東京郊外の30代女性から眉下切開について質問がありました。
【A】
最近、まぶたのたるみが気になってきましたので、
眉毛下皮膚切除法(眉下切開)を受けようかと思っています。
六本木境クリニックのホームページも関連ブログも
何度も読み込んで、眉下切開の施術については、
十分に理解できていると思います。
そこでご相談ですが、
眉下切開の手術中に鏡で何度も状態を見せてもらって
お互いに逐一相談・確認を繰り返しながら
少しずつ進めてもらうことは可能でしょうか?
たるみがひどい方ではないと思うので
眉下切開のとき
皮膚をたくさん切り取る必要はないと思います。
ですので、量より質の話となるかと思います。
微妙なところが問題になるように思います。
【A】
眉下切開では、
ご要望通りに少しずつ切って、縫って、切って・・
を繰り返しますと、傷口が痛んでギザギザにささくれて、
目立つようになってしまいます。
そうした状態になった場合、
アテロームやミリウムといった皮膚成分の埋入による
腫瘤が多発して、頻回に感染を起こす可能性があり、
長い年月にわたって苦しむことになるかもしれません。
「感染がほとんど生じない」
という眉下切開のせっかくの長所を
帳消しにしてしまいかねません。
(わたくしは、10年近く眉下切開を行ってきて、
なんと、未だに1例の感染も出ていません)
眉下切開の毛包斜切断では、
まるで日本刀で切るかのように
できるだけスパっと切る方が
きれいな傷跡になって目立ちにくいです。
また、微調整を繰り返しながら眉下切開を行うと
2倍の時間がかかりますので、
途中で麻酔が切れて痛くなり、
麻酔を追加すると腫れが強くなり、
かえって微調整できず、正確な手術が難しくなります。
眉下切開のような手術では
医者の経験と勘に基づく一発勝負の方が
結果が良いと断言できます。
また、六本木境クリニックでは、眉下切開の際に
どのように切るのかペンで書いたもの、
いわゆるデザインや途中経過を
お見せしたりご相談することは一切ありません。
玄人が素人の方と相談するというのは
結果が悪かった場合に「手術の時に相談したでしょ!」
と、言い訳しやすいという
ネガティブな意味合いしかないと言います。
玄人が素人と相談すればするほど
クオリティーはどんどんどんどん急降下して
必ず悪い結果となります。
理想は、たくさん経験がある医者が
患者さんに正直にご相談して
自分自身の判断で手術の全工程を行って
結果に全責任を持つことです。
つまり、
「おおよそどうなりたいか」
「どのような結果にしたいのか」
をお聞きしただけで
もし、できない場合・無理そうな場合には、
「無理です。もともとのお顔立ちや骨格では、
そのような結果には向きません。
生まれ変わらないと不可能です」
「できそうです。
全力で頑張りますが、手術はやってみないと
本当はわからないことがたくさんあります」
「このような場合には、
ほぼ全員の方にご満足いただいていますので
99%以上成功すると思われます。
しかし、手術でのイメージ共有はできません。
手術というものは思い通りになるものではありませんし、
医者と患者さんが同じような結果を
思い描いているという保証はありません」
などと正直にお話して、
独断と偏見で何が起こっても
100%すべて外科医自信の責任だと腹をくくり、
戦場のように神経を研ぎ澄まして
一撃必殺の示現流のように行う
というのが、
最も理想的と言えるでしょう。