眉下切開の縫合で行ってはいけないこと

眉下切開では白い線状の傷跡が残っても悲惨!

傷跡がなくなることはなくて形成外科でも最もきれいな最終的傷跡は白い線状の傷跡だとされています。でも、眉下切開では白い線状の傷跡が残っても悲惨な場合が多いです。

よって、眉下切開は切って縫うだけ・・形成外科医だったら誰にでもできそうな手術ですが、細かいところに必ず行ったほうがいいコツというものが目白押しです。

前回は眉下切開の切開でやってはいけないことを詳しく考えて行きましたが、今回は縫合(縫うこと)について詳述して行きたいと思います。

眉下切開でPDSなどの溶ける糸で真皮縫合など中縫いを行うこと

PDSなどの吸収糸(溶ける糸)で真皮縫合や中縫いを行うと、糸が溶けるとともにキズが幅広く広がってきます。PDSなどの吸収糸(溶ける糸)で真皮縫合を行うと、ナイロンなどの溶けない糸を使った場合と比較すると、わたくしの経験上はるかに目立つ傷跡となります。

そして、赤く盛り上がったミミズバレ状・ケロイド状の傷跡(肥厚性瘢痕)や深い溝状の傷跡にもなりやすいと考えられます。

また、PDSなどの吸収糸(溶ける糸)は高確率に異物反応を生じ、糸が露出して、色素沈着になって傷跡が目立ったり、感染などの不具合も起こしやすいと言えます。

わたくしが縫合(キズを縫うこと)に対して自信がついたのは、真皮縫合を溶けない糸・ナイロンで行っている上司と出会ってからです。

眉下切開のように傷跡が目立つととても悲惨な手術で真皮縫合や中縫いにPDSなどの溶ける糸を使うべきでないとわたくしは思います。

眉下切開で4-0以上の太い糸で強く真皮縫合・中縫いを行うこと

PDSなどの吸収糸・溶ける糸でも4-0以上の太い糸で強く真皮縫合をかけてしまうと、くぼみなどが長期間残るのでまるでイモムシのお腹のような外観のまぶたとなり結構悲惨です。

手術を受けたクリニックに相談に行くと、溶ける糸で縫っているので、溶けるにつれて、どんどんなだらかになって行きますなどと説明されるようですが・・デコボコはなかなか改善しません。

お顔で真皮縫合を強くかけてしまうと、すごく長期間くぼみが残ることは形成外科でよく言われています。

眉下切開で盛り上げて真皮縫合などの中縫いを行うこと

また、わざと盛り上げて縫うことも論外です。お顔の真皮縫合を盛り上げてしまったら戻らないです。長期間経ったあとの不自然な盛り上がりの相談も多いです。

実際に数年前の真皮縫合のくぼみや盛り上がりの相談もあるので、真皮縫合では部位や皮膚のうすさによってかけ方を変えたり、細い糸を使用したりと言った細やかな工夫が必要です。

2~3か月後に真皮縫合のくぼみや盛り上がりが目立つ場合、たとえPDSのような吸収糸を使った場合さえ永久にくぼみ・盛り上がりが目立つことも十分ありうるとわたくしは考えています。

眉下切開という手術は手術直後に変だったら、ずーっと変なままなのです。

他院眉下切開4か月後、真皮縫合のデコボコが4ヶ月経っても気になるそうです。このくらいのデコボコ相談はよくありますが、先日、3カ月前に4-0PDSで真皮縫合されたもっと激しい凸凹の相談がありました。

眉下切開で皮膚を連続縫合で縫うこと

皮膚を連続縫合で縫うと、結び目がなくてまるで糸が付いていないように見えると言う利点があります。

連続縫合の欠点は丁度良い結びの強さと言うものがないことと、何かしらのトラブルのとき、問題が糸全体におよぶことです。

結節縫合では1針・1針丁寧にちょうどよい強さで結ぶことができますし、何かしらのトラブルが生じた時に1針抜糸して縫い直せばほとんど問題解決ですよね。

一方、連続縫合の結び方が弱いと、創縁が安定せず浸出液が漏れだして、まるで化学熱傷のように創縁が赤くなり、最終的には白く盛り上がった傷あとや溝状にくぼんだ傷跡になります。

また、連続縫合で結び方が強すぎると、これまた創縁の血流が悪くて傷跡が汚くなることはよく知られています。

それでは連続縫合でも絶妙な丁度良い結び方をすると、きれいな傷跡になるのではないか?って言われそうですが・・前述のように丁度良い結び方がないのが連続縫合です。

連続縫合では浸出液が創縁から漏れるのに、創縁が強く締められすぎて血流も悪いことがほとんどだとわたくしは思います。

では、なぜ、眉下切開の皮膚縫合を連続縫合で行うクリニックが多いのでしょうか?連続縫合の良い所って何でしょうか?それはズバリ・・早いことです。

眉下切開などの美容外科手術はお顔の見た目を左右する手術ですので、早いことを優先させるような手術ではないと思います。特に眉下切開では傷跡が目立つと一生たいへん困ります。縫うことに時間を使わない意味が分かりません。ただの手抜きだととられても仕方がないですよね。

眉下切開は細い糸で細かく1針1針丁寧に結節縫合を行うことが最善であることは間違いない

眉下切開の毛包斜切断法で丁寧に縫わないこと!

毛包斜切断法で切らないと白い線や溝状の傷跡となります。でも、せっかく毛包斜切断法を用いても、丁寧に縫わないと、かえって悲惨な結果となります。

特に毛包斜切断法で創縁が傷んでささくれ表皮が創縁に入り混んだリ、インバート(表皮側が丸まって創縁に入り混むこと)させるとアテロームやミリウムのようなできものが多発して凸凹でマダラの汚い傷跡となります。

わたくしは創縁をできるだけセッシでつままないようにすることと、1針1針皮膚縫合後にインバートしていないか確認しています。

眉下切開の毛包斜切断法では睫毛側創縁が時にちぎれやすいので、顕微鏡手術(マイクロ)なみの丁寧さが要求される
眉下切開の毛包斜切断法では睫毛側の皮膚があまりにもうすいため、インバートしやすい。インバートというのは上皮成分(表皮)が創縁に埋入することである

眉下切開についてはこちら

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