眉下切開の時代が来た?
去年10月に品川で行われた形成外科学会系の第41回美容外科学会総会でシンポジストをさせていただきました。シンポジウム3 美容外科新時代への挑戦~眼瞼~というセッションでした。
シンポジウムの一番最後だったにもかかわらず、たくさんの先生方が聞いてくださって満員でした。
わたくしは相変わらず、眉下切開について発表したのですが、おどろいたことに有名クリニックの他の先生も眉下切開の演題を出されていて
5題あった演題の内訳は、二重切開1題、眼瞼下垂の手術(挙筋前転)1題、目頭切開1題、そして、眉下切開2題でした。まるで、眉下切開の時代が来たかのようですよね。
眉下切開で有名な先生からの質問
その中で、学会会場にいらっしゃった眉下切開で有名な先生(超大先輩)から、質問(お叱り)があったのですが、その内容とは・・「先生の眉下切開はタヌキ目が治っていないね?」って言われたんです。
そのときは、てっきり、六本木境クリニックの眉下切開は比較的若い人が多いので、高齢者でも控えめに切っているんじゃないのか?ってことだと思ったんです。
実際に眉下切開は通常・・世間では60代から70代中心の手術だとされているようですが、
六本木境クリニックの眉下切開は10代から90代、平均年齢は44.8歳、多い年齢層は30代から50代なのでそのように思われても仕方がない面もあるのかもしれません。
六本木境クリニックの眉下切開での皮膚切除面積
でも、わたくしは80代、90代のかたの眉下切開では眉毛の外側まで切開線を伸ばして、さらに切除幅を大きめにしているので、皮膚切除自体が足りないはずはないと思っています。
その上、わたくしの眉下切開では眉毛の内側までをかなり切除しているので、同じ年齢の人どうしを比較すると、他院の眉下切開よりも皮膚切除面積が広いと思われます。
その証拠に六本木境クリニックに眉下切開の手術見学に来られた先生方は、いつも「こんなにたくさん切っているんですね。」なんておっしゃっていますので、眉下切開の皮膚切除が少ないなんてことはないと思います。
わたくしがよく言っている「眉下切開では皮膚を伸ばさずに8mm幅前後で皮膚を切り取っています。」というのも誤解を招きかねない表現ですよね。
年齢によって眉下切開の切除幅を変えていないと言う風に取られかねませんが・・実はこの表現には深い意味が隠されています。
80代や70代で皮膚がたるたるにたるんでいる人に対して、眉下切開のとき9mm幅で切除すると、皮膚を伸ばした状態では15mmくらい切り取っていることになると思います。
反対に10代や20代で皮膚のたるみなんてどこにあるの?って感じの人に対して7mm幅で眉下切開すると、どんなに皮膚を一生懸命に伸ばしても8mmくらいの切除幅になっていると思われます。
眉下切開に対する質問の真相
でも、後からよくよく考えてみると、眉下切開で、タヌキ目が治っていないと言う意味は、皮膚切除量の話ではなくて、ぜんぜん違った話なのかもしれません。
一般的な眉下切開は眉頭の傷跡が目立つと本当に困るので眉毛の外側中心に切る手術です。
そのため、世間一般の標準的な眉下切開とは外側に向かって無理やり皮膚が引っ張られ・ひきつれて吊り目になる手術でして、一般的な眉下切開は、たぬきのような顔がきつねのような顔になる手術だと言うことでしょう。
でも、眉下切開は必ずまぶたが外側に引っ張られてひきつれ、目が吊り上がる手術ではありません。眉頭付近まで切ってバランスよくリフトアップできた場合には、目が吊り上がったり、ひきつれたりはしませんので印象は変わりません。
それではなぜ、多くの医師が眉下切開で内側まで切らないのでしょうか?
眉頭の傷跡が目立つと、ものすごく悲惨なことになるので、キズや傷跡にすっごく自信がないと眉頭側(内側)まで切ることができませんよね。
顔だちが変わって満足する人は犯罪者か病的なほど自分の顔が極端に嫌いな人くらいです。わたくしはタヌキはタヌキのまま、キツネはキツネのままのほうが、ほとんどの人にとって満足度が高いと思っています。
眉下切開についてはこちら
https://www.problem-eyelid.net/
https://roppongi-sakai-clinic.com/guidance/eyelids/