋がったシワは老けた印象を与えますが、少し短くなるだけでもお顔全体が劇的に若々しい印象になります。

目の下のクマ・くぼみには「裏ハムラ法」または「控えめな脱脂」

解剖学を熟知した(表ハムラ法にも精通している)医師による「裏ハムラ法」や「控えめな脱脂術」がおすすめです。
なお、脂肪注入による改善は、ヒアルロン酸と同様のリスク(膨らみ・しこり等)があるだけでなく、脂肪の定着率には、個人差があります。「全く効果を感じなかった」という人から「顔が大きくなった」という人まで、ヒアルロン酸以上に仕上がりのバラツキが出やすい印象があるため、当院では推奨していません。

まとめ|ヒアルロン酸注射は「手軽さ」だけで選ばない

ヒアルロン酸注射は、アレルギーや感染だけでなく、失明や脳梗塞などの合併症もあります。また、カプセル化して溶けず、だんだんむくんで重みで下がっていきます。比較的リスクが高く、思った通りになるわけではありませんから、できれば打たないに越したことはありません。どうしても打ちたい方は、量も回数も少なければ少ないほうがいいと思います。

眉下切開やスプリングスレッドについてのご相談は、カウンセリングで承っております。


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