眉下切開で溶ける糸?

眉下切開で溶ける糸・溶けない糸と言う話

六本木境クリニック質問メールがとても多く、当院の施術で眉下切開・眉下リフトが最も多いので、眉下切開の質問メールが一番多いです。

そして、その中には「溶ける糸縫ってほしい」と言うものがたくさんあります。また、質問メールだけでなく、眉下切開のカウンセリングでも同様の質問はかなり多いです。

眉下切開を溶ける糸で縫うと抜糸がいらない?

その中には「眉下切開・眉下リフトのとき、溶ける糸で縫うと抜糸がいらないのでしょうか?」という質問が多いのですが・・

眉下切開で溶ける糸を使ったとしても「抜糸がいらない?」という話ではありません。

この場合、あくまで真皮縫合皮下縫合などの中縫いの糸溶けるものを使うと言う意味です。

抜糸できない皮膚の下の糸の話であって、外側の皮膚縫合に溶ける糸を使うことはできません。

反応しないものは溶けようがありませんから、溶けると言う意味は反応が強いから溶けると言うことです。

皮膚に強い反応が起こると糸のところが赤く変色して、だんだんと黒っぽい茶色の色素沈着になります。

外側に溶ける糸を使うと、ちょうどフランケンシュタインの傷跡やムカデの足のような雰囲気、ゲジゲジした傷跡となって長い間目立つことになります。

今回は溶ける糸で眉下切開の中縫い・下縫いを行うメリットデメリットを溶けない糸と比較して詳述したいと思います。

その前に、眉下切開の中縫い・下縫、眉下切開の皮下縫合・真皮縫合などについてお話しさせてください。

眉下切開直後の画像、六本木境クリニックでは、眉下切開の皮膚縫合は半透明うすいブルーのナイロンです。ひとの皮膚は血の気があって赤みを帯びていますし、キズは血液で赤みを帯びています。補色に近いからでしょうか?いろいろ試してみましたけど、この糸が一番目立ちませんでした。

眉下切開の真皮縫合の真実

そもそも、毛包斜切断法で真皮縫合を強くかけると、うすい方の皮膚が重なるように創縁に乗りあがってしまい、仕上がりが階段状の傷跡となってしまいます。

そのため、毛包斜切断法による眉下切開では真皮縫合を強くかけることができません。

わたくしは眉下切開眼輪筋の折り畳み縫いを行うようになってから、さらに、どんどん真皮縫合を強くかけないようになりましたし、どんどん真皮縫合が深くなりました。

 

