刺青・タトゥーを切除で除去したい
東京都内にお住まいの30代の女性から、刺青・タトゥー除去治療について、次のような質問がありました。以下、質問内容とわたくしの回答です。
<患者さん>
二の腕に4×3cmのタトゥーが入っています。黒一色のタトゥーではなく、緑がガッツリ入っていて、縁取りの黒い墨は盛り上がっていてけっこう深そうです。
切除で除去したいと思っています。
でも、六本木境クリニックのブログやHPのQ&Aなどには、「削皮(皮膚剥削術・アブレーション)+レーザー法」の解説ばかり載っています。
「削皮(皮膚剥削術・アブレーション)+レーザー法」ですと、除去治療にかなり時間がかかるのではないでしょうか?
ブログやHPのQ&Aに「色が入っていない黒一色で薄めの刺青・タトゥーの場合は、約1年~1年半弱かかる。色が入っていたり濃い目の刺青・タトゥーの場合は、約1年半~2年かかる」と書かれていました。
子供が小さいうちに、物心がつく前にタトゥーを除去したいと思っています。
ですから、「削皮(皮膚剥削術・アブレーション)+レーザー法」ではなく、手っ取り早く「切除」を希望します。
私の場合、4×3cmの小さ目のタトゥーなので切除向きだと思っています。
六本木境クリニックでは、切除による刺青・タトゥー除去治療は行っていないのでしょうか?
また、「削皮(皮膚剥削術・アブレーション)+レーザー法」とレーザー単独治療とでは、どう違うのでしょうか?
<境>
刺青・タトゥー除去治療とは、医療の中でも特に難しい大変な分野です。このように難しくて大変な分野においては、素人判断が難しく、患者さん本人がご希望されている方法が一番良い方法とは限りません。そのため、専門家として違う方法をご提案する場合も多々あります。
刺青・タトゥー除去治療の変遷:切除から削皮へ
以前は六本木境クリニックでも切除による刺青・タトゥー除去治療をたくさん行っていました。
その経験を通してお話します。
切除は、ごく小さな刺青やタトゥーに限ってのみ適応可能です。どのくらいのサイズまでが適応かと言いますと、手足ですと約1cm、腕や足などでは約1.5cm、背中や胸などでは2~3cmくらいまでと言えるでしょう。それより大きい場合は、良い結果にならないことが多いです。
それに対して、六本木境クリニックの「削皮(皮膚剥削術・アブレーション)+レーザー法」の場合は、1cm以下のごくごく小さな刺青・タトゥーから巨大な刺青・タトゥーまでサイズにかかわらず、ある程度の結果を期待できると言えるでしょう。
また、切除は削皮(皮膚剥削術・アブレーション)と比べて、手術操作が皮膚の深くにまで及ぶため、小さ目のタトゥーや刺青であっても、術後にしびれやヒキツレが生じて日常生活や仕事に支障を来す恐れがあります。また、合併症を生じる可能性もあります。
六本木境クリニックで行っている削皮(皮膚剥削術・アブレーション)は、皮膚のごくごく浅い部分だけを削り取る手術です。そのため、特に巨大な刺青やタトゥーの場合は、切除よりもずっと安全性が高いように思います。
このような理由から、六本木境クリニックでは、ここ4年以上、切除による刺青・タトゥー除去治療を行っていません。「削皮(皮膚剥削術・アブレーション)+レーザー法」のみ行っています。
刺青・タトゥー除去のレーザー単独治療は消えない
また、刺青・タトゥー除去のレーザー単独治療についてですが、「簡単に早く、刺青やタトゥーが消せる」などといった広告をよく目にしますが、レーザー単独治療で本当に刺青やタトゥーが消える人は1割にも満たないのではないでしょうか。たとえ10年かけて100回照射したとしても、多くの人の刺青やタトゥーの完全除去は無理のように思います・・
もちろん、「刺青やタトゥーが消えた」と言える状態とは、医師が「消えた」と思うだけではダメであって、治療を受けた患者さん本人が「消えた」と思える状態でなくてはなりません。
六本木境クリニックには、他のクリニックでレーザー単独治療を受けた方からの「何回受けても刺青やタトゥーが消えなかった」「薄くなっただけだった」などといった相談が多いです。
最近では、最新のピコレーザーによる刺青・タトゥー除去を受けた方からの相談も増えてきました。
話は変わりますが・・
子供が物心つく前に刺青やタトゥーを除去したい
お子さんが物心つく前に手っ取り早くタトゥーを消したいとのことですが、物心つく前とはいつ頃までを指すのでしょうか。実際のところ、いつ頃のことまで大人になっても覚えているのでしょうか。
ちなみに・・
わたくしは、ある時から高校の同窓会に行かなくなりました。その最大の理由は、当時のことを何も覚えていないからです。
「境君、あんなこと言ってたけど覚えてる??」
「みんなで、あんなことしたよね。覚えてる??」
なんて言われても、
全く覚えてないんです・・
なんとなく懐かしい気はするんですが、いつも「記憶にございません」状態です。
刺青・タトゥー除去についてはこちら
https://roppongi-sakai-clinic.com/guidance/tattoo/