紡錘形切除では、 直線状の傷あとになります。
紡錘形切除はほとんど
ホクロやアテローマなどの小さな皮膚腫瘍切除に使用されています。
ホクロやアテローマなどは 基本的に円や球に近い形をしています。
そのため、しわに平行・筋肉に垂直という 方向に合わせることが可能です。
また、そんなに大きく皮膚を切除していませんし・・
円や球のような周りの組織を押しのけて 増殖するような良性腫瘍ですと、
例えその部分を切り取っても 大きな皮膚欠損にはなりえません。
そのため縫合時の創縁にかかる張力は
非常に小さいことが多いです。
しかし、刺青(タトゥー)切除の場合には、
しわに平行・筋肉に垂直にすることはまずできません。
しかも、極小さな刺青(タトゥー)除去や
細長いもの以外では創縁にかかる張力は そこそこ強いと言えます。
この場合には幅広い傷跡かケロイド状の傷跡(肥厚性瘢痕)となります。
しかし、紡錘形切除のほとんどは小さく丸い病変に対して行われていますので、
医者でも紡錘形切除は直線状になると言う先入観が大変大きいことは間違いありません。
良性腫瘍などの小さく丸い病変に対して紡錘形切除を行っても
かかる張力も強くなければ、 傷あとの幅が狭くて
きれいになる有利な方向に合わせることもできます。
紡錘形切除は刺青やタトゥーの切除には向かない手術手技です。