「傷跡が残らない刺青除去治療」 「無傷で刺青やタトゥーを消す」という記載をネット上で見つけました。 あり得ないですよね。 刺青やタトゥーを無傷で消せる確率はゼロ% ということは、医学において基本中の基本です。 刺青・タトゥーの除去治療というものは、 “傷跡で置きかえる”という意味です。 無傷、消す、元に戻す といった意味ではありません。 レーザーであっても同じです。 「レーザー除去治療を受けたが、デコボコになっただけ」 「墨はあまり取れなかった」 こういった相談は非常に多いです。 切除や削皮を行っていると、 刺青・タトゥーレーザー除去を受けた人の皮膚は 非常に硬く、傷跡(瘢痕)になっていることが多く、 驚かされることが多いです。 また、刺青やタトゥーの切除後の傷跡とは、 細くて白い一直線の傷になると思っている方が多いのですが・・ 医者も患者さんもある意味勘違いしているようです。 刺青・タトゥー除去治療と、世間一般の手術では、根本的に違うのです。 世の中の一般的な治療・手術では、 皮膚を広い面積で切り取るということはありません。 しかし、刺青・タトゥー除去治療での切除は、 絵柄の入っている部分の皮膚を、広い面積で切り取るのです。 ですから、縫い合わせた後は、皮膚が左右に引っぱられ続けます。 そのため、“細くて白い一直線の傷跡”というものにはならないのです。

 

けが、心臓や胃腸の手術、骨折の手術、帝王切開の傷跡。

帝王切開 内臓手術

皮膚を切り取るにしても、ホクロなど小さな皮膚腫瘍を切り取った傷跡。 紡錘切除(ほくろ)

こういったケースは、 刺青・タトゥーの切除(大きく・広く皮膚を切り取る)と比較すると 非常に条件が良いのです。 刺青・タトゥーを切除すると、 かなり小さい面積の切除や、細長い切除の場合を除いて、 比較的小さめの切除であっても、 幅広で盛り上がった赤黒い傷跡になります。 医者は「だんだんと落ち着いてきます」と、 よく言いますが・・・・・・あり得ません。 こういった発言は、 一般診療でよく見ている“皮膚をあまり切り取っていない傷跡治療” の経験に基づいているといえるでしょう。 皮膚はほとんど伸びませんので、 永遠に引っ張られ続け、刺激が続くことになります。

 

紡錘型切除の経過

くどくなりますが 傷跡が残らない刺青除去治療はありません。 あり得ません。