刺青・タトゥー除去の適応の話

刺青・タトゥー除去の宣伝は最新のピコレーザー一色

最近、刺青・タトゥー除去をネット検索すると、ピコレーザー・ピコレーザーって・・最新のレーザーの宣伝文句ばかりになってしまいました。

何でも技術が進んで最新になることはとても良いことですが・・最新のレーザーの宣伝文句は目を覆わんばかりのものが並んでいます。

早く・無傷で・完全・除去・完全に消す刺青やタトゥーをなかったことに・など・・どれを1つとってもウソですよね。医療広告規制ってどこに行ったのでしょうか?

ピコレーザーによる刺青・タトゥー除去症例がとても多い東京都内のクリニックの先生が学会のシンポジウムで「早く・無傷で・完全・除去・完全に消す」は無理だと初診の時に説明していると言われていました。

刺青・タトゥー除去がレーザーと切除の二者択一である理由

そして、昔から・・刺青・タトゥー除去の分野はレーザーか切除か、切るか切らないかのような・・あたかも二者択一であるかのような表現が用いられることが多いように思います。

おそらくこれら2つの施術(刺青・タトゥーの切除とレーザーによる除去)はできる医師が多いので、そのような論調になることが多いのだと言えます。

レーザーによるタトゥー・刺青除去は医師だったら100%全員ができるでしょうし、切除(切って縫い縮めること)は外科系の医師だったらほぼ100%全員ができるでしょう。

刺青・タトゥーの植皮と削皮・剥皮について

たとえば、植皮(皮膚移植術)になりますと、まともにできる医師は10人に1人もいないかもしれませんし、削皮・剥皮(皮膚剥削術)に至っては、まともにできる医師は100人に1人もいないかもしれないですよね。

そのために、宣伝で苦戦を強いられることとなり、削皮・剥皮刺青・タトゥー除去の分野ではどうしてもマイナーなあつかいとなってしまいます。

受ける側の立場に立って刺青・タトゥー除去の適応を考える

刺青・タトゥーレーザー・ピコレーザーの適応

でも、受ける側の立場に立って、刺青・タトゥー除去治療について考えてみると、それぞれの施術の適応の広さは真逆に近いものでしょう。

従来のレーザーで受ける人が満足できるレベルまで刺青やタトゥーを除去治療できるような人は10人に1人もいないかもしれません。最新のピコレーザーでも10人に2人程度かもしれないですよね。

でも、最新のピコレーザーはすごいのかもしれません。手術しなくても刺青・タトゥー除去治療ができる人が少数派でもいるということはとても価値があることだと思います。3割バッターが価値があることと一緒です。

刺青・タトゥー切除の適応

でも、大きな刺青やタトゥーの切除ができる医師は、受ける人にとって迷惑なだけなのかもしれません。切除は受ける人も医師も勘違いしているのですが、ごく小さな刺青やタトゥーの除去にしか適応できないのです。

大きな刺青・タトゥー切除はいろいろなリスクがあって危険ですし、後遺症が残りやすいので良い治療ではありません。

その証拠にガンやケガではある程度大きな皮膚欠損は植皮や皮弁で再建します。

そうしないと赤黒く盛り上がった幅広い目立つケロイド状の傷跡(肥厚性瘢痕)になってしまいますよね。形がいびつにひずむし、引き連れて痛みや違和感が残る人もいるくらいです。

刺青やタトゥーの除去ですと、自業自得だからどうでもいいのでしょうか?受ける人が満足できるような刺青・タトゥー切除はごく小さなものに限られます。

刺青やタトゥーの切除と植皮との関係

刺青やタトゥーの除去手術に限りますと、切除と植皮は補完関係にあります。たとえば、1cm以下のものは切除、それ以上ですと植皮と言った感じです。もちろん部位によって、その境界となる大きさが違ってきます。

そして、切除と植皮・・この2つの手技の利点はどちらも2週間くらいで刺青やタトゥーを除去できるということです。

刺青やタトゥーの削皮・剥皮について

刺青・タトゥー削皮は2年くらいかかりますが、どのような刺青やタトゥーでもほとんど除去できて、どのような小さなものから大きなものまで、上手く行うことができれば・・もっともよい除去治療だと言えます。

もちろん、削皮・剥皮の欠点は施術する執刀医によって結果の差がでやすいことです。

上手くない削皮・剥皮は上皮化といって皮膚ができるまで長期間かかり、とてもかゆくて赤黒くケロイド状の傷跡(肥厚性瘢痕)になります。

下手な削皮・剥皮は、もっとも悲惨ですので、やらないほうがいい・・一番ダメな刺青・タトゥー除去治療です。

下手な削皮・剥皮よりはレーザー・切除・植皮をケースバイケースで組み合わせたほうが、ずっとマシですよね。やはり、刺青・タトゥー除去治療の適応の広さは施術のクオリティー次第ですよね。

刺青・タトゥー除去の適応についての結論

刺青やタトゥーを除去している医師の立場では一番おいしいのはレーザーで次は手っ取り早い切除と言ったところでしょうか?

刺青やタトゥーを除去する患者さんの立場に立つと早いのは切除と植皮です。何と・・2週間で除去治療がほぼ完了します。

総合的には上手く行った削皮・剥皮がもっとも適応が広くて、レーザーは適応を選ぶということでしょうか?

 

タトゥー分割切除後、レーザーによる除去に方針転換された症例

刺青・タトゥー除去についてはこちら

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