眼瞼下垂のある人の眉下切開

まぶたのたるみと眼瞼下垂について

まぶたのたるみにはレアなものまで含めると本当にさまざまなものがあります。

でも、大学など特殊な医療機関でどうなのかは分かりませんが、実際に臨床現場で、開業医が遭遇するもののほとんどは次の2つのもので占められていると言っても過言ではありません。

それは皮膚中心・前側のたるみである上眼瞼皮膚弛緩(偽性眼瞼下垂)と眼瞼挙筋腱膜のゆるみ、後ろ側のゆるみである腱膜性眼瞼下垂です。

メジャーなまぶたのたるみ

  • 上眼瞼皮膚弛緩(偽性眼瞼下垂)・・皮膚のたるみ
  • 腱膜性眼瞼下垂(眼瞼下垂)・・・・眼瞼挙筋腱膜のゆるみ

 

典型的な皮膚のたるみ(上眼瞼皮膚弛緩) 眉下切開の適応

 

 

典型的な腱膜のゆるみ(腱膜性眼瞼下垂) 眼瞼下垂の手術の適応 何と・・眉下切開でも改善することがある

 

この両者を比較すると、皮膚弛緩のほうが眼瞼下垂よりもずっと多いと思いますし、、30代以上の人でまぶたの皮膚のたるみを自覚していない人なんてほとんどいないですよね。

眼瞼下垂のある人でも先天性眼瞼下垂の子供さんを除けば誰でも皮膚のたるみがあります。すなはち、眼瞼下垂の人もほとんどの場合、皮膚のたるみプラス眼瞼下垂だということです。

でも、世間では眼瞼下垂と診断して保険で安く眼瞼下垂の手術を行っている医師がとても多く、反対に眉下切開をたくさん行っている医師は意外と少ないです。

なぜなら、眉下切開の場合、うすくてしなやかな皮膚に傷跡が残らないけど、傷跡が二重ラインにかくれないので傷跡が目立つととても悲惨だからです。

眼瞼下垂の手術・眉下切開とまぶたのたるみ

  • 腱膜性眼瞼下垂・・・眼瞼下垂の手術
  • 上眼瞼皮膚弛緩・・・眉下切開

でも、眼瞼下垂の手術でほとんどの人が満足していれば「めでたしめでたし」ということなのでしょうけど・・薄くてしなやかな皮膚をたくさん切除してしまったり、挙筋前転しすぎて、不自然な整形顔やビックリ目になっている人がどうも大勢いるようです。

 

眼瞼下垂の手術や切開法などでうすくてしなやかな皮膚を切り取ったり、埋没などで高い位置に二重を作ったり、たるみ埋没や切らない眼瞼下垂の手術でまぶたのたるみを無理やり二重の下に押し込むと分厚い皮膚でできた人工的な二重になりやすい

 

六本木境クリニックでの実情(眉下切開中心)

六本木境クリニックはブログでも常々述べていますように、たいへん眉下切開が多いクリニックですので、眼瞼下垂のある人も眉下切開希望で来られます。

そして、眼瞼下垂の手術を受けなくて、眉下切開だけでも十分に目の開きが改善して、もともとの印象を変えずに目が開けやすくなったとたいへん喜ばれることが多いです。

眉下切開でまぶたの重みが改善すると、眼瞼挙筋や腱膜への負担が減り目が開きやすくなるからだと思われます。専門的な言葉で言えば、まぶた自体の重みが大きな開瞼抵抗であるというわけです。

複合手術:眉下切開+眼瞼下垂の手術(挙筋前転法など)について

しかし、眉下切開だけではじゅうぶんな改善感が得られず、さらに眼瞼下垂の手術を追加することもあります。眼瞼下垂の程度がひどい人は最初から眉下切開+眼瞼下垂の手術(挙筋前転法など)と言った複合手術をすすめたりします。

でも、六本木境クリニックでは、手術2回を受けることになったとしてもまずは眉下切開を受けてみたいという人が多いです。

そして、わたくしも「さすがに・・この人は眼瞼下垂の手術が必要だろう」と思っていた人が、眉下切開だけでとてもよくなって、ビックリさせられることが多いから不思議です。