わたくしの眉下切開では真皮縫合を控えめにかけているつもりだったのですが、見学の先生から「先生、真皮縫合かけないんですね?」って言われたんです。

実はそのことも少し違っていて、わたくしの眉下切開では真皮に少しかけたりかけなかったりしながら、眼輪筋の折り畳みを行っています。

すなはち、真皮縫合よりも眼輪筋の折り畳み縫いを重視しているということです。

ケロイドの手術で世界的に有名な日本医科大学形成外科の小川主任教授は、真皮縫合よりも筋膜を縫いよせることのほうが大切だと講演で言われていました。

眉下切開の傷跡を目立たせないコツはケロイドの手術と相通ずるものがありそうです。

もちろん、真皮に少しでも糸をかける場合、毛根に糸をかけないように拡大鏡でよく見て注意しながら真皮縫合を行っています。

眉下切開で真皮縫合や眼輪筋の折り畳み縫いなどの中縫いをかけないとどうなるのか?皮膚科専門医の先生から質問されましたが、

中縫いをかけなかったり、中縫いが上手くいかないと肥厚性瘢痕と言って、赤黒く盛り上がったケロイド状の傷跡になるか、溝状の傷跡となることが多いようです。

外傷後の肥厚性瘢痕、眉下切開で肥厚性瘢痕になる可能性がわずかでもあるのでしたら、眉下切開を受ける人なんて絶対にいません。

他院眉下切開後相談で気付くこと

そもそも、お顔に強く真皮縫合をかけるとほぼ永遠にくぼみが残ってしまいます。

他院眉下切開後修正相談で一番多いのは傷跡が目立つと言うこと、二番目がまぶたがひきつれて変な線が入っていることです。

そして、三番目に多いのが、でこぼこですが、眉下切開後のでこぼこドッグイヤーによるものもありますが、真皮縫合がきつい場合のほうが多いようです。

他院眉下切開後修正相談

  • 傷跡がめだつ
  • まぶたのひきつれ
  • ドッグイヤー
  • 真皮縫合が強い

有名クリニックで受けた眉下切開後にでこぼこが治らないと言う写メ画像付きのメール相談が送られて来たのですが、

そのまぶたの状態があまりにもひどくて、ビックリだったんですけど、何と2カ月後に初診で受診されたときも全く同じ状態のままでした。

眉下切開真皮縫合を強くかけすぎているようでした。眉毛の下に規則正しいくぼみがあって、まるでイモムシのお腹のように見えました。

何と、眉下切開で検索すると上位に出てくる形成外科系美容外科専門医の有名な先生執刀だったんですよね。

そして、何と何と・・同じ先生のところで手術を受けた全くソックリな眉下切開後修正相談がまた来たんですよね。

「懲りないね」って言う話ではなくて、手術って何か変わったことをやってみてもすぐに結果が出ませんので、

最初に手術を受けた人を半年後くらいに診察してみて、ひどい結果に終わらない限り・・医者がその方法をやめることを決断できません。

そのため、半年何十人がずーっと同じような失敗で苦しむことになります。

眉下切開の中縫い・下縫いを溶ける糸で行うデメリット

眉下切開のように、そこそこきれいな傷跡でも目立つ部位の手術の場合には、他の部位と同じように考えてはいけません。

他の部位では90点取れると合格ですが、眉下切開では99点でも受けた人からは不合格と思わることがあります。

いかに加水分解されるまで長い期間を要する糸であったとしても、溶ける糸では抗張力(張力に抗する力)がそんなに長持ちしないので、真皮縫合を強めにかけざるをえません。

そうすると、前述のデコボコが生じます。形成外科の世界ではお顔に真皮縫合を強くかけてくぼむとデコボコが長期間残りやすいことは常識です。

まぶたにいたっては、少しでもくぼみが残るとほぼ永遠にくるしむことになります。

 

眉下切開の中縫い・下縫いを溶ける糸で行うメリット

眉下切開で中縫いに溶ける糸を使うメリットですが、やはり例のアレです。「溶けますよ。安全ですよ。体の中に余計なもの(異物)を残したくないでしょ!」と言う耳障り宣伝文句としてすぐれていると言うものです。

どこかで聞いたことがありますよね。そうです。スプリングスレッド溶ける糸との戦いで、常に苦戦していることとソックリですよね。

六本木境クリニックの眉下切開では5-0白ナイロンで中縫いを行い、7-0半透明青ナイロンで皮膚縫合を行っています。

結局、眉下切開の中縫い下縫いは溶けない糸が正解

わたくしは眉下切開溶ける糸は論外だと思っています。昔から溶ける糸で中縫いをすると溶けない糸よりも傷跡が格段に目立つことが分かっていました。

眉下切開で傷跡が目立つことが圧倒的に一番大問題ですので、他のことには多少目をつむるべきだと言えます。

刺青・タトゥー切除後の肥厚性瘢痕、真皮縫合などの中縫いに溶ける糸を使用した方が、溶けない糸を使用する場合よりも肥厚性瘢痕になる可能性が高いことは昔からよく知られている。眉下切開で肥厚性瘢痕になる可能性が少しでもあれば、誰も眉下切開を希望しないですよね。

 

眉下切開についてはこちら

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