東京に来て6年半、
開業して4年半が経ちました。
九州の形成外科医が、
まるでパラシュート部隊のように
突然東京にやってきて、
2年間美容外科に勤めた後、
いきなり東京で開業したというわけです。
ちょうど九州の医者が
東京で開業しているようなイメージです。
実際、初めてお会いした方々から
「先生って、本当に東京っぽくないですね」
とよく言われます。
東京は競合クリニックが非常に多く、
患者さんの目も、いい意味で厳しく肥えていて
まさに弱肉強食の世界だと言えます。
なんと、東京で美容外科を新規開業すると
1年以内で7割がつぶれると言います。
そんな過当競争の場所で美容外科クリニックを
やっていく意義とは、いったい何なのでしょうか?
それは症例数に尽きると思います。
ある本によると、
東京圏は、4000万人圏と言われています。
4000万人圏って、史上一度も
出現したことがないらしいです。
上海やニューヨークでさえ2000万人圏です。
史上出現したどのような巨大都市も
ほとんどは1000万人圏以下だと言います。
しかも、東京以外では二度と出現しない
と、言われています。
通常、人口が増えれば増えるほど、
渋滞とゴミと犯罪は相乗的に増えるので、
都市機能が急激に落ちて、
それ以上大きくなれないそうです。
東京は日本人特有の道徳観と
几帳面さ・清潔好きのおかげで
4000万人圏という人類史上類を見ない
奇跡が実現されたのだそうです。
実際、六本木の日曜日の朝は、
大勢の真面目そうな人たちが
一心不乱にゴミ拾いしています。
東京と地方とを比べた場合、
アクセスの便利さなども差があるかもしれませんが、
本当に一番いかんともしがたいことは、
症例数の差ではないのでしょうか?
症例数の差だけは、
簡単にどうこうできるものではありません。
そもそも症例数の差を軽く見るということは
患者さん1人1人を軽く見ることにつながります。
症例数は非常に大切です。
ある意味、政治家の票数よりも大切かもしれません。
わたくしが本当にたくさん行っている
眉下切開やスプリングスレッドでも
本当に細かいところまでこだわると
数日ブランクがあったりすると
何かしら感覚のズレを感じたりするものです。
毎日のように
眉下切開やスプリングスレッドの手術をしている医者と、
1ヶ月に1回しかやらない医者との差は、
まさに百倍だと断言できます。
そんなにたくさん手術して疲れないのか?
同じ1日のうちで1例目より2例目の方が
クオリティーが落ちるのでは?
という質問が常にあるのですが、
手術で疲れるなんて、
そんな罰当たりなことは言えません。
外科医は手術があってナンボという生き物ですし
手術していると不思議と疲れません。
1日中カウンセリングの日は、
終わるとぐったりしていて
すぐに眠りたくなりますが、
1日中手術の日は、
終わるともう1例手術をやりたくなるか
なんだかテンションが上がって
飲みに行きたくなるほどです。
若い頃は、小手術まで入れると
1日に20~30の手術を行ったこともあり
急患さんを挟んで1日半くらい手術三昧
といった日も何度もありました。
形成外科の上司からも
「君はいつでも元気だね」と言われていましたし、
「君は手術がないと、
すぐに風邪を引くから手術室にいていいよ」
とも言われていました。
今では、手術の無い日は体調が悪くなりやすく、
風邪をひきやすいというほどの得意体質に
なっていますのでご安心ください。
東京の利点はブランド力
と思っている方も多いのですが、
それは違います。
東京は実力の世界だと思います。
一般の方が感じている東京のブランド力とは、
実力がないと生き残れないことや
その1ケタ2ケタ違うほどの
膨大な症例数に裏打ちされた実力
これらに基づくものだと言えます。
実際に東京で何かの施術を受けて
さすが東京だと思われることの繰り返しや
1例1例の積み上げの上に成り立っているのですから、
われわれ東京の美容外科医は、
東京の名に恥じないようにしなくてはなりません。
毎日そのように
自分に言い聞かせて頑張っています。
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夕暮れ時のTHE ROPPONGI TOKYO。
六本木境クリニックが入っているビルです。