神奈川県の30代女性が腰部刺青除去相談に来られました。
腰部の斜め後ろ、ちょうどウェストの部分に
15×14cmの刺青があって
お子さんをプールや温泉に連れて行くこともできず・・
本当に刺青を取りたくなったそうです。
刺青・タトゥーの分割切除で有名な
都内のクリニックに相談にいったところ、
「分割切除4~5回で切り取ることができる」
と言われたそうです。
でも、対応が事務的で、支払い方法や契約内容など
患者さんにしてみればどうでもいいことばかりを
長々と説明されて、聞きたい内容は説明が非常に短くて
ゲンナリしたそうです。
何か嫌な予感がして、
当院にセカンドオピニオン的に相談に来られました。
以下は六本木境クリニックでのカウンセリングで
わたくしが説明した内容です。
分割切除では無理です。
その大きさの刺青は切除では除去できません。
分割切除4~5回のうちの1~2回を受けた段階で、
確実にドッグイヤーができます。
ドッグイヤーとは、
一番よせ幅が大きな広い部分がくぼんで、
よせ幅が小さな狭い部分が犬の耳か角のように
飛び出す・ふくらむといった現象で、
形成外科の世界では常識中の常識です。
ドッグイヤーは手術で皮膚を切ったり、
けがで皮膚が切れたりしてもできませんが、
刺青やタトゥーの切除のように
面積が少しでもある皮膚を切除すると必ずできます。
皮膚を切り取らない通常の手術や
ケガで切れた傷を縫うような手術では
ドッグイヤーは全く出現しないため、
形成外科出身以外の医師には全くなじみがありません。
ドッグイヤーが目立つか目立たないかが問題であって
皮膚を切り取ると程度の差こそあれ
必ずドッグイヤーができます。
このことは議論の余地がありません。
また、ウェスト部分の刺青を切除すると、
必ずウェストラインに凸凹ができて、
左右非対称になります。非常に見苦しい結果となります。
おそらく1~2回切除した段階で
赤黒い盛り上がった汚い傷跡が真ん中にできて、
ウェストラインはでこぼこになって、
刺青は半分くらい残っているというのに
刺青除去治療自体をあきらめることになるでしょう。
そのような悲惨な結果を容易に予測できます。
また、形成外科出身の医師は、
ドッグイヤーを恐れるあまりに
非常に長い傷跡にしてしまうことが多いです。
縦横比が3~4はないと
ドッグイヤーが非常に見苦しくなります。
縦横比が1に近い場合などは、
フタコブラクダの生まれ変わりに違いない
といった状況になってしまいます。
そのため、ドッグイヤーを熟知している医師ほど
無理やり長い傷跡にしてしまう傾向にあるというわけです。
例えば、縦横比が1くらいで、
15cmもある刺青やタトゥーの切除の場合、
25cmや30cm以上もの長さの
赤黒くてメチャメチャ目立つ傷跡になるといった具合です。
それだけじゃありません。
中縫いの糸がまるで順番待ちしているかのように
毎回毎回飛び出してきて、ずっとチクチクします。
何年間も臭い汁が出続けて、
シャツがいつも茶色く汚れるようになります。
自分だけがたまたま感染して
そうなるのではありません。
ある程度の大きさの
刺青・タトゥーの切除を受けた人全員が
同じような目にあっていると言います。
世田谷でも紅葉が・・
東京に住んでいても
十分に季節感があります。