【Q】
刺青・タトゥー除去について、
いろいろなネット情報やクリニックの情報によると、
「最新のピコレーザーは全色に対応可能」
と書いてありました。
最新のピコレーザーですと、
白い刺青も消すことが可能でしょうか?
また、白い刺青にピコレーザーを当てると
変色したりするリスクはありますか?
その他にも何かリスクはありますでしょうか?
白い刺青でも他の色と同じでしょうか?
それとも白特有のリスクがありますか?
【A】
わたくしはピコレーザーの経験がなく、
学会などで講演を聞いているだけですので、
ピコレーザーを持っていて、
実際に施術している医師の方が詳しいと思います。
ピコレーザー押しの医者に質問して、
いかにもといったキャッチフレーズのような返事しか
返ってこなかったらゲンナリではありますが・・
レーザーの欠点やリスクまでを含めて
正直な意見を言ってくれる医師もいるかもしれません。
もちろん、わたくしも最新のピコレーザーについて
すごく興味がありますので、
学会などではピコレーザーの講演を
できるだけ優先させて聞くようにしています。
また、ピコレーザーを販売している会社の
社長さんと一対一で食事しながら、
いろいろ質問したりもしているほどです。
この社長さんは、わたくしと同い年・49歳の
イタリア系アメリカ人の方でメチャメチャ賢くて
レーザーの話は何をお聞きしても超詳しいです。
確かに従来のレーザーよりも適応は広く
いろいろな色に対応可能でしょうが・・
学会などで、最新のピコレーザーによる
施術後の症例写真を見ていても
本当に消えていると言えそうなものは
未だにほとんど見当たりませんので、
最新のピコレーザーであっても、
刺青やタトゥーを完全に消すことは不可能かもしれない
とわたくしは思っています。
レーザーは消すというよりは、
薄くするという治療ではないでしょうか?
ピコレーザーだから特別というわけではなく・・
レーザーにはレーザー特有の‘消え方’というものがあります。
レーザーをやっている医者は
「消えた」「消えた」と連呼したり
「1回でこんなに消えます」
「10回で消えるでしょう」
などと「消える」という言葉を多用します。
でも、受ける側・患者さんは、
「全然消えていない」「全く消えない」
と思っている・・といった特徴があります。
このことは、どのような最新機種であっても
レーザーである限り、ついて回る切実な問題です。
刺青・タトゥー除去のように
非常に大変な治療の場合には、
治療を受ける側の立場に立って考えると
正解に近いものが見えてくると言えます。
レーザーで薄くなることについて、
いくらキャッチフレーズだとしても
「消えた」「消える」といった言葉を使うのは、
相手の気持ちを逆なでする・傷口に塩を塗る、
そのような行為と思えます。
また、白のようにレーザー自体と相性の悪い色は
ピコ系のレーザーであっても
相性が悪いのではないかと思います。
ご指摘通り、含まれている成分次第でしょうが・・
どのようなレーザーを用いても
白いタトゥーは変色のリスクがあると思います。
特にピコレーザーは染料の分子構造の変化によって
薄く見えるということも売りのようですので
変色しやすいかもしれません。
わたくし自身、刺青やタトゥーの削皮後に
わずかに残った白色に
QYAGレーザーやルビーレーザーを打って
緑っぽく見えるようになった
という経験が何度かあります。
白のようにもともと目立ちにくい色の刺青やタトゥーは
「除去治療せず、そのままにしておく」
というのも一手だと思います。
また、除去治療を受けるのであれば、
そこそこ良い方法は「削皮+レーザー」
しかないと思っています。