でも、まれにそのような人からは改善度が低いとお叱りを受けることもあります。下記はそのようなケースでのメールのやり取りです。(ブログ用に多少リライトしています。)

眉下切開後のかたからのメール

5カ月前、六本木境クリニックで眉下切開を受けたものです。お陰様で傷跡はすっかりきれいになくなりました。まったくブログの記事の経過の通りでした。

でも、気がかりなことがあります。たぶん手術の前よりはいいと思うのですが、私から見て見た目の改善感はほとんどありません。

目の開き具合が悪く眠そうな感じは眉下切開の手術前のままです。これを改善するためにはどのような方法がありますか?たとえば、埋没などで改善できますでしょうか?写真をお送りします。

眉下切開後のかたからのメールへの私の返事

眉下切開で両側9mm幅で皮膚を切除しているので、変化がないわけはありません。おそらく、手術前にはひたいの前頭筋にいっぱい力を入れてすごされていたんだと思います。

 

手術後、まぶたのたるみや重さが減ったので、自然とひたいの力が抜けて、後もどって感じるのだろうと思われます。

眉下切開後の経過で、ひたいの前頭筋の力が抜けて、まるで後もどったかのように感じるケースがあります。でも、このようなケースではひたいのしわが劇的に改善します。

眉下切開後挙筋前転法

わたくしはこれ以上の改善をほぼ確実に得るためには眼瞼下垂の手術・挙筋前転が一番良いと思います。

でも、一般的に挙筋前転(眼瞼下垂の手術)では二重ラインで皮膚切除を行います。うすくてしなやかな皮膚をたくさん切り取ってしまうと、皮膚の分厚いところで二重ができて不自然になってしまうことが多いようです。

このため、眼瞼下垂の手術や挙筋前転法の画像をネット検索すると、ゲンナリ・・の結果ばかりが目につき、手術を受けること自体を躊躇している人が多いと言います。

その上、特に眉下切開後のかたですと、二重ラインでも皮膚を切り取られてしまうと、皮膚が足りなくなったり、目が閉じにくくなったりするリスクもあります。

わたくしにお任せいただけますと、追加の皮膚切除をほとんど行わずに挙筋前転を行いますので、不自然になりにくいと思います。

挙筋前転は眉下切開と同じお値段ですが、当院で眉下切開を受けられたあとの方は30万円としています。

 

眉下切開後埋没法

また、眉下切開後の埋没法はそこそこ自然な見栄えになることもあり、完全否定できるものではありませんが、一般的に埋没法は目に良い手術ではないと言われています。念のため、わたくしのほうも手術前のお写真画像を貼付しておきます。

 

眉下切開後のかたのお返事2

お写真画像ありがとうございます。確かに眉下切開前後の写真を見比べるとかなり改善していますね。

もうすこし目の開きを良くして、見た目も自然な形でよくするためには、二重切開や埋没法などよりも挙筋前転(眼瞼下垂の手術)の方が良いということでしょうか?

埋没法ならばダウンタイムが少なく今の見た目より少しだけ良くなるので大丈夫かなと期待していたのですが。挙筋前転だとダウンタイムとイメージが大きく変わって不自然になってしまうのがこわいです。

 

わたくしの返事2

大丈夫です。眉下切開後に二重ラインで皮膚を切り取らず眼瞼下垂の手術を控えめに行うと、かなり自然な結果にできることがほとんどです。

そして、ご自身から見られてイメージが少し変わったとしても、自然な仕上がりですと、他の人からは気付かれないことがほとんどです。

六本木境クリニックの眉下切開後に二重ラインの手術を行うようなケースは眼瞼下垂や他院二重手術の修正、二重切開・埋没などいろいろなものを含めて、6.5%です。多くも少なくもなくて微妙な数字ですよね。

 

眉下切開についてはこちら

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上まぶたのたるみ 総論/まぶたのたるみ(Part1)

眉下切開に関するよくある質問